8 / 10
もしも「桃太郎」だったら
もしも黄くんが「桃太郎」だったら
しおりを挟む
「まさか僕一人で鬼退治に行けと?」
黄太郎は驚愕しました。ただでさえ孤独に耐えられない性格なのに、たった一人で鬼を倒しに行ってこいと育ての親は言うのです。
「家を出る時は一人かもしれない。だが道中仲間を見つければ良いではないか」
海賊王じゃあるまいし、無理だと言うと、
「大丈夫。お前ならできる。子供の頃からお前には自然と人が集まってきたではないか。それに負けずぎら‥‥努力家で、出来ないことなど無かったではないか」
「そ‥‥そうかな?」
黄太郎はおじいさんに褒められて満更でもなさそうです。
さらにおじいさんはもうひと押しました。
「村のみんなが黄太郎にと刀や鎧を揃えてくれたんじゃよ」
立派な新品の鎧を目の前に置かれ、黄太郎は断れなくなってしまいました。
翌朝、黄太郎はおじいさんおばあさんや村民に見送られ出発しました。
「やっぱり不安だなぁ。だって病気になったらどうしよう。誰も看病してくれる人がいないし‥‥」
しばらく歩くと犬猿雉が行き倒れていました。
「大変だ!どうしたの?」
「腹が減って動けないんです」
黄太郎は慌てふためきました。
「ど、どうすればいい?何が食べたい?」
鼻をひくひくさせながら、犬がこう言いました。
「さっきからきび団子の匂いがする。きび団子食べたい」
黄太郎はおばあさんに渡されたきび団子を思い出しました。
「あ、これ?よければどうぞ」
きび団子を差し出すと、犬猿雉は一心不乱に食べ始めました。
黄太郎はいいことをしたなぁと思いました。
「立派な鎧ですね。戦でもあるのですか」
雉が尋ねました。
「いや、鬼ヶ島へ鬼退治に行くんだ」
「ええっ?まさかお一人で?」
三匹とも大層驚きました。
「一人でなんて無理ですよ。僕らにお供させてください」
三匹とも申し出ました。
しかし黄太郎は悩みました。
「実はね、僕、鬼と戦いたくないんだ」
突然、世界平和を唱え始めました。
「鬼にも何かしら事情があって悪さをしてるんだと思う。だから理由を聞いて今後鬼が悪さをしなくてすむように、話し合いをしたいんだ。」
犬猿雉は(こいつの名前タンジロウか?)と思いました。
「そして鬼に合う仕事を与えれば、村民と問題を起こさず生活できると思うんだ」
ハローワーク誕生の瞬間でした。
黄太郎は驚愕しました。ただでさえ孤独に耐えられない性格なのに、たった一人で鬼を倒しに行ってこいと育ての親は言うのです。
「家を出る時は一人かもしれない。だが道中仲間を見つければ良いではないか」
海賊王じゃあるまいし、無理だと言うと、
「大丈夫。お前ならできる。子供の頃からお前には自然と人が集まってきたではないか。それに負けずぎら‥‥努力家で、出来ないことなど無かったではないか」
「そ‥‥そうかな?」
黄太郎はおじいさんに褒められて満更でもなさそうです。
さらにおじいさんはもうひと押しました。
「村のみんなが黄太郎にと刀や鎧を揃えてくれたんじゃよ」
立派な新品の鎧を目の前に置かれ、黄太郎は断れなくなってしまいました。
翌朝、黄太郎はおじいさんおばあさんや村民に見送られ出発しました。
「やっぱり不安だなぁ。だって病気になったらどうしよう。誰も看病してくれる人がいないし‥‥」
しばらく歩くと犬猿雉が行き倒れていました。
「大変だ!どうしたの?」
「腹が減って動けないんです」
黄太郎は慌てふためきました。
「ど、どうすればいい?何が食べたい?」
鼻をひくひくさせながら、犬がこう言いました。
「さっきからきび団子の匂いがする。きび団子食べたい」
黄太郎はおばあさんに渡されたきび団子を思い出しました。
「あ、これ?よければどうぞ」
きび団子を差し出すと、犬猿雉は一心不乱に食べ始めました。
黄太郎はいいことをしたなぁと思いました。
「立派な鎧ですね。戦でもあるのですか」
雉が尋ねました。
「いや、鬼ヶ島へ鬼退治に行くんだ」
「ええっ?まさかお一人で?」
三匹とも大層驚きました。
「一人でなんて無理ですよ。僕らにお供させてください」
三匹とも申し出ました。
しかし黄太郎は悩みました。
「実はね、僕、鬼と戦いたくないんだ」
突然、世界平和を唱え始めました。
「鬼にも何かしら事情があって悪さをしてるんだと思う。だから理由を聞いて今後鬼が悪さをしなくてすむように、話し合いをしたいんだ。」
犬猿雉は(こいつの名前タンジロウか?)と思いました。
「そして鬼に合う仕事を与えれば、村民と問題を起こさず生活できると思うんだ」
ハローワーク誕生の瞬間でした。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる