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光台ガーデンビレッジへようこそ
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光台駅徒歩13分、徒歩圏内に学校、総合病院、スーパーあり!新しい生活を光台ガーデンビレッジで!中央には遊具の揃った公園も完備。春には桜が満開です。平屋の可愛らしい公民館でBBQもできます!残り僅か!ぜひ憧れの我が家をガーデンビレッジに建てましょう!!
駅から近い、何なら大規模マンションでも建てられるような広い宅地群が造成された。各住戸は坪数を広くとられ、駐車スペース2台可能、注文住宅建設可能。
夢のような宣伝文句に惹かれ、周辺物件より若干お高い価格設定にも関わらず若い家族がこぞって良い子育て環境を求め購入した。
そのうち並びの2軒に、5歳の長男のいる田中家、子供はまだの田村家が入居した。
両家ともベータ夫婦で共働き。直ぐに仲良くなった。両家には同時期同じ病院で同じく男児が産まれた。
田中 理人(りひと)、田村 千颯(ちはや)と名付けられた二人。お互いの家庭が何かと助け合い、旅行や行事を一緒に行ったので、兄弟のように育った。兄の弘人が病気になれば、理人が千颯の家に預けられ、千颯に妹の千菜が産まれるときには、千颯が預けられた。
ビレッジの中央公園で朝から夜まで良く遊び、互いの家でも遊んだ。幼稚園には、中央公園前で一緒にバスに乗って登園し、同じく帰ってきた。バスを降りても二人は公園で遊んだ。
「りっちゃん、きょうはなにしてあそぶ?」
「ちいちゃんのしたいことは?」
「おにごっこ」
歯が生えたのも、トイレトレーニングも理人が先んじると千颯も負けじと追い付いた。
小学校入学の際には、二人は色違いのランドセルを選び、手をつないで仲良く校門をくぐった。その姿は大変可愛らしく、両家の親は写真を撮りまくった。
入学式から戻ると、公園で二人並ばせ写真撮影。親もお互いを入れて写真撮影。名前順出席番号も前後の二人。仲良く登下校する様子に家族は安心していた。
入学後、二人ともスポーツ、勉強にと頑張り、テストは百点、リレーは選手、いつも競いあって精進した。
しかし、理人がどんどん背が伸びて大きく精悍になるのに対して千颯は小さく、お肌つるつる、ほっぺぷくぷくの可愛らしさが続いた。
努力もなしに一番を取れる理人に対して、負けじと頑張ってやっと二番を取れる千颯。悔しがる千颯に
「千颯はすごいね、頑張ってえらいね」
「理人の方ができてるじゃないか」
にこにこと褒める理人の姿があった。
地元中学校に入学。同じく学生服に身を包み、一緒に通う二人。部活は一緒の卓球部。背が低くても勝てる可能性がある。もちろん練習は手を抜かない。シングルスでは、4回戦負け。ダブルスは二人で組んだ。
「千颯は上手いな。すごいね。千颯のお陰で勝てたよ」
何かと褒め称えてくれる理人。そうかな、理人のプレーが良かったと思うのに。二人で都大会まで進めた。
中学三年、夏の部活引退の時期から塾に通う。もう進路を考えなければならない。千颯だって上位のクラスにいて頑張っているのに模試の偏差値では、理人が5から時には10も高い。全国上位の成績だった。
「なあ、お前らバース検査受けた?」
「まだだよ。きっとベータだし」
「でも田中、全国上位だろ?アルファかもよ。それにさ。隣のクラスにオメガって出たやついるらしいぜ。そうなると進学先変わってくるよな」
塾には耳年増だったり、進んでいる生徒がいる。早めにバース検査を受けているものがちらほら出ていた。
確かに、ベータ家庭出身で大したことない自分はベータだろうけど、理人はもしかしたらアルファかも知れない。それだと進学先が変わったり、アルファ専用特待生制度を使える場合だってある。
「ねえ。理人」
「なに?千颯」
塾の帰りに並んで歩きながら訊ねた。バース検査を受けない?と。これが自分たちの運命を変えるとは思いもしなかった。
ここで産まれて、小さいときから何度もお世話になっている総合病院。今日は初めてバース科を訪れた。
極めてプライベートな分野であるため、他の人とは出合わないように導線設計されている。本人のみ、未成年であれば本人と親のみが診察室に通される。
「千颯さんはオメガでした。まだホルモンの数値が低いので発情期の到来は先になると思いますが、念のためこの本を読んで、ネックガード、抑制剤、避妊薬の準備をしておくようにお勧めします。高校受験に関しても自衛手段の取れるところを念頭に考えることをお勧め致します」
