18 / 120
第2章:旅の始まり
第18話 最悪の想定
しおりを挟む
キリスト教圏からすれば、魔女は悪である。悪魔と身を交わらせ、不吉な力を以て社会に悪影響を与えるとされた。その考えは今日まで至り、魔術とは暗に黒魔術のことを指している。
地球をひとつの世界とするならば、『魔女を正義とした創作』を除けばこの世界ではこの考えが一般的である。
悪。罪。これらは人間社会の規則法律のことだけではなく、『精神のありよう』と密接である。神が定めたルールがある。
「やあ、こんにちは」
「先生! お久しぶりです。どうしたんですか?」
「いやまあ、近くまで来てね。そう言えばあの双子ちゃんとの暮らしは順調かなと思って」
だが、キリスト教の全能の神など興味も無く、悪魔と呼ばれる者に対して偏見すら持たなかった『人間』がいる。色んな考えの人がいると巷では言うが、それは『本当の意味で色んな人間が居る』のだ。人間という枠組みの中では、あらゆる全ての可能性が存在する。
魔女と呼ばれる者は。自らの行いを悪と言われ。
悪魔と交わっていると罵られ。避けられてきた。
「そうそう。時間があったらウチに来なよ。普通の病院じゃ、身分の無いその子達は健康診断も受けられないだろう」
「確かに。でも俺が居るし大丈夫ですよ」
「君の力では、事が起こってからしか対応できないだろう?」
「あー……。そうですね」
知ったことか。
それはお前達の評価基準に過ぎないではないか。
大抵の魔女はそう考えている。
黒ミサ? サバト? ワルプルギス?
それはお前達の想像、偏見でしか無いだろう。と。
「おーい。アルテ。セレネー」
「はーい」
「なあにー?」
よく知らないものを『悪』と。
『敵』と決め付けるのは。
お前達の最も得意とすることだ。
——
——
「…………遅いわね」
「ああ。……確かに」
あの雪合戦から数日後のことであった。文月と美裟は、双子を連れて病院へやって来ていた。
健康診断である。身分を伏せなければならない彼らにとって、文月が協力していた病院でのそれはとてもありがたい申し入れだった。
「俺は医者じゃない。もし、俺の手に余る病気があれば。そう考えたことはあるよ」
「まあそうね。まだまだ未解明なんだから。最悪の想定は当然すべきね」
「…………」
「何よ」
当たり前のように付いてきた美裟を、文月は不思議そうに見る。
「……気を悪くしないで欲しいんだけどさ」
「何よ。はっきり言いなさい」
他意も悪意も無い。
「美裟は、『どこまで』付いてくるつもりなんだ?」
他人である。恋人ですらない。関わりが深いとはいえ。
文月は彼女を疎ましく思っている訳ではない。寧ろ嬉しく感じている。だが。だから。
彼女に気を遣っているのだ。
「迷惑なら言って」
「迷惑なんかじゃないさ」
「なら良いじゃない」
「そう、なんだけど。……えっと」
どうすれば、うまく伝わるか。高校生である文月にはまだ見付からない言葉がある。
「…………文月」
「うん?」
だが。
美裟も美裟で。
悩んでは居るのだ。考えてはいるのだ。迷っては居るのだ。
「あたしも付いていきたい……のは、流石に迷惑かしら」
「!」
少しトーンを落として。恐る恐る訊ねた。
卒業後、『組織』へと向かう彼に。
「……どうして?」
いつものように。『あたしが決めたから』『あんたには関係ない』とは、言えない。
日本に居る間は協力する。その後はお互いの人生がある。それが普通である。
そして。
『あんたが好きだから』とは。
まかり間違ってもそれだけは言えない。
「…………」
会話が、途切れる。
どうして、そこまでしてくれるのか。自分の人生を削ってまで。
文月は分からない。良い悪いの話ではない。協力は素直に嬉しい。
だが、その出所が不明なら、不安な気持ちは少なくない。
『組織』は。危険である可能性が高い。
「…………」
恩返し。そんな押し付けは文月は好まない。重く捉えられてしまう。負担には感じさせたくない。
美裟も言葉に困っていた。
出来ることは、殆ど無い。彼は賢く、優しく、怪我も病気もせず、心の不安は双子の妹が癒してくれる。
力になれる要素が見付からない。
『あんたが心配だから』は、詭弁になる。
力や、父親について。
それも、彼が彼の力で解決してからできることだ。美裟が付いて行くべき理由にはならない。
