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「そもそも、婚約者が参加出来ないのならば、男性であれば1人で参加するものでしょう?
私も、この夜会では君をエスコートすることが出来ないから1人で参加していますし...グリスフィルド子息、どうして私の婚約者をエスコートする必要があるのですか?」
「お前こそ、婚約者が着飾って待っているのに何故迎えに行かないんだ!」
「主催者である伯爵様も何度も言っていることですが、私の婚約者は伯爵主催の夜会に招待されていません。
プディング嬢は、普段の発言によって伯爵家の方々にはとても嫌われております。
伯爵家の方々に不愉快な思いをさせてまで婚約者をエスコートする必要性はありませんから、伯爵様が主催なさる夜会にはここ2月ほどエスコートしておりません。
ですから、夜会用のドレスも装飾品も贈っておりませんし、パートナーとしてエスコートしたいという手紙も送ってはおりません。」
「可哀想だとは思わないのか?!
そもそも、プディングのことを伯爵が勝手に嫌っているだけだろう?!」
「いえ、伯爵家の方々に嫌われて当然の数々の言動を知っておりますので、可哀想などとは思いません。
むしろ、自業自得でしょう。」
えぇ、プディング様の自業自得ですわね。
グリスフィルドのご子息様ったら、これだけ正論を突き付けられてもご自分の失態に気付けていないようね...皆様静かにヒソヒソと噂話しを始めておられますわよ?
このご様子ですと、グリスフィルドのご子息様もプディング様も、殆どの社交界から弾かれるのでしょうね。
「俺は、可哀想なプディングを、善意でエスコートしてやったんだ!
女は1人で参加するなど出来ないからな!」
「えぇ、そうですわ。
婚約者が諸事情によりエスコート出来ない場合、親族か父親の友人を頼りパートナーを探してエスコートしていただくのがマナーですわね。
ですから、婚約者であるグリスフィルドのご子息によって放棄されたマーガレットのエスコートを、王太子殿下へとお願いいたしましたのよ?
夫の友人の息子さんですもの...快くお受けしてくださったわ。」
私、お父様が陛下と友人関係だと聞いたときはとても恐れ多くて......暫くお父様に近寄るのを自粛してしまい、お父様に泣かれてしまいましたの。
お姉様と私をそれぞれ片腕に抱き上げて、
『陛下とは友達だけど、こちらの心情を無視してまで理不尽なことを言うような人ではないから安心しなさい。
それとも、お父様のことが嫌いなのかい?』
と...それはそれは悲しそうに仰られて、お父様には申し訳ないことをしてしまいましたわ。
お姉様と、それぞれで頬にキスをすると気持ちを持ち直されましたけれど...少し単純よね。
『案外、男親って単純なのよ?』
と、以前、お母様が苦笑しながら仰られていた意味がよく分かった出来事でしたわ。
「なぁ?!!どうして貴女が王太子殿下にエスコートされてますの??!!
悪女の癖に!!」
「?まぁ、理解力が乏しくてらっしゃるのね......御愁傷様ですこと。
私、先程も説明いたしましたわよ?
元々、グリスフィルドのご子息はこちらの夜会ではマーガレットのエスコートが出来ないだろうことは分かっておりましたから、夫の友人のご子息にマーガレットのエスコートをお願いしたいとお手紙を送りましたら、ご快諾いただきましたの。
一応グリスフィルドのご子息にも挽回する機会を与えましたけれど、それをふいになさったのは本人ですわ。」
「そんな?!!」
「プディング?どうしたのだ??」
「あぁ...あの悪女に、毒されておられるのだわ!
なんとかしてお助けしなければ!!」
プディング様ったら、お姉様のことを悪女と罵ったわよね...?
王太子殿下とガナッシュ様の方からも、両親の方からも、ルーズリー伯爵様の方からも、殺気が飛んできておりますのに、気付かないなんて余程図太い神経をお持ちなのね。
ご愁傷様ですこと...私も怒っておりますから、皆様を止めたりなんていたしませんわ。
*
私も、この夜会では君をエスコートすることが出来ないから1人で参加していますし...グリスフィルド子息、どうして私の婚約者をエスコートする必要があるのですか?」
「お前こそ、婚約者が着飾って待っているのに何故迎えに行かないんだ!」
「主催者である伯爵様も何度も言っていることですが、私の婚約者は伯爵主催の夜会に招待されていません。
プディング嬢は、普段の発言によって伯爵家の方々にはとても嫌われております。
伯爵家の方々に不愉快な思いをさせてまで婚約者をエスコートする必要性はありませんから、伯爵様が主催なさる夜会にはここ2月ほどエスコートしておりません。
ですから、夜会用のドレスも装飾品も贈っておりませんし、パートナーとしてエスコートしたいという手紙も送ってはおりません。」
「可哀想だとは思わないのか?!
そもそも、プディングのことを伯爵が勝手に嫌っているだけだろう?!」
「いえ、伯爵家の方々に嫌われて当然の数々の言動を知っておりますので、可哀想などとは思いません。
むしろ、自業自得でしょう。」
えぇ、プディング様の自業自得ですわね。
グリスフィルドのご子息様ったら、これだけ正論を突き付けられてもご自分の失態に気付けていないようね...皆様静かにヒソヒソと噂話しを始めておられますわよ?
このご様子ですと、グリスフィルドのご子息様もプディング様も、殆どの社交界から弾かれるのでしょうね。
「俺は、可哀想なプディングを、善意でエスコートしてやったんだ!
女は1人で参加するなど出来ないからな!」
「えぇ、そうですわ。
婚約者が諸事情によりエスコート出来ない場合、親族か父親の友人を頼りパートナーを探してエスコートしていただくのがマナーですわね。
ですから、婚約者であるグリスフィルドのご子息によって放棄されたマーガレットのエスコートを、王太子殿下へとお願いいたしましたのよ?
夫の友人の息子さんですもの...快くお受けしてくださったわ。」
私、お父様が陛下と友人関係だと聞いたときはとても恐れ多くて......暫くお父様に近寄るのを自粛してしまい、お父様に泣かれてしまいましたの。
お姉様と私をそれぞれ片腕に抱き上げて、
『陛下とは友達だけど、こちらの心情を無視してまで理不尽なことを言うような人ではないから安心しなさい。
それとも、お父様のことが嫌いなのかい?』
と...それはそれは悲しそうに仰られて、お父様には申し訳ないことをしてしまいましたわ。
お姉様と、それぞれで頬にキスをすると気持ちを持ち直されましたけれど...少し単純よね。
『案外、男親って単純なのよ?』
と、以前、お母様が苦笑しながら仰られていた意味がよく分かった出来事でしたわ。
「なぁ?!!どうして貴女が王太子殿下にエスコートされてますの??!!
悪女の癖に!!」
「?まぁ、理解力が乏しくてらっしゃるのね......御愁傷様ですこと。
私、先程も説明いたしましたわよ?
元々、グリスフィルドのご子息はこちらの夜会ではマーガレットのエスコートが出来ないだろうことは分かっておりましたから、夫の友人のご子息にマーガレットのエスコートをお願いしたいとお手紙を送りましたら、ご快諾いただきましたの。
一応グリスフィルドのご子息にも挽回する機会を与えましたけれど、それをふいになさったのは本人ですわ。」
「そんな?!!」
「プディング?どうしたのだ??」
「あぁ...あの悪女に、毒されておられるのだわ!
なんとかしてお助けしなければ!!」
プディング様ったら、お姉様のことを悪女と罵ったわよね...?
王太子殿下とガナッシュ様の方からも、両親の方からも、ルーズリー伯爵様の方からも、殺気が飛んできておりますのに、気付かないなんて余程図太い神経をお持ちなのね。
ご愁傷様ですこと...私も怒っておりますから、皆様を止めたりなんていたしませんわ。
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