4 / 33
4.俺は捜索されます
しおりを挟む
「捜しましたよ」
そう声を掛けながら太陽の光を遮って影を作るようにトリシアは俺の事を見下ろしていた。
「シア遅かったね」
トリシアに向かって何気なくそう言うと、トリシアの頬がピクピクと痙攣する。
怒っているのか、無表情でそんな事されると怖いんだけど。
「ここが何処だかわかりますか?」
「ん、確か7-25だったと思うけど」
「はぁ、2-23ですよ」
トリシアは呆れて怒る気にもなれないのか、溜息をつきながら俺に今の現在地を伝える。
「2-23?」
言われて下を見ると、デスアイの死体が無い、オーガエンペラーのミンチも見当たらなかった。
「あ~もしかして流された?」
「はい、だから最初に行ったんですよ、捜しましたよって」
「いや~ごめんごめん、【反重力】で重力をゼロにしただけだから、風の影響を受けるんだったね。忘れていたよ」
「あと少しでベル様の領域を出る所でしたよ」
「そうだね。別に俺一人なら領域外に出ても大丈夫だけど、まあ、捜してくれてありがとう、シア」
「いえ、それでは戻りますか?」
「魔物の死体は? オーガエンペラーは兎も角、デスアイはちゃんと綺麗に残したから解体しておいて欲しいけど」
「既に終わっています、どちらかと言えばベル様を捜す方が苦労しました」
「ははは、それじゃあ帰りますか、シア」
トリシアを呼んで手を差し出す。
「一緒に帰ろうか」
そう誘ったのだが、トリシアに断られた。
「すいません。解体は済んでいますが、解体の済んだ素材はそのまま置いてきたので回収してから戻ります」
【転移】で屋敷まで一緒に帰ろうと思ったのに。
「そうなんだ、なら送ってあげよう」
【転送】
トリシアをデスアイを始末した所まで送ってあげた後で、俺も【転移】で怠惰の館の書斎に戻った。
ーーー
「ふぅー」
書斎の椅子に腰掛けて、一息つく。
とまあ、これが俺のやっている無償のボランティアみたいな仕事だ。始末した魔物の素材でも冒険者の様に売れば金になるけど。
まとめると、俺の家族がやっている仕事は、人がまともに暮らしていける様に人のとって強過ぎる魔物を未開領域から人類領地に入れないよう始末する事が仕事な訳。
まあ、人類にも英雄級の力を持つ者は居るので、人が堕落しない様にとカラミタ母さんの気分しだいで未開領域のランク7以上の魔物を素通りさせる事も結構あるけどね。
因みにオーガエンペラーはランク7で、デスアイがランク8の魔物って事になっている。
ランク毎に説明すると。
ランク1:村人 ゴブリン
ランク2:新米冒険者 オーク
ランク3:下位冒険者 オーガ
ランク4:半人前冒険者 レッドオーガ
ランク5:中位冒険者 ブラックオーガ
ランク6:熟練冒険者 オーガキング
ランク7:上位冒険者 オーガエンペラー
ランク8:最上位冒険者 デスアイ
ランク9:英雄級 ドラゴン
ランクEX:厄災、人類では無理かも?
って感じで、カラミタ母さんのボランティアで人類が滅びもせず停滞もしないギリギリを調節する為に、人類領地の周りを7つの領域に分けてそれぞれ俺たち兄弟が魔物を入れない様守護している。
まあ、クリーナとラリアは、まだ幼いのでカラミタ母さんと一緒に守護する事になっている。
俺も上4人よりかなり若いので、あんまりサボっていたりすると、領域を没収されてカラミタ母さんと一緒に領域の守護しなくてはいけなくなる。
別にカラミタ母さんが嫌いな訳では無いが、俺ももうガキじゃないので一人でもちゃんと出来るって事を分かってもらいたい。
そう言えば、これは長女のルシア姉さんが話していた事だけど、人類は何を勘違いしているのか大体30年から100年周期で俺達家族が守っている領域に入りカラミタ母さん達に喧嘩を売りに来るらしい。
ルシア姉さんがその討伐隊に何故討伐しに来たのかと聞くと、決まってその人達は「諸悪の根源はお前達だ!」とか「俺達勇者が魔王を倒すんだ!」とか言うらしい。
どうもその討伐隊連中は魔物を生み出しているのが俺達だと思っているみたいで、未開領域から魔物が来るのも俺達が人類侵略の為にやっている事だと勝手に勘違いしている
とルシア姉さんが言っていた。
まあ、勘違いするのもおかしくはないか、カラミタ母さん達がどんな事をしているのか人類は知らないし、知ったら知ったで気分しだいで魔物を未開領域から素通りさせているので、討伐はしなくなるかもしれないが文句は言いたいだろうな。
その気まぐれで少なくない命が失われている訳だしね。
そして、討伐隊だがルシア姉さん達は特に言われた事を否定せずに戦いを挑ませ、適度にボコボコにしてから人類領地に帰しているらしい。
私達と戦う事も人類の成長になると、カラミタ母さんに言われているから殺さない様に手加減しているが、調節が難しいとルシア姉さんが愚痴っていた。
人類の主力人物を殺しちゃうとカラミタ母さんが怒りそうだしね。
あと、最短の30年周期に討伐隊が来るのは、大体そのぐらいで人族は世代交代が有るからみたいだ。
世代が変わる事で、若さ故にか無謀にも俺達家族に挑んでくるって事か。
無謀だと言う事すら、世代が交代すると分からないのかもしれないね。
それと、1つの世代で一度挑んだだけで諦めてしまうって事は相当圧倒的に負けてしまったんだろうな、再戦を諦めてしまうぐらい完璧に。
そこまで一方的にボコボコにしたら成長も何もないだろうにね。
俺の時はトリシアにギリギリの戦いを演出してもらおうかな?
勿論俺は戦いません。トリシアが魔王代理って事で。
そう声を掛けながら太陽の光を遮って影を作るようにトリシアは俺の事を見下ろしていた。
「シア遅かったね」
トリシアに向かって何気なくそう言うと、トリシアの頬がピクピクと痙攣する。
怒っているのか、無表情でそんな事されると怖いんだけど。
「ここが何処だかわかりますか?」
「ん、確か7-25だったと思うけど」
「はぁ、2-23ですよ」
トリシアは呆れて怒る気にもなれないのか、溜息をつきながら俺に今の現在地を伝える。
「2-23?」
言われて下を見ると、デスアイの死体が無い、オーガエンペラーのミンチも見当たらなかった。
「あ~もしかして流された?」
「はい、だから最初に行ったんですよ、捜しましたよって」
「いや~ごめんごめん、【反重力】で重力をゼロにしただけだから、風の影響を受けるんだったね。忘れていたよ」
「あと少しでベル様の領域を出る所でしたよ」
「そうだね。別に俺一人なら領域外に出ても大丈夫だけど、まあ、捜してくれてありがとう、シア」
「いえ、それでは戻りますか?」
「魔物の死体は? オーガエンペラーは兎も角、デスアイはちゃんと綺麗に残したから解体しておいて欲しいけど」
「既に終わっています、どちらかと言えばベル様を捜す方が苦労しました」
「ははは、それじゃあ帰りますか、シア」
トリシアを呼んで手を差し出す。
「一緒に帰ろうか」
そう誘ったのだが、トリシアに断られた。
「すいません。解体は済んでいますが、解体の済んだ素材はそのまま置いてきたので回収してから戻ります」
【転移】で屋敷まで一緒に帰ろうと思ったのに。
「そうなんだ、なら送ってあげよう」
【転送】
トリシアをデスアイを始末した所まで送ってあげた後で、俺も【転移】で怠惰の館の書斎に戻った。
ーーー
「ふぅー」
書斎の椅子に腰掛けて、一息つく。
とまあ、これが俺のやっている無償のボランティアみたいな仕事だ。始末した魔物の素材でも冒険者の様に売れば金になるけど。
まとめると、俺の家族がやっている仕事は、人がまともに暮らしていける様に人のとって強過ぎる魔物を未開領域から人類領地に入れないよう始末する事が仕事な訳。
まあ、人類にも英雄級の力を持つ者は居るので、人が堕落しない様にとカラミタ母さんの気分しだいで未開領域のランク7以上の魔物を素通りさせる事も結構あるけどね。
因みにオーガエンペラーはランク7で、デスアイがランク8の魔物って事になっている。
ランク毎に説明すると。
ランク1:村人 ゴブリン
ランク2:新米冒険者 オーク
ランク3:下位冒険者 オーガ
ランク4:半人前冒険者 レッドオーガ
ランク5:中位冒険者 ブラックオーガ
ランク6:熟練冒険者 オーガキング
ランク7:上位冒険者 オーガエンペラー
ランク8:最上位冒険者 デスアイ
ランク9:英雄級 ドラゴン
ランクEX:厄災、人類では無理かも?
