【完結】村人Aですが、メンテが明けたら俺だけ【最強】でした。〜バグ修正が来ませんようにと願う日々〜

百崎千鶴

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詫び石7つ目【称号を受け取れない不具合のお詫び】

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 道中、突然の突風でルロちゃんの下着が見えそうになったりルロちゃんが小石につまづいたり「もう歩けません」と拗ねてその場に座り込むルロちゃんの頭を撫でたりしたが、何とか目的地へ辿り着いた。


「よし、着いた!」
「ご主人様、ここは……?」


 おんぶしていたルロちゃんを降ろすと、彼女は建物を見上げながら首を傾げる。
 可愛い。

 俺が最初に目指していたのは、この教会に似た木造建築の一軒屋。


「ここは『神託所』だよ」
「しんたくじょ……?」
「ルビ振りの手間を省いてくれてありがとう」
「えへへっ、ご主人様に褒められました!」


 説明の前に可愛いルロちゃんの頭をなでなで。


「そう、神託所。ここで称号を貰わないと、(バグで)どんなに力があっても正式な『勇者』として認められないからな……」
「しょうごう……?」
「中に入ればわかるよ。さあ、行こう」





「帰ってくれ」
「何だって……?」


 どうにもおかしい……村にいた時「まずは神託所で称号を貰いましょう!」というチュートリアルを見たのに……。

 受付に座る強面のおじさんは、眉間に深いシワを刻んだまま「しっしっ!」と片手を振ってくる。


「このやりとりはもう5回しただろうが! さっさと帰れ!」
「どうしてですか!? 称号をください!!」
「チッ!! わかったわかった、しつこいな……!! その隣のエルフの娘、そいつの称号は『可愛いエルフ』だ!!」


 上目遣いで俺を見上げてはにかむルロちゃんの頭を撫でながら「よかったね」「はいっ!」なんて会話をしていると、強面のおじさん略して強おじは立ち上がりこちらへ歩み寄って来た。

 称号をくれる気になったのかな? と思いきや、見た目通りの強い力で俺の背中を押す。


「あ、あの! 励ましは大丈夫です!」
「そういう意味で背中を押してるんじゃねぇ!! 上手いこと言いやがって……!! 気が済んだらさっさと帰れ!!」
「何で俺には称号をくれないんですか!?」
「どうしてご主人様に『勇者』の称号をくださらないんですか!?」
「2人してうるせぇな!! お前、このっ、びくともしねーじゃねぇか! めんどくせぇ!!」
「せめて理由を説明してくれるまで一歩も動きません!!」


 強い意志を込めてそう告げると、強おじは諦めたのか背中を押すのをやめて大きなため息を吐いた。

 そして俺を指さし言い放ったのは、


「神に託された称号をお前に与えると『魔王』になっちまうからだ!!」
「……えっ?」
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