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2 : 10年後
裏切りを知りました。4
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「もう、ミシェリーちゃん専属の冒険者パーティーもソロ冒険者もいる。
彼らにも、ミシェリーちゃんを手離さないように頼まれてる。
ここに必要な人材であるミシェリーちゃんのことはもう返せないから、さっさと帰って。
毎日来られても、迷惑、邪魔でしか無い。」
冷たい眼差しでチラッとエルドーを見てから、キャティアお姉様の頬擦りで少し乱れた私の髪を整えてくれているのは、私の教育係りになった同じ人族のリミューズお姉さま。
本当に、ここら辺ではリミューズって名前は多いらしい。
特に人族に多いらしくて、リミューズお姉さまの伯母さんもリミューズらしいよ。
一族で集まると面倒な時もあるって、遠い目をして言ってた。
「俺達が手離した訳じゃない。」
「あら、そうなの?
じゃあ、貴方達がミシェリーちゃんに見限られたのね。
ウフフ、それなら尚更返せないわね!」
「そろそろ混む時間だから、本当にさっさと帰って。」
拳を握って反論するエルドーを相手に、朗らかに笑いながらキャティアお姉さま込みで抱き締めてくるラベリアお姉さまと、扉の方を見ながら出ていけと手を振るリミューズお姉さま。
頼もしすぎる布陣。
「ミシェリーちゃん、良い匂いー。」
喋らなくなったキャティアお姉さまは、ただ私の髪の匂いを嗅いでたみたい。
臭くないのなら良いけど、皆さん本当に嗅ぐのが好きだよねぇー。
「.........また来ます。」
あ、意気消沈って感じでエルドーが帰っていくんだけど、もう来なくて良いよー。
どうせ、私は受け入れないんだからさ。
「もう来なくて良いからねぇー!
さよーならー。」
一応、手を振ってお見送りだけしとこ。
本当に、もう迷惑でしかないから、来なくて良いんだよ?
ただただ面倒なだけだし、保護者にはちゃんと自分からお知らせしたから...ね?
「「マルー!塩持ってきて!」」
「それなら、こちらに...」
「準備良い。」
「ミシェリーちゃんの為ですから...当然です。」
猛禽類らしい鋭い眼で、トボトボと歩くエルドーの背中を見つめている梟獣人のマルさんは、自身の鋭い爪で私を傷付けないように、頬を羽毛でふわふわの手の甲で撫でてくれるの。
子供好きらしくって愛しげに優しく撫でてくれるし、ふわふわの羽毛が気持ち良いー。
あー、また塩撒くの?
そう言えば、最近毎日してない?
カルヴァドスがお掃除好きとはいえ、こうも毎回だとお掃除が大変だよ?
「カルヴァドスー、お仕事よー。」
[ポヨン...............]
塩を撒いた後は、ハウススライムのカルヴァドスが床の上のゴミと一緒に吸収してくれるの。
普段は薄い水色なんだけど、ゴミを吸収すると黄色になって、消化し終わると薄い水色に戻るんだって!
それと、まだ見たことないけど、毒を吸収すると紫になるらしいから不思議だよね。
分かりやすくて良いけど、毒を吸収出来るって凄いよね。
いっぱい吸収したら小さいスライムが出てくるというか分裂する?らしいんだけど、私はまだ見たことがない。
「カルヴァドス、いつもありがとう。」
[ポヨン...ポヨン...]
「ん?なんか、小さいカルヴァドスがいる?」
[[ポヨン]]
掃除をしてくれたカルヴァドスにお礼を言ったら、震えたカルヴァドスから小さいカルヴァドスがポヨンっと出てきた。
あ、そんな感じで分裂するんだー。
「あら、ここ5日程で塩を吸収させすぎたかしら?
もう分裂したのね...はい、この子がミシェリーちゃんのハウススライムね。
さ、お名前つけてあげて!」
「え、私が名前つけて良いんですか?」
「だって、これからミシェリーちゃんも必要になるし、それに、この子はミシェリーちゃんのことを見つめてるもの。」
「うーん、私がつけて良いのかなぁ?」
[ポヨン!]
塩を撒いてたキャティアお姉さまが、床から拾い上げてカウンターに乗せてくれた小さいカルヴァドス。
名前をつけるなんて責任重大だから、構わないのかを聞いてみたらポヨンポヨン跳びながら近付いてきて、期待するかのように震えてるように見える。
よし、嫌がってはいなさそうだしつけようかな?
うーん、性別は無いらしいから可愛い名前にしてあげたいなぁー。
「じゃあ、ベリア!
貴方の名前はベリアにする!」
[ポヨンポヨン!]
