4 / 9
その4
しおりを挟む
「僕に文句を言ってきたの、君が初めてです」
「……っ、あ、」
なでなで、さらり。髪をすく指。
ふわり、微笑む王子様。
どきどき、どきどき。うるさい心臓。
さっきまであんなに腹が立っていたというのに、
「面白いね」
頭を撫でられただけでどきどきしてしまう私は、ゲンキンなのでしょうか。
恥ずかしくて、頭の中がふわふわして。
細められた瞳から、思わず目を逸らしてしまう。
「……場所、変えましょうか」
◇
所変わって、裏庭へ。
そこに着く頃には胸の鼓動もすっかりおさまっていました。
とことこと、再び王子様の後ろをついて行く私。
王子様は、特に何も喋りません。
……沈黙。少ししてから、
「それで?」
設置してあるベンチに本を置きながら、口を開いた王子様。
「……それで、とは?」
貧乳と言ったことについて、謝る気にでもなったのでしょうか?
ははん、粘ったもの勝ちですね! と、少しだけ胸を張る。
すると、王子様はふわふわと髪を揺らしながら、ゆっくりとこちらを向きました。
「さっきの告白、なに?」
「……えっ!?」
今さら掘り返されるとは思っていなくて、『貧乳』の漢字二文字に支配されていた脳みそが熱を上げる。
だって、「興味ない」と一蹴したじゃないですか。
何と説明しようか、どう言い訳しようか、それとも誤魔化そうか。
もじもじと手を動かし目線を泳がせる。
「……はぁ」
王子の口から吐き出された溜め息。
びくりと肩を跳ねさせると、彼の眉間にしわができる。
「……っ、あ、」
なでなで、さらり。髪をすく指。
ふわり、微笑む王子様。
どきどき、どきどき。うるさい心臓。
さっきまであんなに腹が立っていたというのに、
「面白いね」
頭を撫でられただけでどきどきしてしまう私は、ゲンキンなのでしょうか。
恥ずかしくて、頭の中がふわふわして。
細められた瞳から、思わず目を逸らしてしまう。
「……場所、変えましょうか」
◇
所変わって、裏庭へ。
そこに着く頃には胸の鼓動もすっかりおさまっていました。
とことこと、再び王子様の後ろをついて行く私。
王子様は、特に何も喋りません。
……沈黙。少ししてから、
「それで?」
設置してあるベンチに本を置きながら、口を開いた王子様。
「……それで、とは?」
貧乳と言ったことについて、謝る気にでもなったのでしょうか?
ははん、粘ったもの勝ちですね! と、少しだけ胸を張る。
すると、王子様はふわふわと髪を揺らしながら、ゆっくりとこちらを向きました。
「さっきの告白、なに?」
「……えっ!?」
今さら掘り返されるとは思っていなくて、『貧乳』の漢字二文字に支配されていた脳みそが熱を上げる。
だって、「興味ない」と一蹴したじゃないですか。
何と説明しようか、どう言い訳しようか、それとも誤魔化そうか。
もじもじと手を動かし目線を泳がせる。
「……はぁ」
王子の口から吐き出された溜め息。
びくりと肩を跳ねさせると、彼の眉間にしわができる。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
14
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる