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第70話 烈火の如く
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「『昇降機』は下からも稼働させることができ、操作方法はオルヴァリオさんが。そして、登った先の目の前に奴らの根城である『古代都市』があります。そして、『直ちに上へ連絡する手段』は、ありません」
オルヴァリオの話を受けて、サーガが作戦を考える。だが、必要が無ければ作戦は要らない。そもそも、力押しで成功が難しいから作戦を考える必要があるのだ。
「つまり?」
「ゴリ押し速攻。敵は全て切り伏せて『昇降機』を確保。そのまま上へ登り、古代都市へ侵入。『グレイシア』及びサスリカさんを救出。『グレイシア』を解かし、全員で離脱。後はなんとでも」
「ははっ!」
冷静で聡明なサーガから、力押しのような作戦が出てきた。だがそれは、冷静に考えて最も有効的な手段であるのだ。忍び込むには人数が多く武器も大きい。さらにクリューチームは潜入のスキルも無い。騒ぎを起こせば退路の確保も困難だ。ならば正面から『戦争』を仕掛け、ゴリ押しでまかり通る。
エフィリスが声を出して笑った。
「良いな! サーガお前分かってるじゃねえか! 阻む全てをねじ伏せて前へ! はっはっは! 良いぜ!」
「ちょっと危険過ぎない? 相手は未知の特級トレジャーの武器をいくつも持ってるのよ」
リディが至極真当な意見を述べる。
「いや、俺もそれが良いと思う」
「オルヴァリオ?」
「奴らの武器は強力だけど、初見殺しなのは『雷の檻』くらいだ。あとはエフィリスの剣みたいな、『分かりやすい武器』しか無い」
「そうなの?」
「奴らは軍事力の強化より、とにかく『古代遺物』の蒐集を優先していたからな。そもそも居場所を突き止められないから、『直接戦闘』を想定していない」
「なるほど。情報アドバンテージのみで戦いに勝てると傲っているようですね」
情報は重要だ。天地がひっくり返るほど大事である。それはこれまでの戦いで皆が充分に分かっている。だが。
「この前のドラゴン討伐とここまでの旅で、クリューさん達の実力は分かりましたので。充分行ける作戦です。もう、『慎重』は必要ありません。攻める時は、烈火の如く」
「そ、そうなの……? でも相手は大勢なんじゃ……」
「①昇降機。②『断崖線』着地点。③古代都市内部。④『グレイシア』。……何も大勢と、正面から全員相手にする状況にはなりません。『各所撃破』していけば、戦力の差は覆し得ます。敵の配置と全容が分かったのも、オルヴァリオさんのお陰ですね」
状況は、刻一刻と変わっていく。それに対応できなくなった者から、脱落していく。
「おう。じゃ見せてやろうぜ。俺達の怒りをよ」
「……!」
ここまで、最速で来た。オルヴァリオがネヴァン側のままだとして、交渉が成功しようが失敗しようが、そのままであるならもう少し時間が掛かるだろう。つまり、『グレイシア』を解かす為にクリューを連れてくるという任務の成否が報告される前に、ここまでやって来た。報告する役目の者も全て、マルが撃ち殺している。報告が遅いと気付くのは後日だ。今は完全に、油断している筈である。
町では腹拵えや弾の補給など、諸々の最終調整を行い、その日の夜。町外れにある、商会の建物がある。崖に張った天幕で隠されている場所に、昇降機がある。表向きは普通の商会だ。ネヴァンの文字も無い。怪しまれないように定期的に人の出入りと、カモフラージュの取引が行われている。
「無関係な奴を巻き込む心配もねえって訳だ。さあ行くぜ。派手になァ!」
エフィリスを先頭に。今回もマルは1キロ離れた狙撃地点から。彼女は今回は、建物から出てきた敵を逃がさず撃ち殺す役割だ。
「オルヴァ。大丈夫か」
「……ああ。しっかりやるさ。見ててくれ、クリュー。俺は挽回する」
