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第9話 バルセスのお宝
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「で、なんで!」
「?」
リディは、叫んだ。
「あんたらと部屋一緒なのよーっ!」
今日はこの街に泊まる。ということで宿屋へと足を運んだのだ。遅くなれば埋まってしまうとリディに教わった為、やや急ぎで。
レンガ造りの宿屋。暖炉が設置されている少し割高の宿屋だ。個室と4人部屋しかなかったので、クリューが迷わず4人部屋を借りた。鍵を渡され、部屋へ着いて荷物を置いたところで、リディが叫んだ。
「金が無いからだな。オルヴァの剣が予想以上に高かった。節約できる所はしなければ」
「それなら言いなさいよ! もう少し安いの選んだのにー」
「もう遅いな。はっはっは」
「笑ってんじゃないわよー」
オルヴァリオは上機嫌だった。自分の武器を手に入れたのだ。リディから教わった手入れをずっとしている。
「嫌なら自分で部屋を取れよ」
「言われなくてもそうするわよ!」
ぷりぷりと怒りながら、部屋を出ていった。
「……なあクリュー」
「ああ」
「本当、なんでリディは俺達に協力的なんだ?」
「さあな」
「自分が経験豊富なら、駆け出しの俺達は足手まといだろう」
「……さあな」
どれだけ考えても、答えは出なかった。少し考えたクリューだが、すぐに考えるだけ無駄だと思った。騙すにしても、駆け出しふたりからは奪う物すら無いだろう。そして騙されたところで失うものが無い。
「明日はどうする?」
「街を出る。馬車が無いならその前に防寒着や野宿の用意を買い込んでから徒歩だな」
「ああ分かった。いよいよ冒険か」
「だな。楽しみだ」
男ふたりでにやにやとそんな会話をしていると、バンと勢い良くドアが開けられた。
「…………」
顔を怒りと悔しさで赤くした、リディだった。
「どうしたよ」
「……もう部屋全部埋まったって」
「…………ありゃ」
「ありゃじゃないわよー。男ふたりであたしに何するつもりよー」
「宿も決まったし食事にするか」
「そうだな」
「無視してんじゃないわよー」
「すまんが俺は『氷漬けの美女』にしか興味が無い」
「……あんたはそうだろうけど」
クリューとリディが、オルヴァリオを見た。
「…………いや、あのなあ。俺はラビア紳士だぞ」
オルヴァリオは溜め息を吐いた。そもそもこんな怪しい女を誰が襲うというのか。
「とにかく腹が減った。食事にしよう」
「…………」
リディは深く溜め息を吐いた。
なんだかんだと。
3人は協力して、バルセスへと向かうことになった。
「リディはどうしてバルセスへ向かうんだ? トレジャーは掘られ尽くして何も無いとお前が言ったんじゃないか」
「……あるのよ。まだお宝が」
「どういうことだ?」
食事中。彼らは訪れた酒場で食事を摂っていた。店内は満席で賑わっており、ウエイトレスの少女が忙しなく動いている。宿がすぐに埋まってしまったことと言い、この街は意外と栄えているようだ。クリューの質問に、まだ頬を膨らませているリディがやれやれと答える。
「……誰にも言わないでね。前回あたしが行った時に見付けたんだけど、その時は持ち出せなかったのよ。だから、それを回収しに行くの」
リディはふたりに顔を近付けるように指で指示をして、小声になった。
「持ち出せなかった?」
「大きすぎて、重くて……色々あってね。だからあんたらみたいな、男手が必要だったの」
「……なるほど。そういうことか」
「そうよ。あたしが見付けたお宝の、確定してる利益を半分も分けてあげるんだからありがたく思いなさいよね」
「既に誰かに回収された可能性は?」
「あたししか知らない場所に隠したからそれは無いわ。それに、回収されてればもっと話題になってる筈」
「どんなお宝なんだ?」
オルヴァリオの質問に、リディがにやりと口角を上げる。
「人の形をした機械よ」
「?」
出てきた単語の意味を、ふたりはすぐに理解できなかった。
「まあ見れば分かるけど。人形を大きくして、より精巧にして、機械を入れたようなものだった。あれは間違いなく古代文明の何かよ。100億だって夢じゃない」
「なんだと」
「そりゃ良い。俺達ついてるぜ、クリュー」
冬のバルセスさえ越えてしまえば。お宝があることは確定しており、その価値は目標の100億に届くかもしれない。
