【完結】はじめてできた友だちは、好きな人でした

月音真琴

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17.はじめてのキスはどんな味?

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 皇祐は、敦貴の部屋に来ていた。
 初めて敦貴の部屋に入ったが、けっこう片づけられていることが意外に思えた。
 皇祐が来るから掃除をしたと言っていたけど、それにしても物が少ないのか、きれいになっている。

「適当に座っていいよ。福田が言うにはさ、はじめてのキスは、どちらかの家の方がハードル低くていいんだって」
「そうなんだ」

 敦貴は、ジュースと山盛りになったお菓子をテーブルの上に置いた。そして、皇祐が座っている隣に来て、即座にお菓子を口に頬張る。

「コウちゃんも、食べていいよ」
「ありがとう。だけど、彼女とキスする前に、お菓子は食べない方がいいんじゃないのか? いや、あまり気にしなくていいのかな」
「あっ! そうだよね。えー、じゃあ、キスする前って何も食べちゃいけないの? それとも歯磨きしてから? 面倒だな」
「福田くんは何て?」
「聞かなかった。でも、ファーストキスはイチゴの味がしたとか言うよね」
「そうなんだ。イチゴを食べたらいいのか?」
「今、イチゴないよ。あ、このチョコはイチゴ味だけど。これ食べたらいい?」
「今回は練習だから本当にするわけじゃないだろ。彼女とする時は、イチゴを用意したら?」
「そうする~」

 そう言って敦貴は、再びお菓子を口の中に頬張る。
 皇祐は少し緊張していた。今、自分で言ったように、練習で本当にするわけじゃない。だが、経験がない以上、どうしていいかわからなくて落ち着かなかった。
 ふと、敦貴と視線が交わってしまい、思わず俯いてしまう。

「あ、もう練習する?」
「敦貴がしたいなら」
「そうだよね、早く練習しちゃって、ゲームしたい」

 おもむろに敦貴は、皇祐と距離を縮めてきた。

「肩を掴めばいいのかな? 頬に手を添えるとか?」
「わからないよ……」
「福田に聞いておけば良かったかな。むかつくけど」

 むすっとした顔をして、皇祐の肩を軽く掴む。その瞬間、びくっと身体が跳ねてしまった。

「ごめん、痛かった?」
「そんなことはない」

 じっと、皇祐の目を見つめてくるので、皇祐も敦貴の目を見返した。
 いたたまれない。この後、どうすればいいんだ。
 何もしなくていいと言われたが、この時間を持て余していた。混乱しながら、心臓が高鳴っている。

「コウちゃん」
「はい」

 裏返った声を出していた。練習なのに、なぜこんなにも緊張するのか。

「キスする時って目瞑るらしいけど、瞑ったらどこに唇があるかわからないよ」
「そう、だよな」

 思うように呼吸ができなくて、苦しくなる。

「じゃあ、コウちゃんだけ目瞑ってみて」
「うん……」
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