「肩肘張っちゃって、全然大丈夫じゃないっつーのよ。あんたやっぱり人殺せないでしょ。無理しなくて良いわ」
快晴の夜。視界を阻む物が何もない満天の星空に、誰も目を向けず。
彼らは走り出した。
オルヴァリオの話を受けて、サーガが作戦を考える。だが、必要が無ければ作戦は要らない。そもそも、力押しで成功が難しいから作戦を考える必要があるのだ。
「つまり?」
「ゴリ押し速攻。敵は全て切り伏せて『昇降機』を確保。そのまま上へ登り、古代都市へ侵入。『グレイシア』及びサスリカさんを救出。『グレイシア』を解かし、全員で離脱。後はなんとでも」
「ははっ!」
冷静で聡明なサーガから、力押しのような作戦が出てきた。だがそれは、冷静に考えて最も有効的な手段であるのだ。忍び込むには人数が多く武器も大きい。さらにクリューチームは潜入のスキルも無い。騒ぎを起こせば退路の確保も困難だ。ならば正面から『戦争』を仕掛け、ゴリ押しでまかり通る。
エフィリスが声を出して笑った。
「良いな! サーガお前分かってるじゃねえか! 阻む全てをねじ伏せて前へ! はっはっは! 良いぜ!」
「ちょっと危険過ぎない? 相手は未知の特級トレジャーの武器をいくつも持ってるのよ」
リディが至極真当な意見を述べる。
「いや、俺もそれが良いと思う」
「オルヴァリオ?」
「奴らの武器は強力だけど、初見殺しなのは『雷の檻』くらいだ。あとはエフィリスの剣みたいな、『分かりやすい武器』しか無い」
「そうなの?」
「奴らは軍事力の強化より、とにかく『古代遺物』の蒐集を優先していたからな。そもそも居場所を突き止められないから、『直接戦闘』を想定していない」
「なるほど。情報アドバンテージのみで戦いに勝てると傲っているようですね」
情報は重要だ。天地がひっくり返るほど大事である。それはこれまでの戦いで皆が充分に分かっている。だが。
「この前のドラゴン討伐とここまでの旅で、クリューさん達の実力は分かりましたので。充分行ける作戦です。もう、『慎重』は必要ありません。攻める時は、烈火の如く」
「そ、そうなの……? でも相手は大勢なんじゃ……」
「①昇降機。②『断崖線』着地点。③古代都市内部。④『グレイシア』。……何も大勢と、正面から全員相手にする状況にはなりません。『各所撃破』していけば、戦力の差は覆し得ます。敵の配置と全容が分かったのも、オルヴァリオさんのお陰ですね」
状況は、刻一刻と変わっていく。それに対応できなくなった者から、脱落していく。
「おう。じゃ見せてやろうぜ。俺達の怒りをよ」
「……!」
ここまで、最速で来た。オルヴァリオがネヴァン側のままだとして、交渉が成功しようが失敗しようが、そのままであるならもう少し時間が掛かるだろう。つまり、『グレイシア』を解かす為にクリューを連れてくるという任務の成否が報告される前に、ここまでやって来た。報告する役目の者も全て、マルが撃ち殺している。報告が遅いと気付くのは後日だ。今は完全に、油断している筈である。
町では腹拵えや弾の補給など、諸々の最終調整を行い、その日の夜。町外れにある、商会の建物がある。崖に張った天幕で隠されている場所に、昇降機がある。表向きは普通の商会だ。ネヴァンの文字も無い。怪しまれないように定期的に人の出入りと、カモフラージュの取引が行われている。
「無関係な奴を巻き込む心配もねえって訳だ。さあ行くぜ。派手になァ!」
エフィリスを先頭に。今回もマルは1キロ離れた狙撃地点から。彼女は今回は、建物から出てきた敵を逃がさず撃ち殺す役割だ。
「オルヴァ。大丈夫か」
「……ああ。しっかりやるさ。見ててくれ、クリュー。俺は挽回する」
「肩肘張っちゃって、全然大丈夫じゃないっつーのよ。あんたやっぱり人殺せないでしょ。無理しなくて良いわ」
快晴の夜。視界を阻む物が何もない満天の星空に、誰も目を向けず。
彼らは走り出した。
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