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14.好きな子
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敦貴と友だちになってからは、ほとんど彼と一緒にいた。
休み時間はもちろん、昼休みもいつもの場所に集まり、2人でお昼を食べた。
放課後は、皇祐の塾や習い事のある日以外は、共に過ごす日々だ。
他人といることが、こんなにも居心地がいいと感じたのは敦貴が初めてだった。
喋ることは得意じゃないのに、敦貴となら何でもいいから話をしたいと思う。
会えない日は、何をしているのか気になって、傍にいたいと願うのだ。
***
「ねえ、コウちゃんって、好きな子いる?」
敦貴の突然の話題に少し驚いて、お弁当のご飯が喉に詰まりそうになった。
「いないけど……」
「オレ、気になる子がいるんだ。美咲ちゃん」
クラスメートの小さくて可愛らしい子だ。どちらかというと騒ぐようなタイプではなく、おとなしいイメージがあった。
高校生活に慣れてきたせいか、クラスの中では誰のことが好きだとか、誰と誰が付き合っているとか、いわゆる恋の話で盛り上がっていることが多い。
皇祐にとっては無縁の話だと思っていたが、敦貴はそうではなかったようだ。
「いつもさ、美咲ちゃん、購買でパンをたくさん買うんだけど食べ切れなくてオレにいつもくれるの」
「そうなんだ」
「めっちゃ優しくない?」
「優しいね」
「この間は、お菓子もくれたんだよ! しかも限定の!」
「そうか」
珍しくお昼のパンを口にすることも忘れて、興奮気味に話す敦貴が微笑ましかった。
「なんかさ、好きな人ができたら告白した方がいいって言われたんだけど、ねえ、告白ってどう言えばいいの?」
「僕もしたことないからわからないけど、自分の気持ちを伝えればいいんじゃないかな」
「いつもパンやお菓子くれてありがとう、って?」
「何か違う気もするけど。まずは、そういう気持ちを伝えるのもいいかもね」
左手にアンパン、右手にジャムパンを持ち、交互に食べながら、敦貴はうーんと唸っていた。
勉強のことなら、いくらでも教えてあげることができるが、恋の話は聞くことしかできない。
胸の辺りがズキズキと痛んだ。
敦貴のために何かしてあげたいのに、自分は無力だと感じていた。
休み時間はもちろん、昼休みもいつもの場所に集まり、2人でお昼を食べた。
放課後は、皇祐の塾や習い事のある日以外は、共に過ごす日々だ。
他人といることが、こんなにも居心地がいいと感じたのは敦貴が初めてだった。
喋ることは得意じゃないのに、敦貴となら何でもいいから話をしたいと思う。
会えない日は、何をしているのか気になって、傍にいたいと願うのだ。
***
「ねえ、コウちゃんって、好きな子いる?」
敦貴の突然の話題に少し驚いて、お弁当のご飯が喉に詰まりそうになった。
「いないけど……」
「オレ、気になる子がいるんだ。美咲ちゃん」
クラスメートの小さくて可愛らしい子だ。どちらかというと騒ぐようなタイプではなく、おとなしいイメージがあった。
高校生活に慣れてきたせいか、クラスの中では誰のことが好きだとか、誰と誰が付き合っているとか、いわゆる恋の話で盛り上がっていることが多い。
皇祐にとっては無縁の話だと思っていたが、敦貴はそうではなかったようだ。
「いつもさ、美咲ちゃん、購買でパンをたくさん買うんだけど食べ切れなくてオレにいつもくれるの」
「そうなんだ」
「めっちゃ優しくない?」
「優しいね」
「この間は、お菓子もくれたんだよ! しかも限定の!」
「そうか」
珍しくお昼のパンを口にすることも忘れて、興奮気味に話す敦貴が微笑ましかった。
「なんかさ、好きな人ができたら告白した方がいいって言われたんだけど、ねえ、告白ってどう言えばいいの?」
「僕もしたことないからわからないけど、自分の気持ちを伝えればいいんじゃないかな」
「いつもパンやお菓子くれてありがとう、って?」
「何か違う気もするけど。まずは、そういう気持ちを伝えるのもいいかもね」
左手にアンパン、右手にジャムパンを持ち、交互に食べながら、敦貴はうーんと唸っていた。
勉強のことなら、いくらでも教えてあげることができるが、恋の話は聞くことしかできない。
胸の辺りがズキズキと痛んだ。
敦貴のために何かしてあげたいのに、自分は無力だと感じていた。
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