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準一と姫の会話が続いてます。準一の質問。
「そのおばあさん、何か特徴があったの? 能力とか?」
姫が応えます。
「誰が誰に輪廻転生したのか、見えたそうよ」
「輪廻転生?」
「祖父は自分の母親が誰に輪廻転生したのか、訊いたそうよ」
「先代の王の母親てことは、2代前の王・・・ 女王?・・・」
「ふふ、そうね。私の曽祖母。曽祖母はすでに輪廻転生してたそうよ。
あ、そうだ。今からその人に会いに行かない?」
それを聞いて準一は焦ります。
「ええ~ DVDは?」
「あは、そっか。今日はDVDを見る日だったっけ。じゃ、DVDを見たら会いに行きましょ」
「うん!」
準一は一安心。なんとしても姫にパトロール魔女ジェニーを見て欲しかったのです。ここは姫が気を使ったようです。こうして2人はパトロール魔女ジェニー第2話を視聴しました。
けど、準一も姫に気を使わせちゃったかなあと、なんとなく気になってきました。そのせいか第2話を見終えると、
「今日はここまでにしようか?」
と笑顔で発言。姫はそれを聞いてびっくり。
「ええ、いいの?」
「うん。オレもその人に会いたくなったみたい」
姫ははにかみ、
「あは、ありがと」
2人はタンデムで箒に乗って舞い上がりました。
ソーラーパネルは宮殿がぎりぎり見える丘にありますが、箒は宮殿とは別の方向へ飛び始めました。下はノルン王国の首都、イザヴェルの郊外。畑と農家住宅が点在してます。
そのうち何か不思議な建物が見えてきました。積み木を組み立てたような形状&カラーリングの建物です。
姫はその建物を見て、
「あの建物よ」
準一はちょっとびっくりしてます。
「なんだよ、このふざけたデザインは?」
箒は高度を下げ、門の前で停止。2人がほいっと着地。準一は門の表札を読みました。
「王立児童養護施設?」
「平たく言えば孤児院よ」
「王立てことは、王が運営してるってこと?」
「そうよ」
「王て君じゃん」
姫は今度は応えません。
姫は門を開けました。それを見て準一はびっくり。
「ええ、勝手に開けちゃマズイんじゃ・・・」
姫は振り返り、
「私が経営してるんだから、な~んの問題もないでしょ」
姫は施設の中に入っていきます。
「ちょ、ちょっと~・・・」
準一も慌てて施設の中に入っていきました。
ちなみに、この児童養護施設、名前に王立が付きますが、この時点では国立になってました。姫は経営にまったくタッチしてません。
並んで歩く姫と準一。準一は姫に話しかけました。
「この中に姫の曽祖母の生まれ変わりがいるの?」
「ふふ、今にわかるから」
敷地の中ではたくさんの子どもたちが遊んでましたが、姫の姿を見ると、
「あ、お姉ちゃんだ!」
幼い子どもたちが姫へたかるように寄ってきました。どうやら姫はここの子どもたちに自分をお姉ちゃんと呼ばせてるようです。
姫は長髪をかなり短くしましたが、子どもたちはその特徴的な衣服で一瞬で姫とわかったようです。
「お姉ちゃーん!」
「わーい!」
1人の男児が、
「ねぇ、今日は何を持ってきてくれたの?」
別の女児。
「チョコレート? ビスケット?」
姫は応えます。
「あは、ごめん、今日は何も持って来てないんだ」
子どもたちは残念そう。
「ええ~!?・・・」
「あなたたち、そんなに女王様に望んじゃダメでしょ!」
準一がはっとしてその声の方向を見ると、20代中盤て感じの女性が歩いて来るところでした。準一は思いました。
「うわ、ものすごい美人。この人は保母さん?」
姫はその女性を見て、
「お邪魔してます」
「すみません、みんなやんちゃで・・・」
と、ここで女性があることに気づきました。
「あれ、髪の毛が?」
姫は右手で自分の髪の毛に触れ、
「あ、これですか? 切ったんです。心境の変化ですよ」
女性は不思議に思いました。王家の女性は生きてる限り髪を伸ばさないといけないというルールを知ってたからです。
女性は再び姫に質問。
「ところで、今日はなんのご用ですか?」
「結婚の報告です」
女性はびっくり。
「ええ~?・・・」
姫は準一を横目で見て、
「私のフィアンセです」
準一は顔を赤らめ、
「あは、どうも。準一といいます」
「そのおばあさん、何か特徴があったの? 能力とか?」
姫が応えます。
「誰が誰に輪廻転生したのか、見えたそうよ」
「輪廻転生?」
「祖父は自分の母親が誰に輪廻転生したのか、訊いたそうよ」
「先代の王の母親てことは、2代前の王・・・ 女王?・・・」
「ふふ、そうね。私の曽祖母。曽祖母はすでに輪廻転生してたそうよ。
あ、そうだ。今からその人に会いに行かない?」
それを聞いて準一は焦ります。
「ええ~ DVDは?」
「あは、そっか。今日はDVDを見る日だったっけ。じゃ、DVDを見たら会いに行きましょ」
「うん!」
準一は一安心。なんとしても姫にパトロール魔女ジェニーを見て欲しかったのです。ここは姫が気を使ったようです。こうして2人はパトロール魔女ジェニー第2話を視聴しました。
けど、準一も姫に気を使わせちゃったかなあと、なんとなく気になってきました。そのせいか第2話を見終えると、
「今日はここまでにしようか?」
と笑顔で発言。姫はそれを聞いてびっくり。
「ええ、いいの?」
「うん。オレもその人に会いたくなったみたい」
姫ははにかみ、
「あは、ありがと」
2人はタンデムで箒に乗って舞い上がりました。
ソーラーパネルは宮殿がぎりぎり見える丘にありますが、箒は宮殿とは別の方向へ飛び始めました。下はノルン王国の首都、イザヴェルの郊外。畑と農家住宅が点在してます。
そのうち何か不思議な建物が見えてきました。積み木を組み立てたような形状&カラーリングの建物です。
姫はその建物を見て、
「あの建物よ」
準一はちょっとびっくりしてます。
「なんだよ、このふざけたデザインは?」
箒は高度を下げ、門の前で停止。2人がほいっと着地。準一は門の表札を読みました。
「王立児童養護施設?」
「平たく言えば孤児院よ」
「王立てことは、王が運営してるってこと?」
「そうよ」
「王て君じゃん」
姫は今度は応えません。
姫は門を開けました。それを見て準一はびっくり。
「ええ、勝手に開けちゃマズイんじゃ・・・」
姫は振り返り、
「私が経営してるんだから、な~んの問題もないでしょ」
姫は施設の中に入っていきます。
「ちょ、ちょっと~・・・」
準一も慌てて施設の中に入っていきました。
ちなみに、この児童養護施設、名前に王立が付きますが、この時点では国立になってました。姫は経営にまったくタッチしてません。
並んで歩く姫と準一。準一は姫に話しかけました。
「この中に姫の曽祖母の生まれ変わりがいるの?」
「ふふ、今にわかるから」
敷地の中ではたくさんの子どもたちが遊んでましたが、姫の姿を見ると、
「あ、お姉ちゃんだ!」
幼い子どもたちが姫へたかるように寄ってきました。どうやら姫はここの子どもたちに自分をお姉ちゃんと呼ばせてるようです。
姫は長髪をかなり短くしましたが、子どもたちはその特徴的な衣服で一瞬で姫とわかったようです。
「お姉ちゃーん!」
「わーい!」
1人の男児が、
「ねぇ、今日は何を持ってきてくれたの?」
別の女児。
「チョコレート? ビスケット?」
姫は応えます。
「あは、ごめん、今日は何も持って来てないんだ」
子どもたちは残念そう。
「ええ~!?・・・」
「あなたたち、そんなに女王様に望んじゃダメでしょ!」
準一がはっとしてその声の方向を見ると、20代中盤て感じの女性が歩いて来るところでした。準一は思いました。
「うわ、ものすごい美人。この人は保母さん?」
姫はその女性を見て、
「お邪魔してます」
「すみません、みんなやんちゃで・・・」
と、ここで女性があることに気づきました。
「あれ、髪の毛が?」
姫は右手で自分の髪の毛に触れ、
「あ、これですか? 切ったんです。心境の変化ですよ」
女性は不思議に思いました。王家の女性は生きてる限り髪を伸ばさないといけないというルールを知ってたからです。
女性は再び姫に質問。
「ところで、今日はなんのご用ですか?」
「結婚の報告です」
女性はびっくり。
「ええ~?・・・」
姫は準一を横目で見て、
「私のフィアンセです」
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