30 / 73
30話 上位種6
しおりを挟む「グギャア!」
俺がゴブリン達を仕留めている間に、近くまで迫ってきていたジェネラルは、その体に見合う大きな大剣を振り上げた。そして、そのまま大きな大剣を振り下ろす。
「ッ!仲間諸共やるつもりか!!」
俺の周りには、まだゴブリン種がいる為、ジェネラルが大剣を振り下ろすことはないと思っていたのだが、その予想は外れ、ジェネラルは仲間諸共、俺を殺しにきた。それだけ、俺の存在を脅威に思ったのかもしれない。
(反転(盾))
「グギャッ!」
俺はすぐさま反転を使い、振り下ろされる大剣を弾く。弾かれるとは思っていなかったのか、ジェネラルは驚いた顔をした。
シュシュシュ!!
大剣を弾くと共に、残っていた8匹のホブゴブリン、ゴブリンを一息に狩った後、俺を正面から見据えるジェネラルと向かい合った。
残りは、3体のアーチャーと3体のメイジ、ジェネラルだけだ。
俺は、大剣を弾いたことで体勢の崩れていたジェネラルの首を狙い、古びたナイフを横に振る。
「グギャッ!!」
そのまま、首を飛ばせると思ったが、流石ジェネラルなだけあるのか、ジェネラルは持っていた大剣を盾にする。
「だが、関係ないな」
俺の持つ古びた剣には、切れ味0→なんでも切れるナイフに反転している為、鉄の塊であろう大剣ですら切り裂く。
「グギャア!!」
ジェネラルが盾として使った大剣は、俺の古びたナイフによって抵抗なく切り裂かれ、そのまま勢い止まる事なくジェネラルの首を飛ばす事になった。
「よし、ッ!反転(盾)」
ジェネラルを仕留めた瞬間を狙ったのか、俺に向かって矢や魔法が飛んできた為、それらを弾き飛ばす。
「お前らもこれで終わりだ」
「ッ!グギャ!」
俺が弾き返した矢や魔法を、またしても避けたアーチャーやメイジだったが、反転(跳)によって一瞬で距離を詰めた俺に反応することは出来ず、俺が3度古びたナイフを振るった事でゴブリン軍団は殲滅された。
「ジェネラルとはいえ、ゴブリン種だからこのくらいか。おっ、お宝が出てる!」
倒したジェネラルのいた場所には、いつもと同じ、いかにもといった宝箱が存在していた。
「さーてと、中には何が入ってるんだ?」
宝箱を開くと、そこには緑色の液体が入っている瓶があった。
「あー、これポーションだ。これもダンジョンというか、ファンタジーの定番だよな。宝箱でよく当たるものNo.1だ。俺も既に2本持っているし。なんだ、ハズレか」
少し残念な気持ちになったものの、俺はポーションをポーチに入れ、魔石集めを始める。
「おっ、これはメイジの杖か!ゴブリン種のドロップ品とか珍しいな。それにメイジの杖なら高く売れるぞ」
魔石を集めていると、メイジのいた場所に杖が落ちていた。通常、強い魔物ほど、その素材や宝箱をドロップする。
そのため、魔物の中で最弱種と呼ばれるゴブリン種やスライム種がドロップするのは珍しい。俺も1年潜ってきたダンジョン探索で、ゴブリン種が何かをドロップするのはこれで3度目だ。
1度目は、ゴブリン種が落とすアクセサリー、ゴブリンのお守り、2度目は、ゴブリンの棍棒。そして3度目が今回のメイジの杖だ。
1度目は、初めて探索した日に出た。あれが普通だと思っていたが、その後調べまた結果、あれはたまたまついていただけだった。
ただ、ゴブリンのドロップ品は珍しいが、その効果は低い為、珍しい事以外に利点はほとんどない。ただ、初心者冒険者が少しでもステータスをあげようと買うことがある様なので、需要はなくはないと言った所だ。
特にメイジの杖はINTに補正がかかる為、魔法を主体で戦う冒険者が、初期に買う為の装備として、これだけは需要が大きい為、それなりの値段になる。それを知っていたいたため、俺は喜んだ。
「これを売るためには、冒険者にならないとな。これもいい機会か、十層まで潜ったし、一度政府公認のダンジョンに潜りに行くか」
新しい予定を立てつつも外はもう夜なため、俺は急いでフロアボスのいる層のその奥に向かった。
フロアボスの奥には、次の層へと進む為の扉が存在する。そしてその扉の横に、地上へと戻る為の転移陣があると、本に書いてあった。そして、俺のいるフロアボスも例外でなく、扉の横に転移陣があった。
「これが地上へと戻れる転移陣か、うっすらと光ってるな」
この転移陣は、フロアボスを倒す前は光っておらず、たとえその上に乗ったとしても地上に戻ることはない。フロアボスを倒す事で、やっと地上へと戻ることができる。また、フロアボスのいるフロアに存在する扉も、フロアボスを倒す事で開く様になっているそうだ。
つまり、フロアボスを倒すことが出来なければ出ることは出来ないということだ。
「よし、帰るか」
俺は光る転移陣の上に乗る。その瞬間、辺りを光が埋め尽くす。
「ッ!ここは、倉庫か」
光が収まると、周りの風景が見慣れたものに変わっていた。
「これが転移か、ファンタジーでは、酔うものもあったが、特に酔いはないな。これは便利だな」
転移陣の便利さを理解した後、俺はいつもの様に食事や入浴など、必要最低限のことをやって、眠りについた。
57
あなたにおすすめの小説
ハズレスキル【地図化(マッピング)】で追放された俺、実は未踏破ダンジョンの隠し通路やギミックを全て見通せる世界で唯一の『攻略神』でした
夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ちだったユキナガは、戦闘に役立たない【地図化】スキルを理由に「無能」と罵られ、追放された。
しかし、孤独の中で己のスキルと向き合った彼は、その真価に覚醒する。彼の脳内に広がるのは、モンスター、トラップ、隠し通路に至るまで、ダンジョンの全てを完璧に映し出す三次元マップだった。これは最強の『攻略神』の眼だ――。
彼はその圧倒的な情報力を武器に、同じく不遇なスキルを持つ仲間たちの才能を見出し、不可能と言われたダンジョンを次々と制覇していく。知略と分析で全てを先読みし、完璧な指示で仲間を導く『指揮官』の成り上がり譚。
