108 / 144
107.1
しおりを挟む
さらにあたりは暗くなってきました。もう夜と言った方がいい時間です。ノルン王国の片田舎にある街道では、1台の馬車がとぼとぼと進んでます。首都イザベルから逃げてきた馬車です。
その馬車の馬をコントロールする席に2人の男性が並んで座ってます。2人はつぶやくように会話してます。
「グラニ帝国が上陸してきたら、ここいらも占領されちまうんだろうな?」
「ノルン王国の国土すべてがグラニ帝国のものになっちまうのかなあ?・・・」
「オレたち、いったいどこに逃げればいいんだ?・・・」
と、2人の前方に灯が見えてきました。
「ん、なんだ、あの光は?」
「たいまつか?」
灯が近づいてきました。その正体に気づいて2人はびっくり、そして唖然。
「な、なんだ、あいつら?」
それは国境警備隊を務めてるヒャッハーな連中でした。1人1人が馬に乗ってこちらに駆けてきます。約30人くらいか? 何人かはたいまつを持ってます。
「うわーっ!」
2人はこの連中に襲われると思い、思わず悲鳴をあげました。が、ヒャッハーな連中が乗った馬は一列になり、馬車とすれ違っていきました。2人は後ろを見て、
「なんなんだ、あついら?・・・」
先頭の馬に乗ってるヒャッハーな男。
「やっとオレたちにも出番が来たぞ! オレたちゃ先代の王様に生かしてもらったんだ。命を賭けても女王様を守り抜くぞ!」
後ろのヒャッハーな連中が呼応します。
「おーっ!」
さらに夜は更けてきました。王宮の上には月が出ています。いびつな形の月です。
王宮内の一室。侍従長と将軍が説明してます。ブリーフィングです。この2人から少し離れた位置に姫が立ってます。その両側にはお側ご用人の2人が小銃を持って立ってます。
侍従長と将軍の前には10人弱の男が立っていて、このブリーフィングを聞いてます。中にはヒャッハーなコマンダーがいます。それ以外は黒ずくめのユニホーム。まるで忍者。
実は彼らは近衛兵。いつもの煌びやかな甲冑とは真逆な戦闘服をまとってました。
将軍が発言してます。
「決行は午前0時、皆の者、よろしく頼む!」
全員一斉に応答します。
「御意!」
コマンダーはニヤッとしてぽつり。
「ふふ、0時なら国境警備隊の連中も駆け付けてるはず!」
それを聞いて将軍は渋い顔をしました。あんな連中がいたら返って目立ってしまうからです。
今回の作戦は密やかに行わなければいけないので将軍は彼らの行動を止めたいところなのですが、何分彼らは愚連隊。ヘタに止めたら何をされるのかわかりません。ここは運を天に任せるしかないのです。
姫が深々と頭を下げました。
「みなさん、よろしくお願いします」
姫は女王。女王はこんなに頭が低いはずがないのですが、先代の王だった祖父と侍従長の教育が行き届いてるようで、謙虚になってます。
近衛兵全員が厳しい顔で返答。
「御意!」
ここで遠くから異音が。銃声です。かなりの数の銃声です。びっくりする侍従長。
「じゅ、銃声? なんじゃ、これは?・・・」
姫もはっとしてます。
「この音は?・・・」
姫はドアを開け、部屋を飛び出していきました。侍従長はびっくり。
「ど、どこに行くんですか、姫!?」
この宮殿はぐるーっと堀に囲まれていて、そのすぐ内側は城壁。いつもは堀に架けられてる跳ね橋は城壁に収納されてました。
跳ね橋の両側には、城壁に付随するように物見やぐらが2塔あり、その頂上では複数の近衛兵が自衛隊の小銃を連射してます。
堀の向こうは広場兼庭園。さきほどブリュンに導かれていたデモ隊がいます。そのデモ隊が次々と小銃の弾丸に倒されてます。阿鼻叫喚状態。
デモ隊の中には、数時間前水路に荷車を落とされた夫婦とその子どもたちもいます。この一家は庭園の灌木の向こうで小さくなってました。苦し紛れに夫が叫びます。
「くそーっ、なんなんだよ、これーっ!」
子どもたちは泣き叫んでます。しかし・・・ この子たち、なんかいつも泣き叫んでるような?
その馬車の馬をコントロールする席に2人の男性が並んで座ってます。2人はつぶやくように会話してます。
「グラニ帝国が上陸してきたら、ここいらも占領されちまうんだろうな?」
「ノルン王国の国土すべてがグラニ帝国のものになっちまうのかなあ?・・・」
「オレたち、いったいどこに逃げればいいんだ?・・・」
と、2人の前方に灯が見えてきました。
「ん、なんだ、あの光は?」
「たいまつか?」
灯が近づいてきました。その正体に気づいて2人はびっくり、そして唖然。
「な、なんだ、あいつら?」
それは国境警備隊を務めてるヒャッハーな連中でした。1人1人が馬に乗ってこちらに駆けてきます。約30人くらいか? 何人かはたいまつを持ってます。
「うわーっ!」
2人はこの連中に襲われると思い、思わず悲鳴をあげました。が、ヒャッハーな連中が乗った馬は一列になり、馬車とすれ違っていきました。2人は後ろを見て、
「なんなんだ、あついら?・・・」
先頭の馬に乗ってるヒャッハーな男。
「やっとオレたちにも出番が来たぞ! オレたちゃ先代の王様に生かしてもらったんだ。命を賭けても女王様を守り抜くぞ!」
後ろのヒャッハーな連中が呼応します。
「おーっ!」
さらに夜は更けてきました。王宮の上には月が出ています。いびつな形の月です。
王宮内の一室。侍従長と将軍が説明してます。ブリーフィングです。この2人から少し離れた位置に姫が立ってます。その両側にはお側ご用人の2人が小銃を持って立ってます。
侍従長と将軍の前には10人弱の男が立っていて、このブリーフィングを聞いてます。中にはヒャッハーなコマンダーがいます。それ以外は黒ずくめのユニホーム。まるで忍者。
実は彼らは近衛兵。いつもの煌びやかな甲冑とは真逆な戦闘服をまとってました。
将軍が発言してます。
「決行は午前0時、皆の者、よろしく頼む!」
全員一斉に応答します。
「御意!」
コマンダーはニヤッとしてぽつり。
「ふふ、0時なら国境警備隊の連中も駆け付けてるはず!」
それを聞いて将軍は渋い顔をしました。あんな連中がいたら返って目立ってしまうからです。
今回の作戦は密やかに行わなければいけないので将軍は彼らの行動を止めたいところなのですが、何分彼らは愚連隊。ヘタに止めたら何をされるのかわかりません。ここは運を天に任せるしかないのです。
姫が深々と頭を下げました。
「みなさん、よろしくお願いします」
姫は女王。女王はこんなに頭が低いはずがないのですが、先代の王だった祖父と侍従長の教育が行き届いてるようで、謙虚になってます。
近衛兵全員が厳しい顔で返答。
「御意!」
ここで遠くから異音が。銃声です。かなりの数の銃声です。びっくりする侍従長。
「じゅ、銃声? なんじゃ、これは?・・・」
姫もはっとしてます。
「この音は?・・・」
姫はドアを開け、部屋を飛び出していきました。侍従長はびっくり。
「ど、どこに行くんですか、姫!?」
この宮殿はぐるーっと堀に囲まれていて、そのすぐ内側は城壁。いつもは堀に架けられてる跳ね橋は城壁に収納されてました。
跳ね橋の両側には、城壁に付随するように物見やぐらが2塔あり、その頂上では複数の近衛兵が自衛隊の小銃を連射してます。
堀の向こうは広場兼庭園。さきほどブリュンに導かれていたデモ隊がいます。そのデモ隊が次々と小銃の弾丸に倒されてます。阿鼻叫喚状態。
デモ隊の中には、数時間前水路に荷車を落とされた夫婦とその子どもたちもいます。この一家は庭園の灌木の向こうで小さくなってました。苦し紛れに夫が叫びます。
「くそーっ、なんなんだよ、これーっ!」
子どもたちは泣き叫んでます。しかし・・・ この子たち、なんかいつも泣き叫んでるような?
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる