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尼僧達の願い
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蓮が出て行った後、鏡から小さな声が聞こえた。
「ヒトヲ ノロッタ ワタクシガ マモレルカシラ」
鏡は迷っているのだろうか、淡く光ったり黒くなったり忙しない様子でカタカタと震えている。鏡のいる部屋から外にカタカタと音が響いていた。
「蓮様に話を聞いて動揺しているのかしら。」
楓は鏡のいる部屋に入っていった。
「こんにちは、鏡さん。私はこの尼寺の規律を担当している楓と申します。」
震えが止まった鏡。
「コンニチハ カエデサン」
挨拶をする鏡に楓は目を細め、優しい顔になる。
「蓮様から鏡さんのお話は伺いました。鏡さんも色々悩んでいらっしゃるのかしら。
でも、鏡さん。守り鏡様になって善行を積みながら、私達と一緒にここで暮らしませんか。」
鏡は何も反応せず動かない。「この尼寺で一緒に暮らす者達は、皆家族だと思っています。一緒に暮らすかどうか考えて頂く為にも、まず、私達と尼寺の事を説明させてください。」
楓の言葉に反応し、黒い鏡が淡く光りだした。
「カゾク ヒトヲノロッタ ワタクシガ ニソウサマト カゾクニ? 」
「鏡さんは人を呪った事を気にしているんですね。鏡さんは人を呪った罰は、もう受けているでしょう。
人を呪おうとした事を気に病む心があるのです。守り鏡となって他者への善行を積んで、成仏への道をめざしませんか。」
鏡は楓の言葉を考え込んでいるのか全く動かなくなった。鏡の様子は気にせず楓は話を続ける。
「この尼寺は蓮様の旦那様が逝去し、出家なさった蓮様の為に作られたお寺なのです。私達、蓮様と私を含めて、このお寺の尼僧は10名おります。皆、蓮様に仕えていた者達です。」
そこまで話すと楓は、そっとため息をついた。
「この尼寺では、様々な事情で逃げてきた女性や子供を匿い、別の場所で生活していけるように支援しています。
蓮様はたまに京の街に呼ばれてお祓いなどもしていますが、基本的に私達はこのお寺か村から出る事はありません。
逃げてきた者達を追ってくる者達もいます。悪しき者が寺へ侵入しようとするのを阻止するだけでなく、村が襲われても対処できるように村人達に武術も教えております。」
「アシキモノ キケンデスネ」
鏡の言葉を聞いて楓は大きく頷き、鏡をそっと手に持った。
「そうなのです。尼寺は女性だけなので盗賊等に狙われる事もあり危険が多いのです。
幸い、私達は強いので全て捕まえるか撃退してしまいますけれど、いちいち相手をするのが本当に面倒で、苛々してしまいます。
自慢にはなりませんが、鏡さんにとっては善行が沢山行える良い場所です。」
話しているうちに興奮しているのか、徐々に楓の声が大きくなり鏡を持つ手にも力が入っていた。
楓の声が外に響いた事もあり、若い尼僧達が入ってきた。
「楓様、声が少し大きいですわ。落ち着いてくださいね。
初めまして鏡さん、私は弥生と申します。これからよろしくお願いします。」
他の尼僧達も全員やってきて挨拶をすると、次々に鏡に話しかけた。
「鏡さん一緒に暮らして家族になりましょう。私達、鏡さんの事歓迎しますよ。ここの皆は優しい人が多いのです。何も怖くはありません。」
「人助けや善行を難しく考える必要はありません。例えば村の子供が大きな木に登って降りられなくなる、それを知らせて助けるのも善行ですよね。そういう事を100積み重ねていくだけです。」
「私達もいますから、鏡さんが迷ったり困った時には相談にのります。」
皆、呪い鏡の中に入る魂が消滅しないように一生懸命語りかける。鏡に心配している優しい尼僧達の顔が映りこむ。
いつの間にか部屋に来ていた蓮がその光景を見て嬉しそうに笑みを浮かべていた。
「鏡さん。守り鏡になって私達と一緒に暮らしながら善行を積み、成仏を目指しましょう。
私達の尼寺も村も、楓の言うように狙われる事が多く、守り鏡様が行える善行は沢山あると思います。
皆、あなたに守り鏡になって成仏の道を歩んで貰いたいと思っているのです。」
蓮の言葉を聞きながら、鏡に映る他の尼僧達の顔を見ていた鏡。
「ミナサマ アリガトウ ワタクシ マモリカガミ ナリマス」
鏡が宣言すると光に包まれた。光が消えると黒い鏡は無くなり、綺麗な輝きを放つ白い鏡が現れる。守り鏡となった鏡を見て、笑顔で嬉しそうに喜びの声を上げた尼僧達。
守り鏡が力強い声で宣言すると、尼僧達も一緒に声を上げた。
「ゼンコウツミ ジョウブツ メザス」
「目指せ成仏 100の善行。」
「ヒトヲ ノロッタ ワタクシガ マモレルカシラ」
鏡は迷っているのだろうか、淡く光ったり黒くなったり忙しない様子でカタカタと震えている。鏡のいる部屋から外にカタカタと音が響いていた。
「蓮様に話を聞いて動揺しているのかしら。」
楓は鏡のいる部屋に入っていった。
「こんにちは、鏡さん。私はこの尼寺の規律を担当している楓と申します。」
震えが止まった鏡。
「コンニチハ カエデサン」
挨拶をする鏡に楓は目を細め、優しい顔になる。
「蓮様から鏡さんのお話は伺いました。鏡さんも色々悩んでいらっしゃるのかしら。
でも、鏡さん。守り鏡様になって善行を積みながら、私達と一緒にここで暮らしませんか。」
鏡は何も反応せず動かない。「この尼寺で一緒に暮らす者達は、皆家族だと思っています。一緒に暮らすかどうか考えて頂く為にも、まず、私達と尼寺の事を説明させてください。」
楓の言葉に反応し、黒い鏡が淡く光りだした。
「カゾク ヒトヲノロッタ ワタクシガ ニソウサマト カゾクニ? 」
「鏡さんは人を呪った事を気にしているんですね。鏡さんは人を呪った罰は、もう受けているでしょう。
人を呪おうとした事を気に病む心があるのです。守り鏡となって他者への善行を積んで、成仏への道をめざしませんか。」
鏡は楓の言葉を考え込んでいるのか全く動かなくなった。鏡の様子は気にせず楓は話を続ける。
「この尼寺は蓮様の旦那様が逝去し、出家なさった蓮様の為に作られたお寺なのです。私達、蓮様と私を含めて、このお寺の尼僧は10名おります。皆、蓮様に仕えていた者達です。」
そこまで話すと楓は、そっとため息をついた。
「この尼寺では、様々な事情で逃げてきた女性や子供を匿い、別の場所で生活していけるように支援しています。
蓮様はたまに京の街に呼ばれてお祓いなどもしていますが、基本的に私達はこのお寺か村から出る事はありません。
逃げてきた者達を追ってくる者達もいます。悪しき者が寺へ侵入しようとするのを阻止するだけでなく、村が襲われても対処できるように村人達に武術も教えております。」
「アシキモノ キケンデスネ」
鏡の言葉を聞いて楓は大きく頷き、鏡をそっと手に持った。
「そうなのです。尼寺は女性だけなので盗賊等に狙われる事もあり危険が多いのです。
幸い、私達は強いので全て捕まえるか撃退してしまいますけれど、いちいち相手をするのが本当に面倒で、苛々してしまいます。
自慢にはなりませんが、鏡さんにとっては善行が沢山行える良い場所です。」
話しているうちに興奮しているのか、徐々に楓の声が大きくなり鏡を持つ手にも力が入っていた。
楓の声が外に響いた事もあり、若い尼僧達が入ってきた。
「楓様、声が少し大きいですわ。落ち着いてくださいね。
初めまして鏡さん、私は弥生と申します。これからよろしくお願いします。」
他の尼僧達も全員やってきて挨拶をすると、次々に鏡に話しかけた。
「鏡さん一緒に暮らして家族になりましょう。私達、鏡さんの事歓迎しますよ。ここの皆は優しい人が多いのです。何も怖くはありません。」
「人助けや善行を難しく考える必要はありません。例えば村の子供が大きな木に登って降りられなくなる、それを知らせて助けるのも善行ですよね。そういう事を100積み重ねていくだけです。」
「私達もいますから、鏡さんが迷ったり困った時には相談にのります。」
皆、呪い鏡の中に入る魂が消滅しないように一生懸命語りかける。鏡に心配している優しい尼僧達の顔が映りこむ。
いつの間にか部屋に来ていた蓮がその光景を見て嬉しそうに笑みを浮かべていた。
「鏡さん。守り鏡になって私達と一緒に暮らしながら善行を積み、成仏を目指しましょう。
私達の尼寺も村も、楓の言うように狙われる事が多く、守り鏡様が行える善行は沢山あると思います。
皆、あなたに守り鏡になって成仏の道を歩んで貰いたいと思っているのです。」
蓮の言葉を聞きながら、鏡に映る他の尼僧達の顔を見ていた鏡。
「ミナサマ アリガトウ ワタクシ マモリカガミ ナリマス」
鏡が宣言すると光に包まれた。光が消えると黒い鏡は無くなり、綺麗な輝きを放つ白い鏡が現れる。守り鏡となった鏡を見て、笑顔で嬉しそうに喜びの声を上げた尼僧達。
守り鏡が力強い声で宣言すると、尼僧達も一緒に声を上げた。
「ゼンコウツミ ジョウブツ メザス」
「目指せ成仏 100の善行。」
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