「…………違うな」
「?」
文月は、考えた。
そしてそれは、『間違っている』。
だが彼は気付かず、言葉を続ける。
「俺の方なんだよ。美裟さえ良ければ、一緒に来て欲しいと思ってる」
「……っ!」
「ふたりも美裟に懐いているし。喜ぶと思う」
「……文月」
妹をダシにするのは、間違っている。そして。明確な理由を付けずに了承することも、危険である。
この先、土壇場で。美裟の『気持ちが変われば』。
取り返しの付かないことになってしまうからだ。
秘密組織に、部外者を連れて行ける筈がない。
いくら、主の息子と仲の良い『友人』であろうと。
——
「……すみません」
「はい?」
午後6時になり。
流石に遅すぎだと感じた文月は、受け付けで質問する。
「俺の妹——川上アルティミシアとセレスティーネが健康診断してると思うんですけど」
「……健康診断、ですか?」
「はい。赤橋先生が担当してくださってて」
「……確認しますね」
健康診断など。
長くても1時間あれば終わるだろう。
既に3時間近く経っている。これはおかしい。
「赤橋先生は本日、もう帰りましたよ」
「は?」
おかしい。
——
「赤橋先生の自宅はっ!?」
「知らねーよ! どうする!?」
病院を飛び出した、ふたり。
「いや、訊いてきなさいよ! あんたこの病院の元アルバイトでしょ!?」
「よしきた!」
そしてダッシュで戻る、文月。
美裟は携帯電話を取り出す。
「…………!!」
だが踏み留まる。これは。
この事態は『組織』に関係している可能性が高い。
警察を頼ると、目立ってしまう。
それは何か、よくないのではないか。
そんな考えが過り、美裟の手を止める。
「訊いてきたっ! 速攻で家に戻るぞ! 車で行く!」
「分かったわ!」
——
「もう辞めてたらしい。やばい」
「は?」
「赤橋先生。俺が辞めたのとほぼ同時期にだ」
「なにそれ!」
「隣街の診療所とか言ってたけど、多分嘘だろ」
車内にて。軽自動車を飛ばす文月が病院で得た情報を話す。
「もうほぼ確定だろ。赤橋先生は『組織』の敵だ。俺をずっと監視してて、あいつら(アルテとセレネ)を狙ってた。ずっと、機会を伺ってたんだ」
「……! ムカつく!」
「ああ。許さない」
ふたりの目に怒りの炎が灯る。それは自らへの怒りも含まれていた。
「もっと早く気付けた! 俺達の失態だ」
「その通りよ! 殺してやりたいわ」
「警察には?」
「……言って良いの?」
「…………俺は今のところ、『組織』よりあいつらの方が大事だ」
「分かったわ」
誰にバレようと。『今』双子が無事であれば良い。
命に代わる物など無い。
美裟は即座に警察へ連絡した。
「わざわざ連れ去ったんだ。殺されはしないと思う。最悪の考え方だけど、死んでないなら俺の力でどうとでもなる」
「そうね。あたしが赤橋へやりすぎても心配無いわね」
「……そうだな」
——
途中、警察への説明の為に美裟が車を降りる。その際に文月にも止まるよう指示がされたが。
彼はそれだけはあり得ないと言い、また発車させた。
地球をひとつの世界とするならば、『魔女を正義とした創作』を除けばこの世界ではこの考えが一般的である。
悪。罪。これらは人間社会の規則法律のことだけではなく、『精神のありよう』と密接である。神が定めたルールがある。
「やあ、こんにちは」
「先生! お久しぶりです。どうしたんですか?」
「いやまあ、近くまで来てね。そう言えばあの双子ちゃんとの暮らしは順調かなと思って」
だが、キリスト教の全能の神など興味も無く、悪魔と呼ばれる者に対して偏見すら持たなかった『人間』がいる。色んな考えの人がいると巷では言うが、それは『本当の意味で色んな人間が居る』のだ。人間という枠組みの中では、あらゆる全ての可能性が存在する。
魔女と呼ばれる者は。自らの行いを悪と言われ。
悪魔と交わっていると罵られ。避けられてきた。
「そうそう。時間があったらウチに来なよ。普通の病院じゃ、身分の無いその子達は健康診断も受けられないだろう」
「確かに。でも俺が居るし大丈夫ですよ」
「君の力では、事が起こってからしか対応できないだろう?」
「あー……。そうですね」
知ったことか。
それはお前達の評価基準に過ぎないではないか。
大抵の魔女はそう考えている。
黒ミサ? サバト? ワルプルギス?
