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あらまぁ、スティ兄様が頭を抱えて蹲ってしまったわね...でも、仕方ないでしょう?
ルー兄様は奥様が人混みが苦手だということで夜会などに殆ど出られないから、エスコートを忘れないようにするための練習としてお母様のエスコートをすることになったの。
そしたら、お母様のエスコートがないのならお父様が私のエスコートを出来るからってことで、私の社交界デビューもついでにしちゃったのよ。
「ウフフ、リーナったら、とっても可愛らしかったのよ?
可愛らしすぎて、悪い虫が集ってきておりますけれど...どう排除したものかしらね。」
ダンスを踊って欲しいだなんて集られても困るだけよ。
近くへと寄られるだけでも気分が悪いのに...どんなに丁寧に断っても半ば無理矢理に手を取ろうとするのよ?
お父様が断っても私が断っても、こんなにも諦めない人がいるなんて思ってませんでした。
気持ち悪さを我慢しきれず、ついつい気を失ってしまったもの。
家に帰りついたときには、全身に蕁麻疹が出てしまって...痒くて痒くて大変だったんだから!
「えー!残念だなー...リーナのデビュードレス見たかったなぁ!!
それに、ダンスも踊りたかったぁ!!」
もぅ!頬をぷっくりと膨らませるなんて、そんな子供みたいなことをしないで?
ついつい頭を撫でたくなっちゃうじゃない。
撫でてみても拒否されないし、遠慮なく撫でちゃうんだけれど...あぁ、久しぶりのスティ兄様が可愛らしいわ。
「残念だったわねぇ?
でも、仕方無いことでしょう?
貴方が痩せようと決心するのが遅かっただけですし、せめて、痩せてデビュタントのエスコートするつもりなのだと教えてくれていれば良かったのだから。」
お母様も、ご機嫌で撫でてますね。
落ち込むスティ兄様って、下がった眉毛が情けなくって可愛いものね。
「うん...もう少し早めに決心しないと駄目だったんだね。
サプライズにしたかったのに、ハァー、ま、次はエスコートするもん!」
お母様込みで、ガバッと抱き締められました。
スティ兄様ったら、プニプニの身体が筋肉質になってるじゃない!
カッチカチなのよ?すごくない?!素敵!!
「ウフフ!貴方の変化を見たら、王妃様もきっと驚くわよ?楽しみね。」
それは、驚かれることでしょう。
そして、名残惜しそうになさると思います。
「王妃様か...会いたくないなぁ。」
王妃様は、スタンレーお兄様のプニプニのお腹がお気に入りだったもんね...
『デブなのにこんなにも可愛いなんて罪だわ!』
と、頬を染めて仰られていたのを忘れられません。
でもスティ兄様は、王妃様からダンスを強請られて、踊るたびにお腹をプニプニと触られるのが嫌だったんでしょ?
「もう一度肥れと言われるかもしれませんわね...。
格好良いですし健康のことを考えますと、このままが良いと思うのですけれど。」
あまり肥っていると健康に悪いからね。
格好良いっていうのも本当よ?
「え、格好良い?!本当??
リーナがそう言うのなら、頑張って維持するよ??」
ウフフ!スティ兄様ったらなんてチョロいの!
スティ兄様を惑わせるのは、めちゃくちゃ得意なのよねー。
「あれ?そう言えば兄さんは?」
ルーお兄様がいないことに、今更気付いたの?注意力足りなさすぎよ。
けれど、スティ兄様は知らなくても当然よね...行方不明だったんだもの。
「奥様がご懐妊中なのですわ。」
そう言えば、私達に懐妊の報告が来たのは半年程前だったけれど、本人は1度もここには来てないんじゃないかしら?
「...そっかー、奥様は人見知りが激しすぎて苦手だなぁ。」
そうよねぇ...激しすぎるわよねぇ。
本人に治す気が無いのだろうし、もう手遅れだと思うけれど。
「孫が産まれたら、奥様には悪いけれどこちらで育てることにしたわ。
あの子の許可は出てますから。」
我が家へと嫁いで来たのに、結婚式以降1度も顔を見せていないものね。
庶子である私に会いたくないというのなら分かるけれど...義父や義母にすら会わないなんて、礼を失する行いでしょう?
「あらら、そうなの?」
ご本人すら会いに来ないのに、子供を私達に会わせると思います?
私はそうは思いません!
「本来なら、嫁いで来たのならばこちらで一緒に住む筈でしたのよ?
それを、奥様が人見知りだからと勝手に別邸を建てたのはあの子達ですわ。
敷地内とは言え、貴族としては十分な醜聞ですの。
子供と過ごしたければ、こちらに移ればよろしいのよ。」
えぇ、奥様の我が儘を全て聞くことは出来ませんものね。
子供の教育は妻の仕事の1つだけれど、我が家主催のお茶会や夜会などでも、ルーお兄様の妻としての仕事を1つもこなしてないのよね......。
そんな無責任な方を信頼して跡取りとなるかもしれない子供の教育など、任せられません。
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ルー兄様は奥様が人混みが苦手だということで夜会などに殆ど出られないから、エスコートを忘れないようにするための練習としてお母様のエスコートをすることになったの。
そしたら、お母様のエスコートがないのならお父様が私のエスコートを出来るからってことで、私の社交界デビューもついでにしちゃったのよ。
「ウフフ、リーナったら、とっても可愛らしかったのよ?
可愛らしすぎて、悪い虫が集ってきておりますけれど...どう排除したものかしらね。」
ダンスを踊って欲しいだなんて集られても困るだけよ。
近くへと寄られるだけでも気分が悪いのに...どんなに丁寧に断っても半ば無理矢理に手を取ろうとするのよ?
お父様が断っても私が断っても、こんなにも諦めない人がいるなんて思ってませんでした。
気持ち悪さを我慢しきれず、ついつい気を失ってしまったもの。
家に帰りついたときには、全身に蕁麻疹が出てしまって...痒くて痒くて大変だったんだから!
「えー!残念だなー...リーナのデビュードレス見たかったなぁ!!
それに、ダンスも踊りたかったぁ!!」
もぅ!頬をぷっくりと膨らませるなんて、そんな子供みたいなことをしないで?
ついつい頭を撫でたくなっちゃうじゃない。
撫でてみても拒否されないし、遠慮なく撫でちゃうんだけれど...あぁ、久しぶりのスティ兄様が可愛らしいわ。
「残念だったわねぇ?
でも、仕方無いことでしょう?
貴方が痩せようと決心するのが遅かっただけですし、せめて、痩せてデビュタントのエスコートするつもりなのだと教えてくれていれば良かったのだから。」
お母様も、ご機嫌で撫でてますね。
落ち込むスティ兄様って、下がった眉毛が情けなくって可愛いものね。
「うん...もう少し早めに決心しないと駄目だったんだね。
サプライズにしたかったのに、ハァー、ま、次はエスコートするもん!」
お母様込みで、ガバッと抱き締められました。
スティ兄様ったら、プニプニの身体が筋肉質になってるじゃない!
カッチカチなのよ?すごくない?!素敵!!
「ウフフ!貴方の変化を見たら、王妃様もきっと驚くわよ?楽しみね。」
それは、驚かれることでしょう。
そして、名残惜しそうになさると思います。
「王妃様か...会いたくないなぁ。」
王妃様は、スタンレーお兄様のプニプニのお腹がお気に入りだったもんね...
『デブなのにこんなにも可愛いなんて罪だわ!』
と、頬を染めて仰られていたのを忘れられません。
でもスティ兄様は、王妃様からダンスを強請られて、踊るたびにお腹をプニプニと触られるのが嫌だったんでしょ?
「もう一度肥れと言われるかもしれませんわね...。
格好良いですし健康のことを考えますと、このままが良いと思うのですけれど。」
あまり肥っていると健康に悪いからね。
格好良いっていうのも本当よ?
「え、格好良い?!本当??
リーナがそう言うのなら、頑張って維持するよ??」
ウフフ!スティ兄様ったらなんてチョロいの!
スティ兄様を惑わせるのは、めちゃくちゃ得意なのよねー。
「あれ?そう言えば兄さんは?」
ルーお兄様がいないことに、今更気付いたの?注意力足りなさすぎよ。
けれど、スティ兄様は知らなくても当然よね...行方不明だったんだもの。
「奥様がご懐妊中なのですわ。」
そう言えば、私達に懐妊の報告が来たのは半年程前だったけれど、本人は1度もここには来てないんじゃないかしら?
「...そっかー、奥様は人見知りが激しすぎて苦手だなぁ。」
そうよねぇ...激しすぎるわよねぇ。
本人に治す気が無いのだろうし、もう手遅れだと思うけれど。
「孫が産まれたら、奥様には悪いけれどこちらで育てることにしたわ。
あの子の許可は出てますから。」
我が家へと嫁いで来たのに、結婚式以降1度も顔を見せていないものね。
庶子である私に会いたくないというのなら分かるけれど...義父や義母にすら会わないなんて、礼を失する行いでしょう?
「あらら、そうなの?」
ご本人すら会いに来ないのに、子供を私達に会わせると思います?
私はそうは思いません!
「本来なら、嫁いで来たのならばこちらで一緒に住む筈でしたのよ?
それを、奥様が人見知りだからと勝手に別邸を建てたのはあの子達ですわ。
敷地内とは言え、貴族としては十分な醜聞ですの。
子供と過ごしたければ、こちらに移ればよろしいのよ。」
えぇ、奥様の我が儘を全て聞くことは出来ませんものね。
子供の教育は妻の仕事の1つだけれど、我が家主催のお茶会や夜会などでも、ルーお兄様の妻としての仕事を1つもこなしてないのよね......。
そんな無責任な方を信頼して跡取りとなるかもしれない子供の教育など、任せられません。
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