財産が無ければ不要と離縁されました。でも、そのおかげで大切な人と一緒になれました

甘海そら

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後日談2:友人の恋路

14、その後

 ヘルミナの暮らす屋敷は、さすがに以前のものとは違った。
 
 住環境の充実度はもちろん、客人への対応にも優れている。
 多数の客間があれば、50人ばかりが楽しめる大広間もあった。

 その大広間だ。
 今日、初めての活用の日を迎えていた。
 ヘルミナとルクロイ、その学院時代の知り合いが集まれば、和やかな時間を過ごしている。
 何故、このような場が設けられることになったのか?
 その理由はと言えば、

「……何故だ?」

 席に着いているカシューだ。
 彼が首をかしげて呟けば、ヘルミナは苦笑を向けることになる。

「いえ、何故ということは無いかと思いますが」

「まぁ、そうなのですが……ふーむ。正直、何やら腑に落ちないと言うか」

 そんな彼の隣には彼女の姿があった。
 イブリナが眉をひそめてカシューをにらみつける。

「何が腑に落ちないよ。良い加減に認めなさいな、みっともない」

「いや、認めてはいるさ。しかし、学院時代を思い出すと、イブリナ殿が私の妻というのは……」

 そうしてカシューは首をかしげているが、ともあれそういうことだった。

 イブリナとカシューが正式に婚約した。
 
 この場はそれを祝ってのものだった。

「しかしまぁ、分かるって言うかな。正直、俺も違和感がある」

 この場には当然のことギネスもいるのだが、彼は腕組みで首をかしげていた。
 そして、それはヘルミナの夫もだった。
 あごをさすりつつに苦笑を浮かべている。

「本当、学院時代を思い出すとなぁ。でも、どうだい? 不満があるってわけじゃないんだろ?」

 カシューは首をかしげたままで頷く。

「あぁ、腑には落ちないんだが、しっくりはくる。なんでだ?」

 ルクロイは笑って応じる。

「ははは、さぁて。まぁ、お似合いってことじゃないかな? だろ?」

 同意を求められて、ヘルミナもまた笑みで頷く。

「はい。そういうことになるかと」

「……ふーむ。そうでしょうかな? まぁ、そうなのだろうかなぁ」

 カシューの戸惑いはともかく、宴会は進んでいく。

 その一幕だった。
 ヘルミナはイブリナと2人きりになる機会を得れば、笑顔で問いかけることになった。

「それで、いかがですか?」

 イブリナは首をかしげてくる。

「それって、カシューと婚約してってこと?」

「はい、もちろん」

「そうねぇ。正直、変な感じよ?」

「変ですか?」

「だってカシューだもの。婚約者にはなったけど、あまり妻って感じはしなくて」

 ヘルミナは笑みを浮かべることになる。

「でしたら、すでに学院時代から今日のことは決まっていたのかもしれませんね」

「えーと?」

「すでに当時から夫婦のようなものだったのかと」
 
 イブリナは苦笑をヘルミナに返してくる。

「だったら、結婚っていうのも夢がないわね。ときめきも何もあったもんじゃない。でも……やっぱり違うわよ? 私は今はね。やっぱりアイツのことを支えようと思ってるから。守ってやりたいって思ってるから」

 そうして、彼女は笑みを細めた笑みを見せてきた。
 その先にはヘルミナの姿は無い。
 ルクロイを始めとする友人たちに囲まれるカシューの姿にある。

「……お幸せですか?」

 イブリナはカシューを見つめたままで頷きを見せた。

「えぇ。貴女のおかげでね。本当に……うん。ありがとうね」

 ヘルミナはほほ笑んで首を左右にする。

「いえいえ。お役に立てたようでなによりです」

 あとは言葉は無かった。
 2人で穏やかに夫とその友人たちを見つめる時間が続いた。
感想 16

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みんなの感想(16件)

penpen
2021.09.26 penpen

…?   / ̄ ̄\
    /  〇・ >
   /   ε  │
  /    〇・ >
 (つ_と\__/
  ∪ ∪
という状態の男性陣( ´艸`)プップップッ

2021.10.02 甘海そら

感想ありがとうございます。
男性陣はまだ少年成分が6割ぐらい含まれていますので。

解除
とまとさん
2021.09.26 とまとさん

良かった、雨降って地固まるですね。

2021.10.02 甘海そら

感想ありがとうございます!
丸く収まって一安心です。

解除
penpen
2021.09.24 penpen

カオス(´゚д゚`)

2021.09.25 甘海そら

感想ありがとうございます!
ちょっと時間が必要な感じです(苦笑)

解除

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