って感じで、カラミタ母さんのボランティアで人類が滅びもせず停滞もしないギリギリを調節する為に、人類領地の周りを7つの領域に分けてそれぞれ俺たち兄弟が魔物を入れない様守護している。
まあ、クリーナとラリアは、まだ幼いのでカラミタ母さんと一緒に守護する事になっている。
俺も上4人よりかなり若いので、あんまりサボっていたりすると、領域を没収されてカラミタ母さんと一緒に領域の守護しなくてはいけなくなる。
別にカラミタ母さんが嫌いな訳では無いが、俺ももうガキじゃないので一人でもちゃんと出来るって事を分かってもらいたい。
そう言えば、これは長女のルシア姉さんが話していた事だけど、人類は何を勘違いしているのか大体30年から100年周期で俺達家族が守っている領域に入りカラミタ母さん達に喧嘩を売りに来るらしい。
ルシア姉さんがその討伐隊に何故討伐しに来たのかと聞くと、決まってその人達は「諸悪の根源はお前達だ!」とか「俺達勇者が魔王を倒すんだ!」とか言うらしい。
どうもその討伐隊連中は魔物を生み出しているのが俺達だと思っているみたいで、未開領域から魔物が来るのも俺達が人類侵略の為にやっている事だと勝手に勘違いしている
とルシア姉さんが言っていた。
まあ、勘違いするのもおかしくはないか、カラミタ母さん達がどんな事をしているのか人類は知らないし、知ったら知ったで気分しだいで魔物を未開領域から素通りさせているので、討伐はしなくなるかもしれないが文句は言いたいだろうな。
その気まぐれで少なくない命が失われている訳だしね。
そして、討伐隊だがルシア姉さん達は特に言われた事を否定せずに戦いを挑ませ、適度にボコボコにしてから人類領地に帰しているらしい。
私達と戦う事も人類の成長になると、カラミタ母さんに言われているから殺さない様に手加減しているが、調節が難しいとルシア姉さんが愚痴っていた。
人類の主力人物を殺しちゃうとカラミタ母さんが怒りそうだしね。
あと、最短の30年周期に討伐隊が来るのは、大体そのぐらいで人族は世代交代が有るからみたいだ。
世代が変わる事で、若さ故にか無謀にも俺達家族に挑んでくるって事か。
無謀だと言う事すら、世代が交代すると分からないのかもしれないね。
それと、1つの世代で一度挑んだだけで諦めてしまうって事は相当圧倒的に負けてしまったんだろうな、再戦を諦めてしまうぐらい完璧に。
そこまで一方的にボコボコにしたら成長も何もないだろうにね。
俺の時はトリシアにギリギリの戦いを演出してもらおうかな?
勿論俺は戦いません。トリシアが魔王代理って事で。
1
あなたにおすすめの小説
【完結保証】科学で興す異世界国家 ~理不尽に死んだ技術者が、「石炭」と「ジャガイモ」で最強を証明する。優秀な兄たちが膝を折るまでの建国譚~
Lihito
ファンタジー
正しいデータを揃えた。論理も完璧だった。
それでも、組織の理不尽には勝てなかった。
——そして、使い潰されて死んだ。
目を覚ますとそこは、十年後に魔王軍による滅亡が確定している異世界。
強国の第三王子として転生した彼に与えられたのは、
因果をねじ曲げる有限の力——「運命点」だけ。
武力と経済を握る兄たちの陰で、継承権最下位。後ろ盾も発言力もない。
だが、邪魔する上司も腐った組織もない。
今度こそ証明する。科学と運命点を武器に、俺のやり方が正しいことを。
石炭と化学による国力強化。
情報と大義名分を積み重ねた対外戦略。
準備を重ね、機が熟した瞬間に運命点で押し切る。
これは、理不尽に敗れた科学者が、選択と代償を重ねる中で、
「正しさ」だけでは国は守れないと知りながら、
滅びの未来を書き換えようとする建国譚。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
好感度0になるまで終われません。
チョコパイ
恋愛
土屋千鶴子(享年98歳)
子供や孫、ひ孫に囲まれての大往生。
愛され続けて4度目の転生。
そろそろ……愛されるのに疲れたのですが…
登場人物の好感度0にならない限り終わらない溺愛の日々。
5度目の転生先は娘が遊んでいた乙女ゲームの世界。
いつもと違う展開に今度こそ永久の眠りにつける。
そう信じ、好きなことを、好きなようにやりたい放題…
自覚なし愛され公女と執着一途皇太子のすれ違いラブロマンス。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
番としか子供が産まれない世界で
さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。
何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。
そんなニーナが番に出会うまで
4話完結
出会えたところで話は終わってます。
神様の失敗作ガチャを引かされた俺(元SE)、ハズレ女神たちと寂れた異世界を「再創生(リ・ジェネシス)」する
月下花音
ファンタジー
過労死した社畜SE・天野創が転生したのは、創造神に見捨てられた「廃棄世界」。
そこで待っていたのは、ポンコツすぎて「失敗作」の烙印を押された三人の女神たちだった。
「麦が生えない? ……ああ、これ土壌パラメータの設定ミスですね」
「家が建たない? ……設計図(仕様書)がないからですよ」
創は持ち前の論理的思考と管理者権限を駆使し、彼女たちの「バグ(欠点)」を「仕様(個性)」へと書き換えていく。
これは、捨てられた世界と女神たちを、最強の楽園へと「再創生」する物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる