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新婚旅行ですよ。僕が新婚旅行に行くなんて、予想していなかった。結婚式は挙げたけれど入籍はまだなので、このまま旧姓のパスポートで。帰国したらすぐ良い日を選んで入籍する予定だ。
羽田空港から、初めてのファーストクラスに搭乗。ラウンジで軽くおつまみとコーヒーを頂く。
機内に入ると、ウエルカムドリンクでシャンパーニュ。一人ずつくるまれるようなシートが、フルフラットになる。これは、長旅の疲れが少なくてすみそう。隣に座る大和さん、ちょっと仕切りがあるけど、顔は見えるし手も繋げる。一人ではとても緊張して無理だ。
「暖、ワインは控えめにね」
そう、初夜で気持ち良くなりすぎて、朝ゆっくり寝ていたから、昨日はほとんど何もしていない。食事もルームサービスで軽めにしたので、今飲み過ぎると気圧差もあって酔ってしまいそう。
機内食も素晴らしかった。しっかりとした陶磁器やガラスの食器で、コース料理として出てくる。ワインも美味しい。大満足。
今回の旅行は思い出のA国に滞在する。まずは中心部のホテルにチェックインして、ゆっくりアフタヌーンティーをしたり、観劇したり。
僕が通った日本人学校、大和さんの通った寄宿学校もちょっと見に行くつもり。博物館や動物園も。パブは子供の頃には入れなかったから、楽しみだな。
こちらのホテルは、部屋の狭いところが多いけど、スイートルームを予約してくれていたから、リビングが別にあって勿体ないくらいに広い。
明日の観光に向けて、ホテル内で食事を取って早めに休むことにした。
「うぁっ。懐かしい」
「本当に懐かしいな」
僕達は、お互いの学校を外からちょっと見学して、デパートにやって来た。有名なデパートで、僕も母と来た思い出がある。学校と共に懐かしみ、職場と家族にあげるお土産を購入した。
「大和さんもこのデパート来てたんですね」
「ああ。店構えが変わらないな」
楽しく買い物をして、今日はパブへ。黒いビールをのんで、フィッシュ&チップスを食べて、くだけた感じのお客さん達に混ざる。ホテルに歩いて帰るとくたくたで、すぐ寝てしまった。
そして、今日は動物園
「子供の頃の暖、天使のように可愛かった。目が大きくてキョロキョロ見回して、にこにこ明るかったね」
「そうですか?あんまり覚えてなくて」
「色が白くて、髪も自然な茶色で、今より細い髪質だった。今も染めなくて少しだけ茶色がかっているだろう?」
「そんなに覚えていてくれて、嬉しい」
「初恋だ。忘れないよ」
「僕も大和さんが初恋です。お付き合いした人も他に居ません。愛しています」
「嬉しいな」
楽しく遊んで、レストランへ。今日はイタリアン。好きなピザの具材、パスタの種類、趣味が合って楽しく頂いた。
最後に博物館へ。子供の頃よりも興味の幅が広くなったから、展示物が多すぎて見切れない。
「またいずれ来ればいいよ」
「そうですね。博物館、きっとなくならないですよね」
楽しい新婚旅行だった。こんな楽しい日常がこれからも続いていく。幸せだな。
「大和さん、僕と出会って、見つけて、愛してくれてありがとうございます。末長く一緒にいてくださいね」
「もちろん。暖もこれからまだ大変なこともあると思うが私を愛してほしい。私の愛する暖」
結婚式の誓いの時のようにゆっくりと重なる唇。永遠の愛を。
羽田空港から、初めてのファーストクラスに搭乗。ラウンジで軽くおつまみとコーヒーを頂く。
機内に入ると、ウエルカムドリンクでシャンパーニュ。一人ずつくるまれるようなシートが、フルフラットになる。これは、長旅の疲れが少なくてすみそう。隣に座る大和さん、ちょっと仕切りがあるけど、顔は見えるし手も繋げる。一人ではとても緊張して無理だ。
「暖、ワインは控えめにね」
そう、初夜で気持ち良くなりすぎて、朝ゆっくり寝ていたから、昨日はほとんど何もしていない。食事もルームサービスで軽めにしたので、今飲み過ぎると気圧差もあって酔ってしまいそう。
機内食も素晴らしかった。しっかりとした陶磁器やガラスの食器で、コース料理として出てくる。ワインも美味しい。大満足。
今回の旅行は思い出のA国に滞在する。まずは中心部のホテルにチェックインして、ゆっくりアフタヌーンティーをしたり、観劇したり。
僕が通った日本人学校、大和さんの通った寄宿学校もちょっと見に行くつもり。博物館や動物園も。パブは子供の頃には入れなかったから、楽しみだな。
こちらのホテルは、部屋の狭いところが多いけど、スイートルームを予約してくれていたから、リビングが別にあって勿体ないくらいに広い。
明日の観光に向けて、ホテル内で食事を取って早めに休むことにした。
「うぁっ。懐かしい」
「本当に懐かしいな」
僕達は、お互いの学校を外からちょっと見学して、デパートにやって来た。有名なデパートで、僕も母と来た思い出がある。学校と共に懐かしみ、職場と家族にあげるお土産を購入した。
「大和さんもこのデパート来てたんですね」
「ああ。店構えが変わらないな」
楽しく買い物をして、今日はパブへ。黒いビールをのんで、フィッシュ&チップスを食べて、くだけた感じのお客さん達に混ざる。ホテルに歩いて帰るとくたくたで、すぐ寝てしまった。
そして、今日は動物園
「子供の頃の暖、天使のように可愛かった。目が大きくてキョロキョロ見回して、にこにこ明るかったね」
「そうですか?あんまり覚えてなくて」
「色が白くて、髪も自然な茶色で、今より細い髪質だった。今も染めなくて少しだけ茶色がかっているだろう?」
「そんなに覚えていてくれて、嬉しい」
「初恋だ。忘れないよ」
「僕も大和さんが初恋です。お付き合いした人も他に居ません。愛しています」
「嬉しいな」
楽しく遊んで、レストランへ。今日はイタリアン。好きなピザの具材、パスタの種類、趣味が合って楽しく頂いた。
最後に博物館へ。子供の頃よりも興味の幅が広くなったから、展示物が多すぎて見切れない。
「またいずれ来ればいいよ」
「そうですね。博物館、きっとなくならないですよね」
楽しい新婚旅行だった。こんな楽しい日常がこれからも続いていく。幸せだな。
「大和さん、僕と出会って、見つけて、愛してくれてありがとうございます。末長く一緒にいてくださいね」
「もちろん。暖もこれからまだ大変なこともあると思うが私を愛してほしい。私の愛する暖」
結婚式の誓いの時のようにゆっくりと重なる唇。永遠の愛を。
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