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イケメンの逆襲? 2
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お互いに準備万端にして待ち望んだ土曜日がやってきた。
私の部屋にやってきたつかさくんは、そわそわと落ち着きがない。
落ち着かないのは私もなんだけど。お互いに、どちらから言い出すか、じりじりと距離を測っているという感じだ。
私は台所でいれてきた紅茶をつかさくんの前に置くと、思い切って切り出してみた。
「あ、あのね、つかさくん。私、やっぱり色々考えたんだけど……」
「……やっぱなしとか言うなよ」
「い、言わないよ! そうじゃなくて、あの、これ、使って欲しいなって」
言いながら私は、あらかじめ雑貨屋さんで買っておいたアイマスクをつかさくんに差し出した。
「は、え? 目隠しプレイって。お前、最初からそんな高度なプレイを……」
アイマスクを見たつかさくんは引いていた。
そりゃそうだよね。初えっちで女子のほうからこんなもの出されたら引くよね……。
「えっと、いちいち俺に了承なんて取らなくてもいいんじゃないかな。恵がつけたいならつければいいと思う」
「ホントに? ありがとう!」
私はアイマスクの封を切って中身を取り出すと、つかさくんの頭に被せた。
「って、付けんのは俺かよ!」
「えっ? でもいいって言ったよね?」
「お前が付けて俺に好きなようにさせてくれるんじゃないのかよ!」
つかさくんの言葉に、私はぶんぶんと頭を振った。
「無理。無理無理。何言ってるのつかさくん。私の体はつかさくんみたいにきれいじゃないんだよ。お腹とかふとももとかぷにぷにしてるし。だからつかさくんが付けてくれなきゃ服脱げない」
「ふざけんなよくそ恵」
つかさくんはドスの効いた声でアイマスクをむしりとると、私にぐっと接近してきた。
至近距離に来たつかさくんのきれいな顔に、どくんと心臓が音を立てた。
怒る美形の迫力まじやばい。語彙力貧困だからやばいしか出てこないって言うくらいやばい。
「お前、幽体離脱中に俺の裸、見たよなぁ」
「はい!」
見ました。滅茶苦茶えろかったです。ごちそうさまです。
「じゃあ次は俺の番だと思わないか? 男子高校生の性欲舐めんなよ? 俺だって恵の裸が見たいんだよ」
「だからそれは無理なんだって!」
私はつかさくんを押し返すため、思いっきり手を突っ張った。
「うわっ」
つかさくんの体がよろめく。その隙に私は距離を取り、服を胸の前でぎゅっとかきあわせると宣言した。
「絶対嫌! つかさくんがアイマスクしてくんないと今日はしない!」
しばしの間私たちはにらみあった。
「どうしてもダメか?」
「ダメ!」
「…………」
「…………」
ややあって、がくりとつかさくんはうなだれた。
「…………今回だけだからな」
簡単に妥協してしまうつかさくんは、ちょっとチョロいんじゃないかと思う。
私の部屋にやってきたつかさくんは、そわそわと落ち着きがない。
落ち着かないのは私もなんだけど。お互いに、どちらから言い出すか、じりじりと距離を測っているという感じだ。
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「あ、あのね、つかさくん。私、やっぱり色々考えたんだけど……」
「……やっぱなしとか言うなよ」
「い、言わないよ! そうじゃなくて、あの、これ、使って欲しいなって」
言いながら私は、あらかじめ雑貨屋さんで買っておいたアイマスクをつかさくんに差し出した。
「は、え? 目隠しプレイって。お前、最初からそんな高度なプレイを……」
アイマスクを見たつかさくんは引いていた。
そりゃそうだよね。初えっちで女子のほうからこんなもの出されたら引くよね……。
「えっと、いちいち俺に了承なんて取らなくてもいいんじゃないかな。恵がつけたいならつければいいと思う」
「ホントに? ありがとう!」
私はアイマスクの封を切って中身を取り出すと、つかさくんの頭に被せた。
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「えっ? でもいいって言ったよね?」
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「無理。無理無理。何言ってるのつかさくん。私の体はつかさくんみたいにきれいじゃないんだよ。お腹とかふとももとかぷにぷにしてるし。だからつかさくんが付けてくれなきゃ服脱げない」
「ふざけんなよくそ恵」
つかさくんはドスの効いた声でアイマスクをむしりとると、私にぐっと接近してきた。
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怒る美形の迫力まじやばい。語彙力貧困だからやばいしか出てこないって言うくらいやばい。
「お前、幽体離脱中に俺の裸、見たよなぁ」
「はい!」
見ました。滅茶苦茶えろかったです。ごちそうさまです。
「じゃあ次は俺の番だと思わないか? 男子高校生の性欲舐めんなよ? 俺だって恵の裸が見たいんだよ」
「だからそれは無理なんだって!」
私はつかさくんを押し返すため、思いっきり手を突っ張った。
「うわっ」
つかさくんの体がよろめく。その隙に私は距離を取り、服を胸の前でぎゅっとかきあわせると宣言した。
「絶対嫌! つかさくんがアイマスクしてくんないと今日はしない!」
しばしの間私たちはにらみあった。
「どうしてもダメか?」
「ダメ!」
「…………」
「…………」
ややあって、がくりとつかさくんはうなだれた。
「…………今回だけだからな」
簡単に妥協してしまうつかさくんは、ちょっとチョロいんじゃないかと思う。
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