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22話 以前との違い2
しおりを挟む「さてと、ここからは俺もほとんど来たことがねーからな。基本的には、今までと変わらず、出会った魔物を狩りつつ、次の層に降りるための階段を探すって感じで行くか」
六層へ降り立った俺は、七層へ向かうための階段を探すために歩き出す。
「おっ、そうそう、ここから出てくるゴブリンは、棍棒を持ってるんだったな」
歩き出して少しして、俺は4体のゴブリンを見つけた。そのゴブリンと今までのゴブリンとで違う点は、武器を持っているかどうかだ。武器といっても1メートル程の木の棍棒を持っているだけだが、以前の俺には十分それだけで脅威となるものだった。
「以前の俺だったらだ。今見ても、特に怖さは感じねーな」
「グギャア!」
俺に気づいたゴブリンは、俺に向かって威嚇の声を上げながら一斉に襲いかかってくる。
「まだ素手でいくか」
その攻撃を避けつつ、ゴブリンの顔目掛け、拳と蹴りを入れていく。
パァン!
ゴブリンは断末魔を上げる暇なくその命を散らし、すぐにあと一体となる。
「よし、とりあえず、この棍棒でダメージを喰らうのかどうかだな」
「グギャア!!」
仲間がやられた事で怒ったのか、先ほどよりも大きい声をあげながら、手に持つ棍棒を俺の頭目掛け振り下ろす。
グシャ!
俺はダメージを受けると思いきや、潰れたのはゴブリンの棍棒の方だった。
「はぁ、これでもダメージは0か」
棍棒が潰れたことに驚くゴブリンの顔を潰し、倒した俺は呟く。今狩ったゴブリン達は全て小さな魔石へと姿を変える。俺はその魔石を全て拾った。
「武器を持ってても、魔石の大きさは変わらないんだな。ゴブリンはゴブリンだから、魔石が変わらないのか?」
そんな事を思いつつも、拾った魔石を、腰につけてあるポーチにしまう。
「そういえば、今のステータスはどんなんだ?」
ステータスの確認を忘れていた俺は、ステータスを確認するために、心の中でステータスと呟く。
名前 四ノ宮 翔 レベル8→9
職業 ハンター (AGI+5 DEX+5)
HP850/850→900/900 MP310/310→340/340
STR 210→240 VIT 210→240 AGI 210→240 (+5)
DEX 210→240(+5) INT 210→240
ー状態ー
祝福
ーユニークスキルー
反転
ー称号ー
祝福されし子 スライムハンター
ゴブリンスレイヤー
「おっ、ここまでの道のりでレベルが一つ上がったのか。このくらいでレベルが上がるなんて、変異種ゴブリンの経験値が残ってたのかもな。それにしてもステータスの上がり具合に俺はついてけないわ。この前までオール1だったんだぜ?それが1つレベルが上がるだけでオール30上がり、HPに関しては50上がるとか、どう受け止めていいのか分からねーわ」
もう一度ステータスに目を通す。
「ゲームでは普通、1つレベルが上がったとしても、そいつの就いてる職業だとか、そいつに決められてるステータスの上昇値によって、ステータスはバラバラに上がっていくのがほとんどだ。だけど、俺のステータスはオール30上がっている。まぁ、祝福の効果的に、これは祝福のおかげとみていいだろう。だから俺はもう素直に喜ぶとするわ。これで、悠人に近づくことが出来るか?
あいつのステータスが全くわからないせいで、俺のステータスがどのくらいなのか、ステータスの上昇値として、オール30はどうなのかとか、全く分からねーからな。もしかしたら俺のステータスは激弱の可能性もある、ステータスの上昇値ももっと上かもしれないからな。油断はできねー。もとよりステータスの弱い俺だ、こんなんで満足してたら、簡単に他の奴らに負けそうだ」
俺は気合いを入れ直し、行動を再開する。
「反転」「反転」「反転」
出会う魔物、ゴブリンを、反転を使いながら狩っていく。そこで俺はある違和感に気づいた。
「あれ?反転って、何回使えるんだ?今確認したステータスの画面でもMPは減ってないみたいだしな。それでも使えるってことは、MPを使用しないスキルってことになる。つまり、実質無限に使えるってことになるんじゃねぇーか?」
俺はとんでも無いことに気づいてしまったかもしれない。
「はぁ、反転ってまじでチートすぎないか?まぁ、強い分にはもういいか、気にせずいくことにしよう」
この日、何回目になるかもわからない溜息を吐きつつ、違う獲物を求め歩き出す。
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