クリューの口角も上がった。
「?」
リディは、叫んだ。
「あんたらと部屋一緒なのよーっ!」
今日はこの街に泊まる。ということで宿屋へと足を運んだのだ。遅くなれば埋まってしまうとリディに教わった為、やや急ぎで。
レンガ造りの宿屋。暖炉が設置されている少し割高の宿屋だ。個室と4人部屋しかなかったので、クリューが迷わず4人部屋を借りた。鍵を渡され、部屋へ着いて荷物を置いたところで、リディが叫んだ。
「金が無いからだな。オルヴァの剣が予想以上に高かった。節約できる所はしなければ」
「それなら言いなさいよ! もう少し安いの選んだのにー」
「もう遅いな。はっはっは」
「笑ってんじゃないわよー」
オルヴァリオは上機嫌だった。自分の武器を手に入れたのだ。リディから教わった手入れをずっとしている。
「嫌なら自分で部屋を取れよ」
「言われなくてもそうするわよ!」
ぷりぷりと怒りながら、部屋を出ていった。
「……なあクリュー」
「ああ」
「本当、なんでリディは俺達に協力的なんだ?」
「さあな」
「自分が経験豊富なら、駆け出しの俺達は足手まといだろう」
「……さあな」
どれだけ考えても、答えは出なかった。少し考えたクリューだが、すぐに考えるだけ無駄だと思った。騙すにしても、駆け出しふたりからは奪う物すら無いだろう。そして騙されたところで失うものが無い。
「明日はどうする?」
「街を出る。馬車が無いならその前に防寒着や野宿の用意を買い込んでから徒歩だな」
「ああ分かった。いよいよ冒険か」
「だな。楽しみだ」
男ふたりでにやにやとそんな会話をしていると、バンと勢い良くドアが開けられた。
「…………」
顔を怒りと悔しさで赤くした、リディだった。
「どうしたよ」
「……もう部屋全部埋まったって」
「…………ありゃ」
「ありゃじゃないわよー。男ふたりであたしに何するつもりよー」
「宿も決まったし食事にするか」
「そうだな」
「無視してんじゃないわよー」
「すまんが俺は『氷漬けの美女』にしか興味が無い」
「……あんたはそうだろうけど」
クリューとリディが、オルヴァリオを見た。
「…………いや、あのなあ。俺はラビア紳士だぞ」
オルヴァリオは溜め息を吐いた。そもそもこんな怪しい女を誰が襲うというのか。
「とにかく腹が減った。食事にしよう」
「…………」
リディは深く溜め息を吐いた。
なんだかんだと。
3人は協力して、バルセスへと向かうことになった。
「リディはどうしてバルセスへ向かうんだ? トレジャーは掘られ尽くして何も無いとお前が言ったんじゃないか」
「……あるのよ。まだお宝が」
「どういうことだ?」
食事中。彼らは訪れた酒場で食事を摂っていた。店内は満席で賑わっており、ウエイトレスの少女が忙しなく動いている。宿がすぐに埋まってしまったことと言い、この街は意外と栄えているようだ。クリューの質問に、まだ頬を膨らませているリディがやれやれと答える。
「……誰にも言わないでね。前回あたしが行った時に見付けたんだけど、その時は持ち出せなかったのよ。だから、それを回収しに行くの」
リディはふたりに顔を近付けるように指で指示をして、小声になった。
「持ち出せなかった?」
「大きすぎて、重くて……色々あってね。だからあんたらみたいな、男手が必要だったの」
「……なるほど。そういうことか」
「そうよ。あたしが見付けたお宝の、確定してる利益を半分も分けてあげるんだからありがたく思いなさいよね」
「既に誰かに回収された可能性は?」
「あたししか知らない場所に隠したからそれは無いわ。それに、回収されてればもっと話題になってる筈」
「どんなお宝なんだ?」
オルヴァリオの質問に、リディがにやりと口角を上げる。
「人の形をした機械よ」
「?」
出てきた単語の意味を、ふたりはすぐに理解できなかった。
「まあ見れば分かるけど。人形を大きくして、より精巧にして、機械を入れたようなものだった。あれは間違いなく古代文明の何かよ。100億だって夢じゃない」
「なんだと」
「そりゃ良い。俺達ついてるぜ、クリュー」
冬のバルセスさえ越えてしまえば。お宝があることは確定しており、その価値は目標の100億に届くかもしれない。
クリューの口角も上がった。
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