「あら、ベリアにするの?可愛い名前ね。
ベリアも気に入ったみたいよ?」
名前をつけたら、さっきまでよりも高く跳んでみせるベリアが可愛い。
キャティアお姉さまが可愛い名前だと褒めると、それが分かるのか嬉しそうに震えてる。
落ち着いた後は、いそいそと私の胸ポッケに入ってくる。
頭の尖った部分がフルフルして、ちょっとだけ目が見えるように居場所が整うとキョロキョロする。
触腕を2本チロっと出して、しがみつくようにしてるのも可愛いなぁ。
*
彼らにも、ミシェリーちゃんを手離さないように頼まれてる。
ここに必要な人材であるミシェリーちゃんのことはもう返せないから、さっさと帰って。
毎日来られても、迷惑、邪魔でしか無い。」
冷たい眼差しでチラッとエルドーを見てから、キャティアお姉様の頬擦りで少し乱れた私の髪を整えてくれているのは、私の教育係りになった同じ人族のリミューズお姉さま。
本当に、ここら辺ではリミューズって名前は多いらしい。
特に人族に多いらしくて、リミューズお姉さまの伯母さんもリミューズらしいよ。
一族で集まると面倒な時もあるって、遠い目をして言ってた。
「俺達が手離した訳じゃない。」
「あら、そうなの?
じゃあ、貴方達がミシェリーちゃんに見限られたのね。
ウフフ、それなら尚更返せないわね!」
「そろそろ混む時間だから、本当にさっさと帰って。」
拳を握って反論するエルドーを相手に、朗らかに笑いながらキャティアお姉さま込みで抱き締めてくるラベリアお姉さまと、扉の方を見ながら出ていけと手を振るリミューズお姉さま。
頼もしすぎる布陣。
「ミシェリーちゃん、良い匂いー。」
喋らなくなったキャティアお姉さまは、ただ私の髪の匂いを嗅いでたみたい。
臭くないのなら良いけど、皆さん本当に嗅ぐのが好きだよねぇー。
「.........また来ます。」
あ、意気消沈って感じでエルドーが帰っていくんだけど、もう来なくて良いよー。
どうせ、私は受け入れないんだからさ。
「もう来なくて良いからねぇー!
さよーならー。」
一応、手を振ってお見送りだけしとこ。
本当に、もう迷惑でしかないから、来なくて良いんだよ?
ただただ面倒なだけだし、保護者にはちゃんと自分からお知らせしたから...ね?
「「マルー!塩持ってきて!」」
「それなら、こちらに...」
「準備良い。」
「ミシェリーちゃんの為ですから...当然です。」
猛禽類らしい鋭い眼で、トボトボと歩くエルドーの背中を見つめている梟獣人のマルさんは、自身の鋭い爪で私を傷付けないように、頬を羽毛でふわふわの手の甲で撫でてくれるの。
子供好きらしくって愛しげに優しく撫でてくれるし、ふわふわの羽毛が気持ち良いー。
あー、また塩撒くの?
そう言えば、最近毎日してない?
カルヴァドスがお掃除好きとはいえ、こうも毎回だとお掃除が大変だよ?
「カルヴァドスー、お仕事よー。」
[ポヨン...............]
塩を撒いた後は、ハウススライムのカルヴァドスが床の上のゴミと一緒に吸収してくれるの。
普段は薄い水色なんだけど、ゴミを吸収すると黄色になって、消化し終わると薄い水色に戻るんだって!
それと、まだ見たことないけど、毒を吸収すると紫になるらしいから不思議だよね。
分かりやすくて良いけど、毒を吸収出来るって凄いよね。
いっぱい吸収したら小さいスライムが出てくるというか分裂する?らしいんだけど、私はまだ見たことがない。
「カルヴァドス、いつもありがとう。」
[ポヨン...ポヨン...]
「ん?なんか、小さいカルヴァドスがいる?」
[[ポヨン]]
掃除をしてくれたカルヴァドスにお礼を言ったら、震えたカルヴァドスから小さいカルヴァドスがポヨンっと出てきた。
あ、そんな感じで分裂するんだー。
「あら、ここ5日程で塩を吸収させすぎたかしら?
もう分裂したのね...はい、この子がミシェリーちゃんのハウススライムね。
さ、お名前つけてあげて!」
「え、私が名前つけて良いんですか?」
「だって、これからミシェリーちゃんも必要になるし、それに、この子はミシェリーちゃんのことを見つめてるもの。」
「うーん、私がつけて良いのかなぁ?」
[ポヨン!]
塩を撒いてたキャティアお姉さまが、床から拾い上げてカウンターに乗せてくれた小さいカルヴァドス。
名前をつけるなんて責任重大だから、構わないのかを聞いてみたらポヨンポヨン跳びながら近付いてきて、期待するかのように震えてるように見える。
よし、嫌がってはいなさそうだしつけようかな?
うーん、性別は無いらしいから可愛い名前にしてあげたいなぁー。
「じゃあ、ベリア!
貴方の名前はベリアにする!」
[ポヨンポヨン!]
「あら、ベリアにするの?可愛い名前ね。
ベリアも気に入ったみたいよ?」
名前をつけたら、さっきまでよりも高く跳んでみせるベリアが可愛い。
キャティアお姉さまが可愛い名前だと褒めると、それが分かるのか嬉しそうに震えてる。
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