現代ダンジョンで成り上がり!

カメ

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34話 冒険者登録4

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その後、冒険者の男は、数人のギルド職員を呼び、若い男達を連れて行った。話を聞くと、あの若い男達には罰が与えられるらしい。その罰については教えてもらえなかった。

(まぁ当然か、たとえ相手が冒険者でも、ナイフを抜いたんだ、それにスキルも上乗せしたやつ。「滅堕罪者機関 獅子」に1発行きじゃない所の方が驚きだ。それだけ冒険者は貴重って事なのか)

ちなみに、「滅堕罪者機関 獅子」とは、警察の、対冒険者になった機関の事だ。基本的に堕罪者や冒険者関係に関わる事件には獅子が出てくる。噂には、獅子の上層部には、また別の名前の機関があるなどとされているが、真偽は定かではない。

「皆、何度も何度もすまなかったな」

冒険者の男が、俺たち受験者に頭を下げる。するとその中の1人が、質問を投げかけた。その人は女性だった。

「ああいう人は結構いるんですか?」

「そうだな、さっきの高校生のような、自分に力があると信じ、自分こそが特別だと思う奴らは一定の数はいるな。厨二病の延長線だと思えば良い。ただ、ナイフを抜くような馬鹿は久々に見たな。それにスキルを持っていたのもタチが悪い。俺のスキルと相性が良かったからいいものの、もしあれが違う奴に向けられてたら最悪死ぬこともあっただろうな。もしそんな事になれば、獅子達によって最悪は死罪だからな。お前達も力を持っている恩恵を受けている代わりに、その力を悪用などしてみろ、あっという間に危険人物扱い、人権などがお前達を守ってくれるなんて思うなよ」

質問を投げかけた女性が、少し怯えた表情を見せる。それ気付いた冒険者の男は、明るく言う。

「まっ、そんなのも滅多にない。そんな事をするメリットがないからな。それにダンジョンの中では女性も、男と遜色のない力を手に入れる事だってできる、あんな馬鹿な男達を片手であしらえるくらい、強くなれば良い。それに基本1人じゃない、信頼できる仲間を集めることも肝心だぞ」

「はい!ありがとうございます!」

冒険者の言葉に、受験者の女性の顔は明るくなり、元気よく返事をした。

(こういう人がいる事が知れた事は良かったな。ろくな冒険者に出会った事がないからな、あの龍撃の槍の人も、態度は普通だったが、勝手にステータスのことを話されからな。いい印象ないな)

そんな事を考えている間に、冒険者の男はダンジョンの中に入っていき、先頭からどんどんダンジョンの中に入って行ったので、俺もそれに続く。

(町田ダンジョンの中に入るのは初めてだな。日野ダンジョンや家のダンジョンと同じだろうか)

ダンジョンの中に入ると、もはや見慣れた光景が広がっていた。受験者の中には、その光景を見て、おぉーと感嘆の声を上げるものもいた。

(やっぱり、ダンジョンはダンジョンだな。中には洞窟型の様な形式ではないダンジョンもあるにはあるらしいが、ほとんど洞窟型だって話だからな)

多少でこぼこした地面の上を、慣れたように歩く。周囲の声を拾うと、慣れていないものにとったら、中々に歩きづらいもので、歩くのに苦戦しているみたいだった。

「受験者の君達には、慣れないかもしれないが、もし何かあれば遠慮なく近くにいる冒険者を頼ってくれ」

冒険者の男が、後ろを振り返ると共にそう言う。

(今時、整備されていない道の方が珍しいからな。俺も最初の頃、出てくる魔物の対処にも困ったが、足場の悪い所を何時間も歩くストレスや、実際にかかる足への負荷も、それなりに大変だったな)

ダンジョンの中を進む事少し、俺達の前に1匹のゴブリンが現れた。

「今から冒険者試験を行う。受験番号の低いものから順に、ゴブリンを相手取って貰う。どんな方法でも良い、ゴブリンを狩る事が出来るか出来ないかが、合格か不合格の基準だ。つまりゴブリンを狩る事ができたら合格だ」

冒険者の男がそう言うと、それを皮切りに、受験番号の1番を持つ、20代前半の男がゴブリンの前に出る。その体は少し震えているように見えた。

(意外と年が上だな。冒険者っていうのは、高いステータスを持つ→冒険者になるという2つのステップと比較的簡単になれるから、皆10代だと思っていたが、大人になってから冒険者になろうとする者もいるんだな。それにしても、高いステータスを持っているだろうに、そんなにゴブリンが怖いんだろうか?まぁ普通に生きててあんな生物と出会うこともないか、客観的に見て、あんな緑の化け物を狩らないといけないって相当怖いのかもな)

そんな事を思いつつ、受験番号1番の男がゴブリンと戦うのを見ていた。

「い、行くぞ!はぁー」

男は自前のロングソードを抜き、剣を振り上げながら、ゴブリンに向かっていく。ゴブリンも、そんな男を見ているだけではなく、自分からも距離を詰めていく。するとお互いの距離はあっというまに近くなる。

その瞬間、男は振り上げていたロングソードをゴブリン目掛けて振り下ろす。

ザクッ!

一層のゴブリンにその攻撃が避けられるはずもなく、その音と共に、ゴブリンは魔石を残して消えて行った。

「はぁー、緊張した」

受験番号の男は、胸に手を当てながら、ほっと息をついていた。

(もっと戦えると思っていたが、誰だって戦闘なんて初めてだ。正面からゴブリンと戦えるだけでも十分か)

ステータスの高い者がなる冒険者というイメージの強い俺は、ゴブリン1体倒すのも一杯一杯という姿を見て、少し落胆の気持ちも芽生えたが、何事も初めは不慣れかと自分を納得させた。

その後も、次の相手となるゴブリンを探しに行き、見つけ次第、受験番号の低い者たちからゴブリンに挑んでいく。不細工な戦いになるものもいたが、高いステータスのおかげか、ゴブリンの一撃をもらう者がいても、特に怪我はなく、誰1人としてゴブリンを倒せないものなどいなかった。

(ここら辺は流石というか、ステータスオール1で、レベルの低い頃の俺なら、ゴブリン相手でも1発であの世だからな)

中には戦闘の心得、とはいっても剣道や空手といったものだが、それを習っているおかげか、スムーズにゴブリンを狩るものもいた。

(よく考えたら、この人達はまだレベル1なんだよな。それで問題なくゴブリンを倒せるなら、レベルが上がる事での、ステータスの上がり幅を考えれば、冒険者になる資格を与えるのも変じゃないか)

ゴブリンを狩れれば冒険者!という事に少し違和感を覚えたりもしたが、よく考えてみれば妥当かという意見になり、自分の順番になるまで、受験者達がゴブリンに向かう様を観察していた。
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