一方、彼を失った勇者パーティは迷走を始める……。爽快なダンジョン攻略とカタルシス溢れる英雄譚が、今、始まる!
異世界帰りの英雄は理不尽な現代でそこそこ無双する〜やりすぎはいかんよ、やりすぎは〜
mitsuzoエンターテインメンツ
ファンタジー
<これからは「週一投稿(できれば毎週土曜日9:00)」または「不定期投稿」となります>
「異世界から元の世界に戻るとレベルはリセットされる」⋯⋯そう女神に告げられるも「それでも元の世界で自分の人生を取り戻したい」と言って一から出直すつもりで元の世界に戻った結城タケル。
死ぬ前の時間軸——5年前の高校2年生の、あの事故現場に戻ったタケル。そこはダンジョンのある現代。タケルはダンジョン探索者《シーカー》になるべくダンジョン養成講座を受け、初心者養成ダンジョンに入る。
レベル1ではスライム1匹にさえ苦戦するという貧弱さであるにも関わらず、最悪なことに2匹のゴブリンに遭遇するタケル。
絶望の中、タケルは「どうにかしなければ⋯⋯」と必死の中、ステータスをおもむろに開く。それはただの悪あがきのようなものだったが、
「え?、何だ⋯⋯これ?」
これは、異世界に転移し魔王を倒した勇者が、ダンジョンのある現代に戻っていろいろとやらかしていく物語である。
【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜
KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。
~あらすじ~
世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。
そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。
しかし、その恩恵は平等ではなかった。
富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。
そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。
彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。
あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。
妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。
希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。
英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。
これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。
彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。
テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
ダンジョン発生から20年。いきなり玄関の前でゴブリンに遭遇してフリーズ中←今ココ
高遠まもる
ファンタジー
カクヨム、なろうにも掲載中。
タイトルまんまの状況から始まる現代ファンタジーです。
ダンジョンが有る状況に慣れてしまった現代社会にある日、異変が……。
本編完結済み。
外伝、後日譚はカクヨムに載せていく予定です。
現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!
おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。
ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。
過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。
ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。
世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。
やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。
至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!
備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
Sランクパーティーを追放された鑑定士の俺、実は『神の眼』を持ってました〜最神神獣と最強になったので、今さら戻ってこいと言われてももう遅い〜
夏見ナイ
ファンタジー
Sランクパーティーで地味な【鑑定】スキルを使い、仲間を支えてきたカイン。しかしある日、リーダーの勇者から「お前はもういらない」と理不尽に追放されてしまう。
絶望の淵で流れ着いた辺境の街。そこで偶然発見した古代ダンジョンが、彼の運命を変える。絶体絶命の危機に陥ったその時、彼のスキルは万物を見通す【神の眼】へと覚醒。さらに、ダンジョンの奥で伝説のもふもふ神獣「フェン」と出会い、最強の相棒を得る。
一方、カインを失った元パーティーは鑑定ミスを連発し、崩壊の一途を辿っていた。「今さら戻ってこい」と懇願されても、もう遅い。
無能と蔑まれた鑑定士の、痛快な成り上がり冒険譚が今、始まる!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる