異世界行ったら人外と友達になった

小梅カリカリ

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エルフの国【ツリー】

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 霧が消えると目の間に、レオとマリーがいた。
「見て瑠璃さん。良い香りで綺麗でしょう?この蔓【ツリー】の周囲を囲っているの。」
 薔薇のような香りの小さな花をつけた蔓が左右にずっと伸びている。
「うわー、素敵。幻想的で綺麗ですね。」

 うっとりと眺める瑠璃にレオが苦笑い。
「この蔓はね、エルフが魔法で操って攻撃したり縛ったりして使うんだよ。
火に燃えず、寒くても凍らず、剣は通さず、千切れないんだ。」
「綺麗で強い、素晴らしい・・・・・・。 その上、子供の高い高いに使えそうですね。」

 3人で門の方へ向かって歩くと門番が立っていた。エルフの門番を見てショックを受け固まってしまう瑠璃。

「ん、どうしたの瑠璃さん。大丈夫だよー。ポンさんは優しいからね。
エルフって人間に似てるから平気かと思ったんだけど。」
 人間に似ているからこそショックを受けているようだ。イケメンでもダンディーでもない、普通のおじさん、しかもぽっちゃり、耳は確かに尖っているがそれ以外はイメージとは全然違うポンさん。瑠璃の中の幻想がぽろぽろと崩れ去っている音が聞こえてきそうな顔をしている。

「うん、大丈夫です。夢は消えました。」
「そう、なんだか聞かないでおいた方が良さそうだね。じゃ、行こう。」

「こんにちは、ポンさん。今日はマリーと瑠璃さんと一緒にカールに会いに来たんだ。瑠璃さんは【ツリー】初めてなんだよ。」
「こんにちは、瑠璃です。初めて【ツリー】を訪問しました。素敵な花の門ですね。」
「こんにちはレオ、マリーさん。瑠璃さん【ツリー】へようこそ。
ありがとうございます。この門は素敵だと言われて人気なんですよ。初めての訪問なら【世界樹】を是非見て下さい。とても壮大で美しいんです。
【ツリー】と言えば【世界樹】ですからね。【ツリー】を楽しんで下さい。」

 門を抜けると、奥の方に世界樹がそびえたっている。大きすぎて上の部分が見えないがとても雄大な風景に、しばらく無言で見つめる。
「こんなに大きい樹は初めてみます。生命が満ち溢れていて、神聖な感じがしますね。」
「うん、いつ見ても圧倒される。」
「2人とも、遅くなっちゃうから明日ゆっくりみましょう、行くわよ。」

 友人の家に向かって、さっさと歩いて行くマリーに2人とも駆け足でついていく。
「ここが、友人カールの家なの。私達と違って【ツリー】は石の家なのよ。
森の中にあるのに、蔦の家とか葉の家とか木の上で暮らすとかじゃないのよ。」
 不満げに言うマリーにレオは笑っている。
「マリーは本当に自然が大好きなんだよ。石だと自然って感じが薄いからなあ。」

 その時、扉が開いて背の高い美形エルフの男性が出てきた。
「2人がじゃれてて呼び鈴ならすの忘れてると思って、優しい俺が開けてあげたよ。
 初めまして、君が瑠璃さんだね。オレはカール。
可哀想に疲れているのに立ちっぱなしで、骸骨はほっといて中に入って。」

 美形、町に入って初めての美形が出てきて興奮する瑠璃。
「初めまして、瑠璃です。カールさんよろしくお願いします。お邪魔します。」

 美形エルフに惹かれたのかレオとマリーを忘れて中に入っていく瑠璃を慌てて追って入ってくる。
「ちょっとカール、僕たちを忘れないでよ。」
 忘れていたのは瑠璃、気づいていないレオがカールに文句を言う。マリーは苦笑している。

「さあ、紅茶とケーキをどうぞ。瑠璃さんが気に入ってくれると嬉しいな。」
 あっさりとレオをスルーして、微笑んで瑠璃を見るカール。
「ケーキ、ケーキもあるんですね。甘いものは大好きですよー。」
 この世界で初めてのケーキを食べられる、美形カールの事は頭から消え、早く食べたいとマリーに視線で訴えている。

 カールがケーキに負けたのを見て、マリーは笑いながらレオを呼んでお土産を渡す。
「これ、瑠璃さんと僕たちからのお土産だよ。とても貴重な異世界のお菓子なんだ。コッチにはないからね。後で皆で食べようね。」
「凄いな、初めてだよ。こんなに貴重で大切なものをありがとう。
この恩は一生返しきれないな。本当にうれしいよ、飲み会の時に皆で食べよう。」

「さあ皆座って、このケーキはね、食堂で働いているリンちゃんが作っているんだよ。
普通の料理じゃなくてケーキとかを作る料理人なんだ。ちょっと訳ありだけど良い子なんだ。」
「とても可愛いケーキね、楽しみだわ。訳ありって? 聞いても良いのかしら。」

 マリーが食べて、ほほ骨が満足げにあがるのを見て、早速瑠璃も食べるみる。
「美味しい、サッパリとした軽い甘さにふわふわの生地、これなら3個位食べれそう。」
 食べ終わった瑠璃は、さりげなくお代わりを催促している。マリーとレオのケーキはもうない。
 唯一ケーキが残っていたカールが笑いながらケーキを差し出した。
「気に入ってくれたみたいだね。僕はいつでも食べられるから瑠璃さんどうぞ。」
「カールさん優しいんですね。ありがとうございます。」
 ゆっくりと味わいながら食べている瑠璃は放って、3人の真面目な話が始まっていた。
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