きっと

ルビー

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第3章

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 あの事件から、1週間がたち、千秋の事件は、ワイドショーを総なめにした。
 千秋は、ママハハに育てられ、自分の母親のことをいつも悪く言われて育ち、幼い頃から、この小さな町では、いつも、何をしても、母親のことがバレてしまう環境であった。千秋自身、母親の記憶もなく、母親の事を言われるとただ、自分の存在が邪魔なもののように、いらないもののように、捨てられる自分に、耐えられないようになっていったのが、犯行の動機であった。でも、その奥には、ハルトの母親と、自分の父親は、愛人関係にあるのでわないか、その事を千秋は、調べていたのだというのだ。ハルトと、千秋の父親の関係はどうなのか。
 ハルトの父親は、その記事を見た時、全身怒りでふるえた。
 とても綺麗で明るく、優しい母親の本当の正体のように見えた。もし、他人の子供を今まで育てて来たみたいな記事にワイドショーに怒り狂いそうになるのでした。(早く私の妻が目を覚ましたら、わかること。)
 今日は、ハルトの退院の日である。
「お世話になりました。」
父親があいさつをする。
「ハルト君よかったわね。もう、退院。」
「これから、大変と思うけどかんばってね。」
看護をして下さった方々の優しい言葉がハルトを元気づけてくれました。
「ハルおめでとう。迎えに来たの。きっと荒れてると思ったから。カイと一緒にきたの。」
「ありがとう、あすなちゃん。お父さんは、お母さんのそばにいてるから。ショウジさんが、2日前に退院して、今日から家にいてくれてるから安心して入れるけど、当分の間は、外出禁止だから。もう少しで、ショウジさんが迎えにくるからそこで待ってなさい。」
 「あすな、俺な千秋と異母兄弟みたいなこと、週刊誌に書かれてるの知ってたか。」
「週刊誌は、売れてなんぼだから、売れるネタは、何でもかくよ。」
「千秋に、好かれてるんじゃなくて、すっごくしつこく恨まれてるんだよ。」
「図書館行こうぜ。確か新聞とかあるんじゃない。」
「ネットで、新聞みれるよ。」
こんなことをいいながら、ショウジの迎えの車が来た。
「あの、坊ちゃん、昨日の事です。私が
旦那様に呼ばれて、奥様のICUの看護の交代にお伺いした時、いったん旦那様がお帰りになられて、私があの日から奥様の変わり果てた様子見ていると、奥様の目が開き、ほほ笑まれたのです。旦那様にお伝えしたのですが、ありがとうと言うだけで・・・。」
「看護師さんに言ったのですか。」
「はい。」
看護師さんが、
「何度か、目を覚まされますよ。意識は、正常ですね。もうすぐしたら、お話出来るようになりますよ。って言ってました。」
「ショウジさん、それ本当。」
「きっと、日にち薬ですよ。」
「良かった。」
ハルトは、嬉しさのあまりに涙が出て止まりませんでした。
「ハルト、後で話があるんだ。ハルトには、もっと早く言うつもりでいたんだけど、色々あったから。」
「なんだよ、カイらしくないじゃないか。」
「うん。」
ハルトの家についた。
警察のテープがまだ貼られていた。警官の1人が近づいてきた。
「表玄関からの出入りと、シャワールーム、リビング、表玄関、ワイナリーの出入りは、控えて下さい。
シャワールームじゃなく、バスルームをお使い下さい。 リビングは、使用不可なので。何か対処方法をお考え下さい。」
「いったい、いつまでですか。」
「確認でき次第お伝えします。」
裏口に回り家に入ると、応接室にお祝いの用意があった。ショウジの気遣いだ。
「ショウジさん、ありがとうございます。今までで、1番嬉しい。」
「坊ちゃんは、ほとぼりが冷めるまでの辛抱ですよ。」
応接室のソファに腰掛け天国から地獄に落ちた1週間を恐ろしく思った。
「うわー、すごい。」
あすなが喜んだ。カイは、息をのんだ。
「すげー。」
「遠慮なく食べてな。」
時間だけが、どんどん過ぎた。
「私、いったん家に帰るから。」
あすながちょっと家に帰った時、カイから切り出した。
「ハルト、俺とあすなちゃん付き合うことになったから。」
「えっ。」
バッコーン ハルトは、カイを殴った。
「いってぇ。てめぇ。」
カイと、ハルトの殴りあいが続いた。2人とも、ふらふらになるまで殴りあった。
「はぁ。はぁ。お前、俺病み上がりやぞ。」
「病み上がりのやつが殴りかかってくるか。」
「俺のあすなをお前、取る気か。」
「選ばれたのは、俺だ。」
「このヤロー。」
「ワハッハァー。」
「大事にしてやれよ。」
2人の顔は、男前台無しの顔になっていた。








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