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ユミとセイヨクオバケ
しおりを挟むユミは社会人になったことをきっかけに、今年から都内のワケあり物件に一人暮らしすることになった。
その物件では、かつての住人が何人も亡くなっているという。それも全て自殺。リビングのど真ん中に、大きな黒いシミがある。
初めて部屋に入ったとき、少し空気が重たく感じた。しかし、特に困ったこともなく、普通に生活していた。
就職から半年が経ち、仕事にも慣れてきた。職場の人間関係も良好で、ここで長く続けられそうだと思った。
その日もいつも通り、仕事が終わると真っ直ぐ帰宅した。部屋に入ると(今までは感じなかったが)、人の気配のようなものを感じた。風呂場からかな?と思い、恐る恐る近づいた。するとそこには全裸の男が立っていた。足は無かった。私は驚きのあまり声を上げながら、後ろに倒れてしまった。
その男の霊はこちらに気づき「ヤラセテクダサイ」と言った。最初は言葉の意味を理解できなかった。「ど、どういう、ことですか?」怯えながらそう言った。霊は自らの隆起させた股間を触りながら、また同じことを言った。
聞くと、その男の霊は女性との性交を経験せずに亡くなったという。そして未練が残った霊は成仏されずに彷徨っていたという。
最初は怖さと気持ち悪さがあったが、その霊の話を聞く中で、同情が芽生える自分がいた。
その霊の願いを叶えられれば、彼は成仏されるのかと思い、着ていた衣服を全て脱いだ。さすがに自分のベッドで性交をするのは気が引けたので、風呂場に入って霊のペニスを握った。霊は恍惚な表情を浮かべた。おそらくこうして女性に触られたのは初めてなのだろう。固く勃起したペニスを、膣に入れた。霊はその後、すぐに"果てて"しまった。受け入れて温かくなった膣を手で触ってみた。べたつくことはなかったが、生ぬるい感覚が私の手を包んだ。あまりに早くイッてしまったので笑いそうになったが、霊は満足した表情を浮かべていた。そして、霊は「アリガトウゴザイマシタ」と言い、消えて逝った。
それからというもの、私の部屋には性欲を持て余したまま死んだ霊が集まってきた。愛されることのなかったペニスたちを愛撫し、彼らを成仏させていった。
引っ越して一年が経とうとした頃、私は日々の「作業」に疲れてしまった。果てなき欲望を叶え続けることが困難になっていった。お金もある程度貯まってきたので、別の家に引っ越すことにした。
新居はとても住み心地が良かった。職場で出会った彼氏もできた。ある日その彼と一夜を過ごすことになった。睦言を交わし、彼のペニスを膣に入れた。彼は「あれ?」と言った。私の膣はもはや緩みきっていて、彼のペニスを包み込むだけの圧力を持っていなかった。彼は「あれ、処女だよね?」と言った。
「そうだよ。1人でし過ぎちゃったの」と冗談混じりに答える。
「嘘ではない。これまで経験したのはみんな死人だから勘定しない」と心の中では自分に言い聞かせながら、「こっちの口でいい?」と彼のペニスを口に含んだ。彼のものは私の口内で激しく射精した。
そして2人はしばらく抱き合っていた。
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