現代ダンジョンで成り上がり!

カメ

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70話 フリーパスダンジョン10

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「よし、準備出来た。芽依は平気そうか?」

 模擬戦後、かいた汗を拭き、新しい服に着替えた俺と芽依は、ダンジョン探索中にお腹が空かないようにご飯を食べながら休憩を取り、時間が10時を過ぎた頃になった為、ダンジョンに潜ることにした。

「平気」

 芽依を見ると、冒険者スタイルの格好になっていた。

「よし、なら行くぞ」

「うん」

 俺達は近所の人達にフリーパスダンジョンの存在を知られない様に、最新の注意を払って倉庫の中に入る。

 俺と芽依がダンジョンの入り口に立つと、目の前に、ステータスを確認する画面と似た、薄いガラスの様な物が現れた。

「おぉ、本当に出るんだな」

「昨日は出なかった、なんで?」

 俺と芽依はそれぞれ別の感想を溢す。

「これは、使用したことのある転移陣に、地上からアクセスするためのもので、複数人いる場合、その全員が行ったことのある階層の転移陣の場所しか選択できない。俺は、昨日の時点で10層の転移陣を利用できたが、芽依は登録している転移陣はなかったろ?だからそもそも選択する必要がなく、このボードも出てこなかったってわけだ」

 俺の説明に、芽依はなるほどと言って頷く。

「てことは、今日は15層からダンジョン探索出来るってこと?」

「ああ、そういうことになるな」

「ッ!」

 俺の言葉に芽依の目が輝く。

「それ素敵、強い敵が私を待ってる」

「はは、それなら早く行くか」

「うん」

 芽依の言葉に思わず笑ってしまいながら、俺はボートを操作して、15層へと転移する。

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「やっぱり、急に景色が変わる転移はまだ慣れないな」

「うん、不思議」

 そんなことを話しながら、16層へと繋がる階段を降りていく。

「さーてと、16層ではどんな敵が現れるのか、楽しみだな」

 俺の言葉に、芽依が勢いよく頷く。

「うん、楽しみ。強いとなお良い」

「ああ、そうだな」

 俺と芽依が16層に降り立ち、少しすると、この層に生息する魔物と出会った。

「ウワォン!」

「ウォン!」

 その魔物は、ふさふさの体毛を持ち、耳がピンと立ち、俺たちからは立派な犬歯が見える。

「16層の相手はコボルトか」

「ゴブリンよりは強そう」

 そう、16層の魔物はゴブリンなどに並ぶファンタジーでは定番であるコボルトだった。

といっても、ファンタジーの漫画で良くあるデフォルメされている様な可愛い姿ではなく、凄く敵意を剥き出しにしてくる怖い犬の様な見た目をしているため、とても怖い。

 そんなコボルト三体が俺達に対して、牙を向きながら威嚇してくる。その手には刃渡15センチ程の剣が握られている。

「こう、ファンタジーでは意外と可愛い表現の仕方をすることもあるコボルトだが、実物は可愛さとか同情とかも感じないくらいには怖いな。近所にいるなぜか怒り狂って吠えてくる犬にそっくりだ」

 俺の言葉に芽依が同意した後、軽く笑った。

「ふふ、本当にそう」

「ウワォン!!」

 俺と芽依が話していると、そんな俺達に痺れを切らしたのか、コボルト達が一斉に俺達に対して掛けてくる。

「来るぞ、ゴブリンよりも遥かに俊敏性があるな」

「うん、でも遅い」

(芽依の言う通り、ゴブリンと比べると俊敏さは桁違いだが、俺たちからするとまだまだ遅い。その為、決して対処することは難しくない相手だ)

 俺達とコボルトとの距離が近づいてきた矢先、コボルト達が跳躍し、上から手に持つ剣を振り下ろしてくる。

「ッ!なるほど、俊敏性が高いのは確かな様だ」

「ここは私に任せて」

 上から襲いかかってくるコボルトに対して、芽依が一歩前に出る。そして背負っていた大剣を一振り。

 それだけで、空中に浮かんでいたコボルト達の体と首は別々に分かれてしまった。

「俊敏性があるのはいいことだけど、それが3体とも跳んだら、良い的になるのは必然、コボルトは馬鹿?」

「確かにその通りだな。まぁ、今の層くらいならこのくらいじゃないのか?」

 俺達はコボルト達が落とした魔石を拾うと、次の獲物を探して足を進める。


「おー、あのコボルトかなり体格がいいな」

 コボルトの相手をしながら進むこと18層、俺達は新しい相手と対峙することとなる。

「本当だ。見た目は強そうに見えないことはない」

 俺達から見える先には、普通のコボルトが1.5m程度だとすれば、2mは身長があり、かつ筋肉がぼこぼこと隆起しているのが見えるくらいムキムキな、ナックルをつけたコボルトと、紫色のローブと杖を装備した怪しいコボルトらしき物がいた。

「なんで魔法使いって、私魔法使いですって格好をするんだろうな?あんなの狙ってくださいって言っている様なもんだろ?」

「さぁ、魔物の考えていることは分からないけど、人間だって同じ」

「それもそうか」

 俺は芽依の言葉に同意しながら、相手の情報を芽依と共有する。

「あのムキムキなコボルトは、コボルトウォーリアー、それで魔法使いですって格好のやつはコボルトマジシャン。マジシャンの方はまだコボルトの魔法使い版だから、特別強い魔法は使えないと思うが、一応注意してくれ。見た所、コボルト12、ウォーリアー2、マジシャン1って所か?それと、なんかブラックウルフみたいな気配の読みづらい奴がにもにもいる。下のやつは、多分コボルトシーフだと思う。頭に入れておいてくれ」

「分かった」

俺の言葉に芽依が頷く。

「それじゃあ行くぞ、特に作戦なんてない。真っ向勝負だ」

「いい、そういうの好き」

俺と芽依は、コボルト達が気づく前に駆け出す。
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