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ハーク国
ハーク国 隷属妖精
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ハーク国は人間国に所属する小さな島国だ。島の周囲の海に魔物が住んで暴れているせいで、海は毎日荒れていた。海風にのって海水が運ばれた土壌は塩を含み栄養も不良。作物が育ちにくい為食料はほぼ輸入に頼って暮らす貧しい国だ。
3カ月に1度魔物が眠りにつく日、”安寧日”だけは普段の荒れている海が嘘のよう穏やかで美しく輝く海になる。
いつもは”安寧日”を利用して近くのドロン国へ、第1王子が王家秘伝の薬を売りに出かける。
国民の全てがこの薬に関係する仕事をしていた。王家秘伝の薬は元は劇物の毒薬だ。それを調剤して治療薬に変えている。原料の毒草はこの島で栽培されている。
ハーク国の治療薬は効果が抜群で、大概の怪我はこの薬を塗れば瞬く間に傷が塞がり治ってしまう。ドロン国で高値で取引される治療薬。だが国民が全員豊かな暮らしが出来るほどの収益は上げられない。
そこで、国王夫婦はドロン国への移住計画を進めていた。
当初人間国に、治療薬の製造方法と薬草の栽培方法に国土を買い取ってもらいそのお金で移住しようと考えていた国王夫妻。人間国と交渉すると、人間国は安く買い叩こうとした上に1年間無料で一定数の治療薬を納める事を条件に付け加えた。
王は島に戻ると国民を集めて会議を開いた。
「人間国の要求は酷かった。買取金額は安い。一定量の薬を納めろ。
移住したばかりの忙しい時期に、ただ働きなどしている余裕はないし、あんな安い金額では移住金の足しにもならない。人間国へ移動するだけでも結構経費がかかるのに、新生活に必要な土地等の費用を考えると全然足りない。こちらの足元を見て不利な条件を出されとても不愉快だった。こんな国に今まで所属していたとはな。
我々ハーク国は人間国からドロン国へ所属を変えよう。所属変更の手続きはほぼ完了していて、後は皆の賛同を得て署名をした書類を提出するだけなんだ。皆の人生がかかっているからね、皆の意見も聞かなくては。」
王の話を聞いていた国民全員、ドロン国への移住に賛成した。
「人間国に所属していたって何の恩恵もありませんでした。薬の売買もドロン国の人々が相手でしたし。」
「人間国の首都は遠すぎます。ドロン国なら目の前ですし移動にお金はかかりません。移動費用がない分家等の準備金に使う事が出来ますね。」
「家も安くても我々で改修すれば良いですよ。余裕が出るまでは固まって暮らして住居費を節約すればいいですしね。」
「船を扱える我々は漁をして食料を補充できるから、飢え死の心配もないです。」
国民達の声を聴いて王も王妃も嬉しそうに微笑んだ。
「ありがとう、皆。ドロン国の移住手続きと物件探しを第1王子のトークに任せたいと思う。トーク、よろしくな。」
「はい、父上。ドロン国には漁師の組合があります。組合に加入できるように話をしておきます。」
「トークありがとう。デューンは薬の納品と買出しを頼む。ハンセナ夫妻も一緒に行ってデューンを補佐してくれ。」
頷いたデューンとハンセナ夫妻。
「では、今回の海の魔物が眠る”安寧日”はトークとキエトにバイオレットは所属変更の手続きと物件探しに漁師の組合の訪問。デューンとハンセナ夫妻は買出しと治療薬の納品。デューンは初めての納品と買出しだからな。ハンセナ夫婦、デューンの事をよろしく頼むよ。」
”安寧日”皆に見送られて3隻の小さな船がドロン国へ向かって出発した。
「デューン様、夜までに船に戻らないと島へ帰れなくなってしまいますからね。ドロン国であまりウロウロなさらないようにしませんと。薬を売って食料を買ったらすぐに船に戻りますよ。」
「分かってるよ、全く俺だってもう30歳なんだぞ。そんなウロウロなんてしないよ。」
「そうなんですけどねえ、なんせ国王夫妻もトーク様にも可愛がられて育ってるから、どうも我儘な所があるというか。そうだろ、エレナ。」
「そうよね、ドロイ。トーク様も10歳も下の弟だからって甘やかしていらしたし、国王夫妻も遅くに出来た子供だからって我儘を言っても何もおっしゃらないし。
そろそろ誰かと結婚しても良い年ですよ。トーク様は18歳で結婚なさって20歳の時にはもうバイオレット様が生まれていらしたんですから。そのバイオレット様も20歳でご結婚。
ドロン国に移住したらきっといい出会いがありますから頑張って下さいね。」
30歳にもなったデューンだが、不貞腐れたような顔になると黙り込んだ。
ドロン国に着くと、トーク達は先に漁協組合に行くと言うので港で別れる。トーク達を見送るとデューン達も薬を売りに行った。薬を売り食料や日用品の買出しを終えて、大量の荷物を持ち一度港へ戻ってきた3人。船に乗せるとハンセナ夫妻が乗り込んだ。
「ああ、やっぱりドロイに任せてデューン様は私と一緒に待ってましょうよ。」
「大丈夫だったら、甘いお菓子類を買ったらすぐに戻るから。まだお昼前なんだしたっぷり時間はあるよ。それに買うだけならそんなに時間は掛からない、心配性だな。」
「ほら、エレナ。グダグダ言って時間を無駄にしたら駄目だ。デューン様、時間だけは気を付けてください。遅いようなら探しに行きますからね。」
「分かった、分かった。じゃ行ってくるね。」
デューンは2人に見送られて街に戻っていった。近道をしようと路地に入ると幼い女の子と女性達を連れた男達がいた。
「ああ、まさか王がアイツを殺すだなんて。俺も王に売ろうと思っていたがこれじゃだめだ。」
「俺もあんたから買った2人を連れて別の国に渡る予定だよ。港がある国で良かったよ。お前はどうするんだ。」
「俺も別の国に行く予定さ。妖精の子供だぞ、絶対高く売れる。この契約書があれば何でもゆう事を聞かせられるしな。」
笑っている男達は挨拶をすると別れていった。デューンは何も聞こえていなかったかのように、妖精の子供を連れた商人の横を通り過ぎる。
「落としましたよ。これ、いらないんですか。」
振り返った商人がかがんだ瞬間、毒薬を商人の口に突っ込んだ。
「ううっ、お前何を飲ませたんだ。」
すぐに商人の顔は青ざめ額には脂汗が浮き出てきた。
「即効性の毒薬だよ。妖精に命令できるだなんて、そんな凄い話を聞いたら黙って見過ごすわけにいかないだろ。この毒の解毒剤が欲しければ妖精をよこせ。急がないと毒が全身に回って死ぬぞ。」
何かを言おうとする商人。だがデューンにお腹を蹴られて声が出ない。
「ああ、妖精に命じて俺を襲わせても無駄だよ。さあ、早くしろよ。まあ、お前が死んだらそのまま妖精を持っていくだけだけどな。」
死んだら契約が破棄され妖精が解放される事を知らないデューン。商人は本当に殺されると感じたのか痺れてきた口を必死に動かして、なんとか”譲渡”と言った。契約者の名前が商人からデューンへと書き換わる。
様子を見ていたデューンは念の為確認する。
「妖精、小さな風を起こして見せて。」
妖精が小さな風を起こす。それを見て満足げに笑うと妖精と契約書を抱えて船へと戻っていった。
嬉しそうにほくそ笑みながら歩いているデューン。
「解毒剤なんて渡すわけないじゃないか。口封じするつもりだったのに。
妖精を手に入れるだなんてなんて運が良いんだ。これで移住なんかしなくても島に残って豊かな暮らしが出来る。皆大喜びするぞ。お父様達もきっと俺を褒めてくださるな。いつも兄貴ばかり頼りにしているけれど、今度からは俺ばかり頼りにされちゃうなあ。兄貴も俺の事を見直してあれこれ指図しなくなるだろうな。」
デューンが小さい女の子を連れて戻ってきたのを見てギョッとした顔をしているハンセナ夫妻。
「その子は一体どうしたんですか、デューン様。その子を両親に返さないと。」
「大丈夫だよ、良いから急いで帰るよ。」
すぐに船に飛び乗り女の子をのせるとあっという間に島へと向かっていってしまったデューン。慌ててハンセナ夫妻も追いかける。
「なんて事をしているのよ。一体、あの王子何をしたのかしら。不安だわ。国王夫妻やトーク様が甘やかすからあんな男に育ってしまったのよ。」
「ああ、俺はいつかあいつは何かやらかすと思っていたよ。小さな子を誘拐するだなんて最悪だ。もし国王夫妻がアイツの味方をしたら3か月間俺達であの子を守ってやって”安寧日”にドロン国へ逃がしてやろう。」
「そうしましょ、本当に何をどうやったらあんな馬鹿な男に育つのかしら。しかも未だにバイオレット様の事が好きで忘れられなくて結婚もしないし。」
「ほんとになあ、好かれてないし迷惑がられているのに気が付かない。ドロン国へ移住したらバイオレット様達は2人で別の場所で暮らすそうだよ。トーク様は残ると仰っていたがね。」
「うわあ、なんだか知ったら妨害しそうじゃないの。黙っていましょ。若い愛する2人を守ってあげなきゃね。」
2人とも険しい表情のままデューンを追って急いで島へと戻っていった。
3カ月に1度魔物が眠りにつく日、”安寧日”だけは普段の荒れている海が嘘のよう穏やかで美しく輝く海になる。
いつもは”安寧日”を利用して近くのドロン国へ、第1王子が王家秘伝の薬を売りに出かける。
国民の全てがこの薬に関係する仕事をしていた。王家秘伝の薬は元は劇物の毒薬だ。それを調剤して治療薬に変えている。原料の毒草はこの島で栽培されている。
ハーク国の治療薬は効果が抜群で、大概の怪我はこの薬を塗れば瞬く間に傷が塞がり治ってしまう。ドロン国で高値で取引される治療薬。だが国民が全員豊かな暮らしが出来るほどの収益は上げられない。
そこで、国王夫婦はドロン国への移住計画を進めていた。
当初人間国に、治療薬の製造方法と薬草の栽培方法に国土を買い取ってもらいそのお金で移住しようと考えていた国王夫妻。人間国と交渉すると、人間国は安く買い叩こうとした上に1年間無料で一定数の治療薬を納める事を条件に付け加えた。
王は島に戻ると国民を集めて会議を開いた。
「人間国の要求は酷かった。買取金額は安い。一定量の薬を納めろ。
移住したばかりの忙しい時期に、ただ働きなどしている余裕はないし、あんな安い金額では移住金の足しにもならない。人間国へ移動するだけでも結構経費がかかるのに、新生活に必要な土地等の費用を考えると全然足りない。こちらの足元を見て不利な条件を出されとても不愉快だった。こんな国に今まで所属していたとはな。
我々ハーク国は人間国からドロン国へ所属を変えよう。所属変更の手続きはほぼ完了していて、後は皆の賛同を得て署名をした書類を提出するだけなんだ。皆の人生がかかっているからね、皆の意見も聞かなくては。」
王の話を聞いていた国民全員、ドロン国への移住に賛成した。
「人間国に所属していたって何の恩恵もありませんでした。薬の売買もドロン国の人々が相手でしたし。」
「人間国の首都は遠すぎます。ドロン国なら目の前ですし移動にお金はかかりません。移動費用がない分家等の準備金に使う事が出来ますね。」
「家も安くても我々で改修すれば良いですよ。余裕が出るまでは固まって暮らして住居費を節約すればいいですしね。」
「船を扱える我々は漁をして食料を補充できるから、飢え死の心配もないです。」
国民達の声を聴いて王も王妃も嬉しそうに微笑んだ。
「ありがとう、皆。ドロン国の移住手続きと物件探しを第1王子のトークに任せたいと思う。トーク、よろしくな。」
「はい、父上。ドロン国には漁師の組合があります。組合に加入できるように話をしておきます。」
「トークありがとう。デューンは薬の納品と買出しを頼む。ハンセナ夫妻も一緒に行ってデューンを補佐してくれ。」
頷いたデューンとハンセナ夫妻。
「では、今回の海の魔物が眠る”安寧日”はトークとキエトにバイオレットは所属変更の手続きと物件探しに漁師の組合の訪問。デューンとハンセナ夫妻は買出しと治療薬の納品。デューンは初めての納品と買出しだからな。ハンセナ夫婦、デューンの事をよろしく頼むよ。」
”安寧日”皆に見送られて3隻の小さな船がドロン国へ向かって出発した。
「デューン様、夜までに船に戻らないと島へ帰れなくなってしまいますからね。ドロン国であまりウロウロなさらないようにしませんと。薬を売って食料を買ったらすぐに船に戻りますよ。」
「分かってるよ、全く俺だってもう30歳なんだぞ。そんなウロウロなんてしないよ。」
「そうなんですけどねえ、なんせ国王夫妻もトーク様にも可愛がられて育ってるから、どうも我儘な所があるというか。そうだろ、エレナ。」
「そうよね、ドロイ。トーク様も10歳も下の弟だからって甘やかしていらしたし、国王夫妻も遅くに出来た子供だからって我儘を言っても何もおっしゃらないし。
そろそろ誰かと結婚しても良い年ですよ。トーク様は18歳で結婚なさって20歳の時にはもうバイオレット様が生まれていらしたんですから。そのバイオレット様も20歳でご結婚。
ドロン国に移住したらきっといい出会いがありますから頑張って下さいね。」
30歳にもなったデューンだが、不貞腐れたような顔になると黙り込んだ。
ドロン国に着くと、トーク達は先に漁協組合に行くと言うので港で別れる。トーク達を見送るとデューン達も薬を売りに行った。薬を売り食料や日用品の買出しを終えて、大量の荷物を持ち一度港へ戻ってきた3人。船に乗せるとハンセナ夫妻が乗り込んだ。
「ああ、やっぱりドロイに任せてデューン様は私と一緒に待ってましょうよ。」
「大丈夫だったら、甘いお菓子類を買ったらすぐに戻るから。まだお昼前なんだしたっぷり時間はあるよ。それに買うだけならそんなに時間は掛からない、心配性だな。」
「ほら、エレナ。グダグダ言って時間を無駄にしたら駄目だ。デューン様、時間だけは気を付けてください。遅いようなら探しに行きますからね。」
「分かった、分かった。じゃ行ってくるね。」
デューンは2人に見送られて街に戻っていった。近道をしようと路地に入ると幼い女の子と女性達を連れた男達がいた。
「ああ、まさか王がアイツを殺すだなんて。俺も王に売ろうと思っていたがこれじゃだめだ。」
「俺もあんたから買った2人を連れて別の国に渡る予定だよ。港がある国で良かったよ。お前はどうするんだ。」
「俺も別の国に行く予定さ。妖精の子供だぞ、絶対高く売れる。この契約書があれば何でもゆう事を聞かせられるしな。」
笑っている男達は挨拶をすると別れていった。デューンは何も聞こえていなかったかのように、妖精の子供を連れた商人の横を通り過ぎる。
「落としましたよ。これ、いらないんですか。」
振り返った商人がかがんだ瞬間、毒薬を商人の口に突っ込んだ。
「ううっ、お前何を飲ませたんだ。」
すぐに商人の顔は青ざめ額には脂汗が浮き出てきた。
「即効性の毒薬だよ。妖精に命令できるだなんて、そんな凄い話を聞いたら黙って見過ごすわけにいかないだろ。この毒の解毒剤が欲しければ妖精をよこせ。急がないと毒が全身に回って死ぬぞ。」
何かを言おうとする商人。だがデューンにお腹を蹴られて声が出ない。
「ああ、妖精に命じて俺を襲わせても無駄だよ。さあ、早くしろよ。まあ、お前が死んだらそのまま妖精を持っていくだけだけどな。」
死んだら契約が破棄され妖精が解放される事を知らないデューン。商人は本当に殺されると感じたのか痺れてきた口を必死に動かして、なんとか”譲渡”と言った。契約者の名前が商人からデューンへと書き換わる。
様子を見ていたデューンは念の為確認する。
「妖精、小さな風を起こして見せて。」
妖精が小さな風を起こす。それを見て満足げに笑うと妖精と契約書を抱えて船へと戻っていった。
嬉しそうにほくそ笑みながら歩いているデューン。
「解毒剤なんて渡すわけないじゃないか。口封じするつもりだったのに。
妖精を手に入れるだなんてなんて運が良いんだ。これで移住なんかしなくても島に残って豊かな暮らしが出来る。皆大喜びするぞ。お父様達もきっと俺を褒めてくださるな。いつも兄貴ばかり頼りにしているけれど、今度からは俺ばかり頼りにされちゃうなあ。兄貴も俺の事を見直してあれこれ指図しなくなるだろうな。」
デューンが小さい女の子を連れて戻ってきたのを見てギョッとした顔をしているハンセナ夫妻。
「その子は一体どうしたんですか、デューン様。その子を両親に返さないと。」
「大丈夫だよ、良いから急いで帰るよ。」
すぐに船に飛び乗り女の子をのせるとあっという間に島へと向かっていってしまったデューン。慌ててハンセナ夫妻も追いかける。
「なんて事をしているのよ。一体、あの王子何をしたのかしら。不安だわ。国王夫妻やトーク様が甘やかすからあんな男に育ってしまったのよ。」
「ああ、俺はいつかあいつは何かやらかすと思っていたよ。小さな子を誘拐するだなんて最悪だ。もし国王夫妻がアイツの味方をしたら3か月間俺達であの子を守ってやって”安寧日”にドロン国へ逃がしてやろう。」
「そうしましょ、本当に何をどうやったらあんな馬鹿な男に育つのかしら。しかも未だにバイオレット様の事が好きで忘れられなくて結婚もしないし。」
「ほんとになあ、好かれてないし迷惑がられているのに気が付かない。ドロン国へ移住したらバイオレット様達は2人で別の場所で暮らすそうだよ。トーク様は残ると仰っていたがね。」
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