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2:女のバトルと男のバトル
代官邸です。7─ミリア(嫁)side─
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ふふふふふ!
あの忌ま忌ましい義母に、本邸から出ていくことを確約させましたわ!
ウール様と私が結婚するのに、ずーっと居座ってなかなか出ていかないのですもの、本当に忌ま忌ましいわ!
でも、半年後にはこの本邸が私の家となりますのよね?
あぁ、待ち遠しいわ!
はぁ、でも、今年卒業するシュレイアーナとか言う女が、次男のグーウェンディル君に嫁いでくるとも言っていたかしら?
領主様のお声掛りとか言っていたけれど、結婚してしまえば当然私よりは下よね。
私はここを仕切る代官となる長男の嫁で代官夫人となりますけれど、あちらは野蛮な憲兵達の長になる次男のただの嫁ですもの。
あの忌ま忌ましい義母に屈辱を味あわせることが出来ないのはなんだか気持ち悪いですけれど、まぁ、良いわ。
出来る限り離れてくれる方が清々するでしょうし、夫である代官を支える代官夫人として、今までよりも良い暮らしが出来るでしょうしね。
あぁ!あの忌ま忌ましい義母によって参加させてもらえていなかった、夜会やお茶会にも沢山出たいわ!
ドレスも、忌ま忌ましい義母に邪魔されて、新しく仕立てることがなかなか出来ませんでしたもの...。
これからは、私の自由に出来ますわ!
「ミリア、聞いている?」
「あ、えぇ、聞いておりますわ。
私なら大丈夫ですわ。意地悪をなさるお義母様には、負けませんもの。」
「母さんは意地悪なんてしてないけど...ま、大丈夫ならそれで良いや。
ナーシャ、後はよろしく。」
「はい、かしこまりました。」
幸せに浸っておりましたら、何やらお話しをしておられたみたいですわ。
嬉しさを噛み締めていて聞き流してしまっておりましたけれど、まぁ、後でナーシャに聞けば教えてくださるでしょうから、大丈夫ですわ。
あら?これから何処かに行かれますの?
あの後直ぐにこちらに戻ってきて、夕飯もこちらで済ませましたでしょう?
こんな時間に何処に?
「え、アナタ?何処に行きますの?」
「あぁ、クリスちゃんのことで話し合いがあるんだ。
あの子は一族の血を濃く継いでいるから...誰が育てるかとか話し合ってくるよ。」
「私は嫌ですわよ?!
あんな口だけが達者で無礼な小娘、娘になどいたしませんわ!!
さっさと、孤児院にでも連れていけば良いのに...!!」
「ミリア...クルスク一族のことを勉強しようともしない君には分からないのかもしれないけど、クリスちゃんはクルスク一族の血を濃く継いでいる子なんだ。
両親が死んでいるからと、孤児院になんて連れて行くことはあり得ない。」
「血を濃く継いでいるからと言って、あの子は平民の子ですわ。」
「僕やグリルが、言葉に発することなく会話が成立するのは知ってるよね?
その会話が、クリスちゃんとも可能なんだ。
あの子の存在は、領主様のみならず国王陛下にも知らされることとなる。
クルスク一族とは、積極的に国王陛下も関わってくる程に大事な一族なんだ。
君は、やはり理解が足りていないようだね。
クルスク一族の教育は、普通の貴族とは少し違うんだよ。
だから、嫁いできてから数年は母さんから様々なことを学ぶ必要があると何度も言ったんだ。
学ぶことから逃げ回ってばかりいた君に、グリルの教育が出来るとは思えない。
さっさと立場を弁えて、ここから出ていってくれることを願うよ。」
心底呆れたと言わんばかりの冷めた眼差しに、驚いてしまいましたわ。
私は、アナタの愛する妻ですのよ?!
あんな目で見るなんて...酷いわ!酷すぎるわ!!
*
あの忌ま忌ましい義母に、本邸から出ていくことを確約させましたわ!
ウール様と私が結婚するのに、ずーっと居座ってなかなか出ていかないのですもの、本当に忌ま忌ましいわ!
でも、半年後にはこの本邸が私の家となりますのよね?
あぁ、待ち遠しいわ!
はぁ、でも、今年卒業するシュレイアーナとか言う女が、次男のグーウェンディル君に嫁いでくるとも言っていたかしら?
領主様のお声掛りとか言っていたけれど、結婚してしまえば当然私よりは下よね。
私はここを仕切る代官となる長男の嫁で代官夫人となりますけれど、あちらは野蛮な憲兵達の長になる次男のただの嫁ですもの。
あの忌ま忌ましい義母に屈辱を味あわせることが出来ないのはなんだか気持ち悪いですけれど、まぁ、良いわ。
出来る限り離れてくれる方が清々するでしょうし、夫である代官を支える代官夫人として、今までよりも良い暮らしが出来るでしょうしね。
あぁ!あの忌ま忌ましい義母によって参加させてもらえていなかった、夜会やお茶会にも沢山出たいわ!
ドレスも、忌ま忌ましい義母に邪魔されて、新しく仕立てることがなかなか出来ませんでしたもの...。
これからは、私の自由に出来ますわ!
「ミリア、聞いている?」
「あ、えぇ、聞いておりますわ。
私なら大丈夫ですわ。意地悪をなさるお義母様には、負けませんもの。」
「母さんは意地悪なんてしてないけど...ま、大丈夫ならそれで良いや。
ナーシャ、後はよろしく。」
「はい、かしこまりました。」
幸せに浸っておりましたら、何やらお話しをしておられたみたいですわ。
嬉しさを噛み締めていて聞き流してしまっておりましたけれど、まぁ、後でナーシャに聞けば教えてくださるでしょうから、大丈夫ですわ。
あら?これから何処かに行かれますの?
あの後直ぐにこちらに戻ってきて、夕飯もこちらで済ませましたでしょう?
こんな時間に何処に?
「え、アナタ?何処に行きますの?」
「あぁ、クリスちゃんのことで話し合いがあるんだ。
あの子は一族の血を濃く継いでいるから...誰が育てるかとか話し合ってくるよ。」
「私は嫌ですわよ?!
あんな口だけが達者で無礼な小娘、娘になどいたしませんわ!!
さっさと、孤児院にでも連れていけば良いのに...!!」
「ミリア...クルスク一族のことを勉強しようともしない君には分からないのかもしれないけど、クリスちゃんはクルスク一族の血を濃く継いでいる子なんだ。
両親が死んでいるからと、孤児院になんて連れて行くことはあり得ない。」
「血を濃く継いでいるからと言って、あの子は平民の子ですわ。」
「僕やグリルが、言葉に発することなく会話が成立するのは知ってるよね?
その会話が、クリスちゃんとも可能なんだ。
あの子の存在は、領主様のみならず国王陛下にも知らされることとなる。
クルスク一族とは、積極的に国王陛下も関わってくる程に大事な一族なんだ。
君は、やはり理解が足りていないようだね。
クルスク一族の教育は、普通の貴族とは少し違うんだよ。
だから、嫁いできてから数年は母さんから様々なことを学ぶ必要があると何度も言ったんだ。
学ぶことから逃げ回ってばかりいた君に、グリルの教育が出来るとは思えない。
さっさと立場を弁えて、ここから出ていってくれることを願うよ。」
心底呆れたと言わんばかりの冷めた眼差しに、驚いてしまいましたわ。
私は、アナタの愛する妻ですのよ?!
あんな目で見るなんて...酷いわ!酷すぎるわ!!
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