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09.同級生に懐かれる
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それからも敦貴は、皇祐に構っていた。
休み時間には、真っ先に皇祐のところにやってくる。学校が終わると、一緒に帰るため皇祐の前に現われた。お互いの予定がなければ、二人でどこかに寄ってから家に帰る。そんな日常だ。
嬉しくないわけではなかったが、他の人たちの目が気になった。
彼には、たくさんの友だちがいる。それなのに、皇祐が傍にいる時は、誰も敦貴に話しかけない。そうなるのは、自分のせいだということは重々承知していた。だから理由をつけて、なるべく距離を置こうと必死だった。
***
「コウちゃーん」
昼休み、中庭のいつものベンチに座っていると、遠くから大きく手を振る敦貴の姿が見えた。
手を振り返さなくても、彼は駆け寄ってくる。
「待っててって言ったのに、先に行くんだもん」
そして、断りもなく、皇祐の隣に座るのだ。
「あれー? 今日、お弁当なんだねー」
「ああ、新しい使用人が決まったから……」
「しようにん?」
通じなかったようで、敦貴は怪訝そうな表情をしながらパンの袋を開け、ぱくりと食らいついた。
「お手伝いさんだよ。食事を作ったり、洗濯とか掃除したり、家のことをしてくれるんだ」
「すげー、そんな人いるのー? 母ちゃんも欲しいって言ってたよ。もう弁当作りたくないって、いっつもオレに怒るからさー」
「弁当? 今は持ってきてないの?」
「ああ、オレ、昼前に食べちゃうから、昼になったらもうないの。朝食べても、すぐお腹空くんだよねー」
今も、片手におにぎりを持ちながら、三つ目の蒸しパンを食べ終えようとしている。食べる量もすごいが、スピードも早かった。
敦貴は、学校に食事をしに来ているかのように、いつも何かを口にしていた。しかも、帰宅途中も買い食いをしたり、店に入って何かを食べたりする。一人で食べるのは嫌だからと、毎回付き合わされる皇祐は、大変な思いをしていた。彼の胃袋がどんな風になっているのか、想像がつかない。
休み時間には、真っ先に皇祐のところにやってくる。学校が終わると、一緒に帰るため皇祐の前に現われた。お互いの予定がなければ、二人でどこかに寄ってから家に帰る。そんな日常だ。
嬉しくないわけではなかったが、他の人たちの目が気になった。
彼には、たくさんの友だちがいる。それなのに、皇祐が傍にいる時は、誰も敦貴に話しかけない。そうなるのは、自分のせいだということは重々承知していた。だから理由をつけて、なるべく距離を置こうと必死だった。
***
「コウちゃーん」
昼休み、中庭のいつものベンチに座っていると、遠くから大きく手を振る敦貴の姿が見えた。
手を振り返さなくても、彼は駆け寄ってくる。
「待っててって言ったのに、先に行くんだもん」
そして、断りもなく、皇祐の隣に座るのだ。
「あれー? 今日、お弁当なんだねー」
「ああ、新しい使用人が決まったから……」
「しようにん?」
通じなかったようで、敦貴は怪訝そうな表情をしながらパンの袋を開け、ぱくりと食らいついた。
「お手伝いさんだよ。食事を作ったり、洗濯とか掃除したり、家のことをしてくれるんだ」
「すげー、そんな人いるのー? 母ちゃんも欲しいって言ってたよ。もう弁当作りたくないって、いっつもオレに怒るからさー」
「弁当? 今は持ってきてないの?」
「ああ、オレ、昼前に食べちゃうから、昼になったらもうないの。朝食べても、すぐお腹空くんだよねー」
今も、片手におにぎりを持ちながら、三つ目の蒸しパンを食べ終えようとしている。食べる量もすごいが、スピードも早かった。
敦貴は、学校に食事をしに来ているかのように、いつも何かを口にしていた。しかも、帰宅途中も買い食いをしたり、店に入って何かを食べたりする。一人で食べるのは嫌だからと、毎回付き合わされる皇祐は、大変な思いをしていた。彼の胃袋がどんな風になっているのか、想像がつかない。
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