それはお前達の想像、偏見でしか無いだろう。と。
「おーい。アルテ。セレネー」
「はーい」
「なあにー?」
よく知らないものを『悪』と。
『敵』と決め付けるのは。
お前達の最も得意とすることだ。
——
——
「…………遅いわね」
「ああ。……確かに」
あの雪合戦から数日後のことであった。文月と美裟は、双子を連れて病院へやって来ていた。
健康診断である。身分を伏せなければならない彼らにとって、文月が協力していた病院でのそれはとてもありがたい申し入れだった。
「俺は医者じゃない。もし、俺の手に余る病気があれば。そう考えたことはあるよ」
「まあそうね。まだまだ未解明なんだから。最悪の想定は当然すべきね」
「…………」
「何よ」
当たり前のように付いてきた美裟を、文月は不思議そうに見る。
「……気を悪くしないで欲しいんだけどさ」
「何よ。はっきり言いなさい」
他意も悪意も無い。
「美裟は、『どこまで』付いてくるつもりなんだ?」
他人である。恋人ですらない。関わりが深いとはいえ。
文月は彼女を疎ましく思っている訳ではない。寧ろ嬉しく感じている。だが。だから。
彼女に気を遣っているのだ。
「迷惑なら言って」
「迷惑なんかじゃないさ」
「なら良いじゃない」
「そう、なんだけど。……えっと」
どうすれば、うまく伝わるか。高校生である文月にはまだ見付からない言葉がある。
「…………文月」
「うん?」
だが。
美裟も美裟で。
悩んでは居るのだ。考えてはいるのだ。迷っては居るのだ。
「あたしも付いていきたい……のは、流石に迷惑かしら」
「!」
少しトーンを落として。恐る恐る訊ねた。
卒業後、『組織』へと向かう彼に。
「……どうして?」
いつものように。『あたしが決めたから』『あんたには関係ない』とは、言えない。
日本に居る間は協力する。その後はお互いの人生がある。それが普通である。
そして。
『あんたが好きだから』とは。
まかり間違ってもそれだけは言えない。
「…………」
会話が、途切れる。
どうして、そこまでしてくれるのか。自分の人生を削ってまで。
文月は分からない。良い悪いの話ではない。協力は素直に嬉しい。
だが、その出所が不明なら、不安な気持ちは少なくない。
『組織』は。危険である可能性が高い。
「…………」
恩返し。そんな押し付けは文月は好まない。重く捉えられてしまう。負担には感じさせたくない。
美裟も言葉に困っていた。
出来ることは、殆ど無い。彼は賢く、優しく、怪我も病気もせず、心の不安は双子の妹が癒してくれる。
力になれる要素が見付からない。
『あんたが心配だから』は、詭弁になる。
力や、父親について。
それも、彼が彼の力で解決してからできることだ。美裟が付いて行くべき理由にはならない。
「…………違うな」
「?」
文月は、考えた。
そしてそれは、『間違っている』。
だが彼は気付かず、言葉を続ける。
「俺の方なんだよ。美裟さえ良ければ、一緒に来て欲しいと思ってる」
「……っ!」
「ふたりも美裟に懐いているし。喜ぶと思う」
「……文月」
妹をダシにするのは、間違っている。そして。明確な理由を付けずに了承することも、危険である。
この先、土壇場で。美裟の『気持ちが変われば』。
取り返しの付かないことになってしまうからだ。
秘密組織に、部外者を連れて行ける筈がない。
いくら、主の息子と仲の良い『友人』であろうと。
——
「……すみません」
「はい?」
午後6時になり。
流石に遅すぎだと感じた文月は、受け付けで質問する。
「俺の妹——川上アルティミシアとセレスティーネが健康診断してると思うんですけど」
「……健康診断、ですか?」
「はい。赤橋先生が担当してくださってて」
「……確認しますね」
健康診断など。
長くても1時間あれば終わるだろう。
既に3時間近く経っている。これはおかしい。
「赤橋先生は本日、もう帰りましたよ」
「は?」
おかしい。
——
「赤橋先生の自宅はっ!?」
「知らねーよ! どうする!?」
病院を飛び出した、ふたり。
「いや、訊いてきなさいよ! あんたこの病院の元アルバイトでしょ!?」
「よしきた!」
そしてダッシュで戻る、文月。
美裟は携帯電話を取り出す。
「…………!!」
だが踏み留まる。これは。
この事態は『組織』に関係している可能性が高い。
警察を頼ると、目立ってしまう。
それは何か、よくないのではないか。
そんな考えが過り、美裟の手を止める。
「訊いてきたっ! 速攻で家に戻るぞ! 車で行く!」
「分かったわ!」
——
「もう辞めてたらしい。やばい」
「は?」
「赤橋先生。俺が辞めたのとほぼ同時期にだ」
「なにそれ!」
「隣街の診療所とか言ってたけど、多分嘘だろ」
車内にて。軽自動車を飛ばす文月が病院で得た情報を話す。
「もうほぼ確定だろ。赤橋先生は『組織』の敵だ。俺をずっと監視してて、あいつら(アルテとセレネ)を狙ってた。ずっと、機会を伺ってたんだ」
「……! ムカつく!」
「ああ。許さない」
ふたりの目に怒りの炎が灯る。それは自らへの怒りも含まれていた。
「もっと早く気付けた! 俺達の失態だ」
「その通りよ! 殺してやりたいわ」
「警察には?」
「……言って良いの?」
「…………俺は今のところ、『組織』よりあいつらの方が大事だ」
「分かったわ」
誰にバレようと。『今』双子が無事であれば良い。
命に代わる物など無い。
美裟は即座に警察へ連絡した。
「わざわざ連れ去ったんだ。殺されはしないと思う。最悪の考え方だけど、死んでないなら俺の力でどうとでもなる」
「そうね。あたしが赤橋へやりすぎても心配無いわね」
「……そうだな」
——
途中、警察への説明の為に美裟が車を降りる。その際に文月にも止まるよう指示がされたが。
彼はそれだけはあり得ないと言い、また発車させた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
滝川家の人びと
卯花月影
歴史・時代
勝利のために走るのではない。
生きるために走る者は、
傷を負いながらも、歩みを止めない。
戦国という時代の只中で、
彼らは何を失い、
走り続けたのか。
滝川一益と、その郎党。
これは、勝者の物語ではない。
生き延びた者たちの記録である。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
ハズレ職業の料理人で始まった俺のVR冒険記、気づけば最強アタッカーに!ついでに、女の子とVチューバー始めました
グミ食べたい
ファンタジー
現実に疲れた俺が辿り着いたのは、自由度抜群のVRMMORPG『アナザーワールド・オンライン』。
選んだ職業は“料理人”。
だがそれは、戦闘とは無縁の完全な負け組職業だった。
地味な日々の中、レベル上げ中にネームドモンスター「猛き猪」が出現。
勝てないと判断したアタッカーはログアウトし、残されたのは三人だけ。
熊型獣人のタンク、ヒーラー、そして非戦闘職の俺。
絶体絶命の状況で包丁を構えた瞬間――料理スキルが覚醒し、常識外のダメージを叩き出す!
そこから始まる、料理人の大逆転。
ギルド設立、仲間との出会い、意外な秘密、そしてVチューバーとしての活動。
リアルでは無職、ゲームでは負け組。
そんな男が奇跡を起こしていくVRMMO物語。
ドマゾネスの掟 ~ドMな褐色少女は僕に責められたがっている~
桂
ファンタジー
探検家の主人公は伝説の部族ドマゾネスを探すために密林の奥へ進むが道に迷ってしまう。
そんな彼をドマゾネスの少女カリナが発見してドマゾネスの村に連れていく。
そして、目覚めた彼はドマゾネスたちから歓迎され、子種を求められるのだった。
織田信長 -尾州払暁-
藪から犬
歴史・時代
織田信長は、戦国の世における天下統一の先駆者として一般に強くイメージされますが、当然ながら、生まれついてそうであるわけはありません。
守護代・織田大和守家の家来(傍流)である弾正忠家の家督を継承してから、およそ14年間を尾張(現・愛知県西部)の平定に費やしています。そして、そのほとんどが一族間での骨肉の争いであり、一歩踏み外せば死に直結するような、四面楚歌の道のりでした。
織田信長という人間を考えるとき、この彼の青春時代というのは非常に色濃く映ります。
そこで、本作では、天文16年(1547年)~永禄3年(1560年)までの13年間の織田信長の足跡を小説としてじっくりとなぞってみようと思いたった次第です。
毎週の月曜日00:00に次話公開を目指しています。
スローペースの拙稿ではありますが、お付き合いいただければ嬉しいです。
(2022.04.04)
※信長公記を下地としていますが諸出来事の年次比定を含め随所に著者の創作および定説ではない解釈等がありますのでご承知置きください。
※アルファポリスの仕様上、「HOTランキング用ジャンル選択」欄を「男性向け」に設定していますが、区別する意図はとくにありません。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる