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第31話 仲間
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厳かな門を抜けて。深く頭を下げる門番とメイドの群れを抜けて。
「お帰りなさいませ。リディ様」
メイド服を着た中年の女性が出迎えた。広い庭と、巨大な屋敷。ここが、リディの実家だという。
「あら、そちらは」
「仲間よ。今誰か居る? エリー」
「いえ。旦那様もハッシュ様も今はお出掛けに」
「そ。なら良いわ。はいこれ」
「?」
リディはメイドに紙を渡す。そこには『グレイシア盗難事件』についてが書かれてあった。事件概要と、エフィリスのこと、捜査協力すること、ここを拠点として連絡報告をすることなど。
「……これは?」
「取り敢えずそれだけ。あとよろしく。ほらあんた達、付いてきなさい」
エリーと呼ばれたメイドの脇を通り抜けて、屋敷の億へ進む。クリューとオルヴァリオ、サスリカも付いていく。
屋敷は高級そうな絨毯が敷かれ、天井にはシャンデリア。壁には絵画が飾られている。
「オルヴァの家もこんな感じだったな」
「いや俺んちは中流だよ。お前の家のことだろ。大商人の大屋敷」
そんな廊下をずんずんと進んでいく。ふたりがあまり驚かないのは、『こういう家』に割りと慣れているからだった。それにしても、クリューの実家の屋敷より大きいが。
「ここよ」
「?」
ある扉に辿り着く。観音開きになっており、相当広いのだと想像できる。ギィ、と開くと、様々なものが目に飛び込んできた。
並べられたいくつもの武器。世界中の剣に弓、銃、槍、斧、鎚。仕掛けの罠や、手投げの武器など。武器屋かと思うくらい、部屋中びしりと、整頓されていた。
「……武器庫?」
「あたしのコレクションルームよ。この部屋には武器関係しか置いてないけど」
「なる、ほど」
口振りから、他にもコレクションルームがあるらしい。そう言えばお酒コレクターなどとも言っていたなと、オルヴァリオは思い出した。
「さて。じゃああんた達の武器、『強化』するわよ。なんてったって相手は『特級』をものともしない犯罪組織なんだから」
「!」
「良いのか?」
よく見なくても分かる。どれも相当、高級だ。それだけじゃない。古代文明の技術が用いられた『トレジャー武器』だってあるだろう。とても貴重なものだ。
「リディはコレクターだろう。これらは、使用するために集めた訳じゃない」
「あのねえ。あたし達は今から、『組織』と戦うのよ?」
「?」
クリューとオルヴァリオは、分かっていなかった。先程の、サスリカを巡る会話を経て。リディの中ではもう、彼らは『仲間』なのだ。大切な。
「武器に妥協して誰かが死ぬくらいなら。『これら』はゴミよ。だけど仲間の命を守れる可能性が上がるなら。あたしが『これら』を集めてたことを、誇れる」
「!」
嬉しかったのだ。今までひとりでやってきたから。誰も信用せず、自分の身だけ守れば良かった。楽ではあったが、今回のサスリカのように、ひとりでは為し得ない仕事も当然ある。リディが今以上のトレジャーをコレクションしようとするなら、避けては通れない。
「オルヴァリオ、腕出して。もう1回計るから。クリューは、庭に射撃場があるからいくつか試しましょう。サスリカは……好きなの選びなさい」
「おっ」
「おう」
『ハイ。リディ様』
一緒にチームを組む。それはリディ視点よりも、クリューとオルヴァリオにとってとても頼もしいことなのだ。知識、経験、武芸。この世界、この時代のこと、トレジャーハンターについてはサスリカより頼りになる。
「……気合いを入れ直そう」
「ああ。エフィリスに啖呵切って首突っ込んだ手前もある。俺達はもう『トレジャーハンター』なんだから」
俺達が活躍せねば。ふたりはそう強く思った。
「お帰りなさいませ。リディ様」
メイド服を着た中年の女性が出迎えた。広い庭と、巨大な屋敷。ここが、リディの実家だという。
「あら、そちらは」
「仲間よ。今誰か居る? エリー」
「いえ。旦那様もハッシュ様も今はお出掛けに」
「そ。なら良いわ。はいこれ」
「?」
リディはメイドに紙を渡す。そこには『グレイシア盗難事件』についてが書かれてあった。事件概要と、エフィリスのこと、捜査協力すること、ここを拠点として連絡報告をすることなど。
「……これは?」
「取り敢えずそれだけ。あとよろしく。ほらあんた達、付いてきなさい」
エリーと呼ばれたメイドの脇を通り抜けて、屋敷の億へ進む。クリューとオルヴァリオ、サスリカも付いていく。
屋敷は高級そうな絨毯が敷かれ、天井にはシャンデリア。壁には絵画が飾られている。
「オルヴァの家もこんな感じだったな」
「いや俺んちは中流だよ。お前の家のことだろ。大商人の大屋敷」
そんな廊下をずんずんと進んでいく。ふたりがあまり驚かないのは、『こういう家』に割りと慣れているからだった。それにしても、クリューの実家の屋敷より大きいが。
「ここよ」
「?」
ある扉に辿り着く。観音開きになっており、相当広いのだと想像できる。ギィ、と開くと、様々なものが目に飛び込んできた。
並べられたいくつもの武器。世界中の剣に弓、銃、槍、斧、鎚。仕掛けの罠や、手投げの武器など。武器屋かと思うくらい、部屋中びしりと、整頓されていた。
「……武器庫?」
「あたしのコレクションルームよ。この部屋には武器関係しか置いてないけど」
「なる、ほど」
口振りから、他にもコレクションルームがあるらしい。そう言えばお酒コレクターなどとも言っていたなと、オルヴァリオは思い出した。
「さて。じゃああんた達の武器、『強化』するわよ。なんてったって相手は『特級』をものともしない犯罪組織なんだから」
「!」
「良いのか?」
よく見なくても分かる。どれも相当、高級だ。それだけじゃない。古代文明の技術が用いられた『トレジャー武器』だってあるだろう。とても貴重なものだ。
「リディはコレクターだろう。これらは、使用するために集めた訳じゃない」
「あのねえ。あたし達は今から、『組織』と戦うのよ?」
「?」
クリューとオルヴァリオは、分かっていなかった。先程の、サスリカを巡る会話を経て。リディの中ではもう、彼らは『仲間』なのだ。大切な。
「武器に妥協して誰かが死ぬくらいなら。『これら』はゴミよ。だけど仲間の命を守れる可能性が上がるなら。あたしが『これら』を集めてたことを、誇れる」
「!」
嬉しかったのだ。今までひとりでやってきたから。誰も信用せず、自分の身だけ守れば良かった。楽ではあったが、今回のサスリカのように、ひとりでは為し得ない仕事も当然ある。リディが今以上のトレジャーをコレクションしようとするなら、避けては通れない。
「オルヴァリオ、腕出して。もう1回計るから。クリューは、庭に射撃場があるからいくつか試しましょう。サスリカは……好きなの選びなさい」
「おっ」
「おう」
『ハイ。リディ様』
一緒にチームを組む。それはリディ視点よりも、クリューとオルヴァリオにとってとても頼もしいことなのだ。知識、経験、武芸。この世界、この時代のこと、トレジャーハンターについてはサスリカより頼りになる。
「……気合いを入れ直そう」
「ああ。エフィリスに啖呵切って首突っ込んだ手前もある。俺達はもう『トレジャーハンター』なんだから」
俺達が活躍せねば。ふたりはそう強く思った。
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