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20.二人だけの時間
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昼休みは、二人だけになれる唯一の時間だ。
中庭でゆったりとお昼を食べる。
だけど、この日は敦貴と二人にはなりたくなかった。
彼女との報告を聞くのは、今の皇祐には酷なこと。だからといって、敦貴といられないのも嫌だから複雑だ。
敦貴は購買部に行っているから、中庭には先に来ていた。
食べるのが早い敦貴に合わせるため、皇祐はさっさと食べる準備を始める。
いつもの決まったベンチに座り、お弁当箱を開けた。今日は、皇祐の大好物のちくわの磯辺揚げが入っている。
使用人に、お弁当のおかずで何が好きか聞かれて答えていたが、きちんと覚えてくれていたようだ。
即座に口へ運ぶと、皇祐の好みの味が広がり、喜びに満たされる。
「えー、そんなに美味しいの?」
購買部から戻ってきた敦貴は、弾けるような笑顔を見せた。それだけで胸がいっぱいになった。
さっきまでは敦貴と二人になりたくないと考えていたのに、その思いはいつの間にか消えてなくなっている。
「コウちゃん、すごい嬉しそうな顔しながらもぐもぐしてたよ。いいなー」
隣に座った途端、皇祐の弁当箱を覗いてくる。
「何か食べたいものある?」
「んー、今日はいいや。コウちゃんのなくなっちゃうし」
ニッと笑った後、大きな口を開けて、たまごたっぷりのサンドイッチにかぶりつく。
皇祐は、彼女の美咲のことを話題に出した方がいいか迷っていた。
友だちなら、そういう話で盛り上がるはずだ。きっと敦貴も喋りたいだろう。
経験はなくても、敦貴の話を聞くことはできる。今までもそうだった。
しかし、自分の気持ちに気づいてしまった以上、平然とした態度で聞いていられるか自信がなかった。
普通の友だちがどういうものかもよく知らないのに、好きという感情を持っているとさらに難しくなる。
もともと人付き合いは苦手で、友だちも必要ないと思っていた。そのせいで今、自分を苦しめている。
「コウちゃん、お弁当食べないの? 全然減ってないよ」
「ああ、あまり食欲がなくて」
「そうなの? じゃあ、そのウインナーもらってもいい?」
「いいよ、好きなの食べて」
お弁当を差し出せば、目を輝かせてほくほく顔になった。
「ありがとう。玉子焼きも食べたい。コウちゃんちのおいしいんだもん」
「うん」
先ほど食べなかったのは、我慢して遠慮していたのだ。
美味しそうに食べる敦貴の姿を独り占めできる。
皇祐にとって至福の時間だった。
中庭でゆったりとお昼を食べる。
だけど、この日は敦貴と二人にはなりたくなかった。
彼女との報告を聞くのは、今の皇祐には酷なこと。だからといって、敦貴といられないのも嫌だから複雑だ。
敦貴は購買部に行っているから、中庭には先に来ていた。
食べるのが早い敦貴に合わせるため、皇祐はさっさと食べる準備を始める。
いつもの決まったベンチに座り、お弁当箱を開けた。今日は、皇祐の大好物のちくわの磯辺揚げが入っている。
使用人に、お弁当のおかずで何が好きか聞かれて答えていたが、きちんと覚えてくれていたようだ。
即座に口へ運ぶと、皇祐の好みの味が広がり、喜びに満たされる。
「えー、そんなに美味しいの?」
購買部から戻ってきた敦貴は、弾けるような笑顔を見せた。それだけで胸がいっぱいになった。
さっきまでは敦貴と二人になりたくないと考えていたのに、その思いはいつの間にか消えてなくなっている。
「コウちゃん、すごい嬉しそうな顔しながらもぐもぐしてたよ。いいなー」
隣に座った途端、皇祐の弁当箱を覗いてくる。
「何か食べたいものある?」
「んー、今日はいいや。コウちゃんのなくなっちゃうし」
ニッと笑った後、大きな口を開けて、たまごたっぷりのサンドイッチにかぶりつく。
皇祐は、彼女の美咲のことを話題に出した方がいいか迷っていた。
友だちなら、そういう話で盛り上がるはずだ。きっと敦貴も喋りたいだろう。
経験はなくても、敦貴の話を聞くことはできる。今までもそうだった。
しかし、自分の気持ちに気づいてしまった以上、平然とした態度で聞いていられるか自信がなかった。
普通の友だちがどういうものかもよく知らないのに、好きという感情を持っているとさらに難しくなる。
もともと人付き合いは苦手で、友だちも必要ないと思っていた。そのせいで今、自分を苦しめている。
「コウちゃん、お弁当食べないの? 全然減ってないよ」
「ああ、あまり食欲がなくて」
「そうなの? じゃあ、そのウインナーもらってもいい?」
「いいよ、好きなの食べて」
お弁当を差し出せば、目を輝かせてほくほく顔になった。
「ありがとう。玉子焼きも食べたい。コウちゃんちのおいしいんだもん」
「うん」
先ほど食べなかったのは、我慢して遠慮していたのだ。
美味しそうに食べる敦貴の姿を独り占めできる。
皇祐にとって至福の時間だった。
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