いつかまた僕の隣に……

チタン

文字の大きさ
1 / 1

いつかまた僕の隣に……

しおりを挟む
 分かってたんだ。君が僕に呆れているのは。
 僕は君と離れたくなかったけど、何かを変えようとするわけでもなくって、居心地の良いぬるま湯に肩まで浸かって。

 「夢のため」って就職もせずに、中途半端な日々。
 「夢」を言い訳に使うようになったのはいつからだったろう。

 だから君が離れていったのも当然なんだ。
 僕も予感はしていたけど、それでも君は一緒にいてくれるって高を括って。

 そうなってから初めて気づいたんだ。僕が君にどれだけ支えられていたのか、どれだけ君が大切なのかを。

 それ以来、君がどうすれば戻ってきてくれるかって、そればかり考えていた。
 そのために僕は変わろうとしてるんだ。君にもう呆れられないようにね。
 けど、それだけじゃ君は僕の隣に戻ってきてはくれないだろうな。

 だから夢を叶えたら、その時こそ君を迎えに行こう。
 きっと君は僕を待ってはいないけど、それでも。
 夢を叶えて、自分に胸を張れる僕になっていられれば。

 その時には君はもうこの街にはいないかもしれない。
 君が遠くに居たって気づいてくれるよう有名になるよ。なおさら頑張らなくっちゃね。

 今さら会いに行っても迷惑がられるかもしれない。
 だったら、それでもまた好きになってもらえる男にならないと。

 そんな風になれたら、君はまた僕の隣に戻ってきてくれるだろうか?

 ……いや、きっと無理だろうな。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

大丈夫のその先は…

水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。 新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。 バレないように、バレないように。 「大丈夫だよ」 すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m

妻の遺品を整理していたら

家紋武範
恋愛
妻の遺品整理。 片づけていくとそこには彼女の名前が記入済みの離婚届があった。

【完結】妻の日記を読んでしまった結果

たちばな立花
恋愛
政略結婚で美しい妻を貰って一年。二人の距離は縮まらない。 そんなとき、アレクトは妻の日記を読んでしまう。

離婚した妻の旅先

tartan321
恋愛
タイトル通りです。

不倫の味

麻実
恋愛
夫に裏切られた妻。彼女は家族を大事にしていて見失っていたものに気付く・・・。

いちばん好きな人…

麻実
恋愛
夫の裏切りを知った妻は 自分もまた・・・。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

秘事

詩織
恋愛
妻が何か隠し事をしている感じがし、調べるようになった。 そしてその結果は...

処理中です...