母が隣に居てくれなければ、倒れていたかも知れない。またはショックで帰れなかった可能性だってあった。
小さい時から、勉強も運動も平均以上に出来ていた。性格もはっきりして物怖じしないし、背は伸びなかったけど自分がか弱く守られるような存在だとは考えもしなかった。
全能感に浸っていた幼児期には、むしろアルファだったらな、なんて思っていたし、最近はベータだろうと思っていた。ベータを確認しに行く、くらいの気持ちだったのに…。
自宅に帰り、部屋のベッドに籠って布団の中に潜り込んでいた。何も考えられなかった。
夕食を取らずじっとしていたら、いつもより早く父が帰宅し、妹が寝てから三人で話し合おうとドアの外から声をかけられた。夜、ノロノロと階下に降りる。
「お母さんね。千颯、オメガかも知れないって思っていたの。だって、すっごく可愛くて、お肌艶々で、周りの人からもかわいがられてモテていたでしょう?びっくりしたかも知れないけど、残念に思うことはないわ」
「そうだぞ。今は抑制剤もあって、オメガだからといって進学や就職が出来ないわけではない。千颯のやりたいことをして良いんだ。千颯はがんばり屋さんだから、絶対に幸せになれる」
「そうよ。進路を決める前に分かって良かった。設備の整った私立高校に行った方が良いわね」
公立と違って一部の私立高校には医師が常駐し、医務室や有事の際の隔離室や通報システムが完備され、バースに配慮した更衣室やトイレ、授業内容を用意しているところがある。それらの学校であれば、比較的安心して過ごせる。
「そうだね。進路が決まる前で良かったのかも。私立に絞って勉強するよ」
少しずつ落ち着いてきて、貰った本を読んで寝た。オメガでも人生を諦めなければいけないわけじゃない。僕は頑張る。
翌日は学校は休みであったが、塾の授業はあった。いつもは家の前に理人が迎えに来る。そういえば、理人の結果はどうだったんだろう。自分の事で一杯で、忘れていた。
「千颯、今日は休む?」
母が心配して聞いてきた。どちらにせよ理人には話すことになるんだろうし、早い方が良いか。
「行くよ」
「おはよう。千颯」
「理人、おはよ。ちょっとさ、話あるから。公園寄ろ」
小さい頃に散々漕いだブランコにそれぞれ座った。
「バース。オメガだった」
「そっか」
それきり話が続かない。
「理人は?」
「アルファ」
「あー。やっぱそっか」
「俺がアルファなら、それは千颯のためのアルファだ」
「え?」
「千颯を守るための」
「何だよそれ」
「ベータ家庭に産まれた、たいして力も無いアルファだ。でも千颯を傷つけるものから守りたい。同じ高校に行く」
「何でだよ。理人なら、公立の一番でも大学附属でも行けるだろ?僕は守られなくても大丈夫だ」
一旦話を終えて塾に行った。昨日の事など嘘のように今まで通り授業を受けて帰った。
月曜日登校すると、進路調査用紙が配られた。僕は、光台学院を第一志望に決めた。レベルが高い男子校でバースに配慮している。学費は高いが設備が充実していて、何より自宅から近く歩いて通える。第二希望は、電車で1時間。勉強頑張ろう。
田中家にて
「理人、進路調査書いたの?親の面談もあるんでしょう?知っておかないと困るわ」
「うん。これ」
「あら。学院が第一で良いの?」
「そう。もう決めた。何言っても無理だよ。変更はしない」
「言い出すと曲げないの知ってるから、反対はしないけど…」
「兄さん遠くの私立大学で、学費と仕送り大変だって言ってたでしょ。学院の入試、上位で合格してアルファ奨学金絶対取るから」
「学費は払うから気にしないでいいけど。わかった。理人がそうしたいなら良いわよ。お父さんにも言っておく」
「理人、進路どうした?」
「学院にする」
「それ、本当に自分の希望?」
「勿論。上位合格して特待生取る」
「僕が行きそうだとかじゃなくて?理人が希望するなら良いけどさ」
「うん。でも千颯と行きたいのもそう。それが俺の希望だから…」
「だからって、千颯は気にしなくて良いんだ。千颯は好きなことして。やりたいことして欲しい。大学も仕事も。それでいつか運命の相手が現れても、千颯に好きな人が出来ても。いつでも俺は千颯を応援する。千颯の相手が俺じゃなくても」
その言葉は、僕を好きだと思っているのか、友人と突き放しているのか、僕にはわからなかった。どちらにせよ理人が自分で進路を決めたと言うなら、僕が何か言うことではないなと思った。
塾の授業も模試も頑張った。進路が同じになったので、過去問題も理人に解説して貰ったり、一緒に勉強した。
年末年始も殆どを勉強に当てて、体調を整えて入学試験当日を迎えた。理人と入試会場に行く。理人がいたことで普段通りの気持ちで受けられて、力を出せた気がする。
「どうだった?」
「まあまあ。理人は?」
「大丈夫」
「受かってると良いな」
果たして、理人は一番で合格し、学費無料の特別特待生になった。僕は半額免除の特待生。それでも、オメガで特待生合格は創立以来初めてとの事だった。
「さすが千颯だ。特待生すごいね。良く頑張ったよ」
自分は特別特待生なのに、僕を褒め称え喜ぶ理人。それが面映ゆい。両家家族も安上がりで良かった!と喜んでうちで焼き肉大会を開催した。美味しくて楽しかったので、まあよしとしよう。
駅から近い、何なら大規模マンションでも建てられるような広い宅地群が造成された。各住戸は坪数を広くとられ、駐車スペース2台可能、注文住宅建設可能。
夢のような宣伝文句に惹かれ、周辺物件より若干お高い価格設定にも関わらず若い家族がこぞって良い子育て環境を求め購入した。
そのうち並びの2軒に、5歳の長男のいる田中家、子供はまだの田村家が入居した。
両家ともベータ夫婦で共働き。直ぐに仲良くなった。両家には同時期同じ病院で同じく男児が産まれた。
田中 理人(りひと)、田村 千颯(ちはや)と名付けられた二人。お互いの家庭が何かと助け合い、旅行や行事を一緒に行ったので、兄弟のように育った。兄の弘人が病気になれば、理人が千颯の家に預けられ、千颯に妹の千菜が産まれるときには、千颯が預けられた。
ビレッジの中央公園で朝から夜まで良く遊び、互いの家でも遊んだ。幼稚園には、中央公園前で一緒にバスに乗って登園し、同じく帰ってきた。バスを降りても二人は公園で遊んだ。
「りっちゃん、きょうはなにしてあそぶ?」
「ちいちゃんのしたいことは?」
「おにごっこ」
歯が生えたのも、トイレトレーニングも理人が先んじると千颯も負けじと追い付いた。
小学校入学の際には、二人は色違いのランドセルを選び、手をつないで仲良く校門をくぐった。その姿は大変可愛らしく、両家の親は写真を撮りまくった。
入学式から戻ると、公園で二人並ばせ写真撮影。親もお互いを入れて写真撮影。名前順出席番号も前後の二人。仲良く登下校する様子に家族は安心していた。
入学後、二人ともスポーツ、勉強にと頑張り、テストは百点、リレーは選手、いつも競いあって精進した。
しかし、理人がどんどん背が伸びて大きく精悍になるのに対して千颯は小さく、お肌つるつる、ほっぺぷくぷくの可愛らしさが続いた。
努力もなしに一番を取れる理人に対して、負けじと頑張ってやっと二番を取れる千颯。悔しがる千颯に
「千颯はすごいね、頑張ってえらいね」
「理人の方ができてるじゃないか」
にこにこと褒める理人の姿があった。
地元中学校に入学。同じく学生服に身を包み、一緒に通う二人。部活は一緒の卓球部。背が低くても勝てる可能性がある。もちろん練習は手を抜かない。シングルスでは、4回戦負け。ダブルスは二人で組んだ。
「千颯は上手いな。すごいね。千颯のお陰で勝てたよ」
何かと褒め称えてくれる理人。そうかな、理人のプレーが良かったと思うのに。二人で都大会まで進めた。
中学三年、夏の部活引退の時期から塾に通う。もう進路を考えなければならない。千颯だって上位のクラスにいて頑張っているのに模試の偏差値では、理人が5から時には10も高い。全国上位の成績だった。
「なあ、お前らバース検査受けた?」
「まだだよ。きっとベータだし」
「でも田中、全国上位だろ?アルファかもよ。それにさ。隣のクラスにオメガって出たやついるらしいぜ。そうなると進学先変わってくるよな」
塾には耳年増だったり、進んでいる生徒がいる。早めにバース検査を受けているものがちらほら出ていた。
確かに、ベータ家庭出身で大したことない自分はベータだろうけど、理人はもしかしたらアルファかも知れない。それだと進学先が変わったり、アルファ専用特待生制度を使える場合だってある。
「ねえ。理人」
「なに?千颯」
塾の帰りに並んで歩きながら訊ねた。バース検査を受けない?と。これが自分たちの運命を変えるとは思いもしなかった。
ここで産まれて、小さいときから何度もお世話になっている総合病院。今日は初めてバース科を訪れた。
極めてプライベートな分野であるため、他の人とは出合わないように導線設計されている。本人のみ、未成年であれば本人と親のみが診察室に通される。
「千颯さんはオメガでした。まだホルモンの数値が低いので発情期の到来は先になると思いますが、念のためこの本を読んで、ネックガード、抑制剤、避妊薬の準備をしておくようにお勧めします。高校受験に関しても自衛手段の取れるところを念頭に考えることをお勧め致します」
母が隣に居てくれなければ、倒れていたかも知れない。またはショックで帰れなかった可能性だってあった。
小さい時から、勉強も運動も平均以上に出来ていた。性格もはっきりして物怖じしないし、背は伸びなかったけど自分がか弱く守られるような存在だとは考えもしなかった。
全能感に浸っていた幼児期には、むしろアルファだったらな、なんて思っていたし、最近はベータだろうと思っていた。ベータを確認しに行く、くらいの気持ちだったのに…。
自宅に帰り、部屋のベッドに籠って布団の中に潜り込んでいた。何も考えられなかった。
夕食を取らずじっとしていたら、いつもより早く父が帰宅し、妹が寝てから三人で話し合おうとドアの外から声をかけられた。夜、ノロノロと階下に降りる。
「お母さんね。千颯、オメガかも知れないって思っていたの。だって、すっごく可愛くて、お肌艶々で、周りの人からもかわいがられてモテていたでしょう?びっくりしたかも知れないけど、残念に思うことはないわ」
「そうだぞ。今は抑制剤もあって、オメガだからといって進学や就職が出来ないわけではない。千颯のやりたいことをして良いんだ。千颯はがんばり屋さんだから、絶対に幸せになれる」
「そうよ。進路を決める前に分かって良かった。設備の整った私立高校に行った方が良いわね」
公立と違って一部の私立高校には医師が常駐し、医務室や有事の際の隔離室や通報システムが完備され、バースに配慮した更衣室やトイレ、授業内容を用意しているところがある。それらの学校であれば、比較的安心して過ごせる。
「そうだね。進路が決まる前で良かったのかも。私立に絞って勉強するよ」
少しずつ落ち着いてきて、貰った本を読んで寝た。オメガでも人生を諦めなければいけないわけじゃない。僕は頑張る。
翌日は学校は休みであったが、塾の授業はあった。いつもは家の前に理人が迎えに来る。そういえば、理人の結果はどうだったんだろう。自分の事で一杯で、忘れていた。
「千颯、今日は休む?」
母が心配して聞いてきた。どちらにせよ理人には話すことになるんだろうし、早い方が良いか。
「行くよ」
「おはよう。千颯」
「理人、おはよ。ちょっとさ、話あるから。公園寄ろ」
小さい頃に散々漕いだブランコにそれぞれ座った。
「バース。オメガだった」
「そっか」
それきり話が続かない。
「理人は?」
「アルファ」
「あー。やっぱそっか」
「俺がアルファなら、それは千颯のためのアルファだ」
「え?」
「千颯を守るための」
「何だよそれ」
「ベータ家庭に産まれた、たいして力も無いアルファだ。でも千颯を傷つけるものから守りたい。同じ高校に行く」
「何でだよ。理人なら、公立の一番でも大学附属でも行けるだろ?僕は守られなくても大丈夫だ」
一旦話を終えて塾に行った。昨日の事など嘘のように今まで通り授業を受けて帰った。
月曜日登校すると、進路調査用紙が配られた。僕は、光台学院を第一志望に決めた。レベルが高い男子校でバースに配慮している。学費は高いが設備が充実していて、何より自宅から近く歩いて通える。第二希望は、電車で1時間。勉強頑張ろう。
田中家にて
「理人、進路調査書いたの?親の面談もあるんでしょう?知っておかないと困るわ」
「うん。これ」
「あら。学院が第一で良いの?」
「そう。もう決めた。何言っても無理だよ。変更はしない」
「言い出すと曲げないの知ってるから、反対はしないけど…」
「兄さん遠くの私立大学で、学費と仕送り大変だって言ってたでしょ。学院の入試、上位で合格してアルファ奨学金絶対取るから」
「学費は払うから気にしないでいいけど。わかった。理人がそうしたいなら良いわよ。お父さんにも言っておく」
「理人、進路どうした?」
「学院にする」
「それ、本当に自分の希望?」
「勿論。上位合格して特待生取る」
「僕が行きそうだとかじゃなくて?理人が希望するなら良いけどさ」
「うん。でも千颯と行きたいのもそう。それが俺の希望だから…」
「だからって、千颯は気にしなくて良いんだ。千颯は好きなことして。やりたいことして欲しい。大学も仕事も。それでいつか運命の相手が現れても、千颯に好きな人が出来ても。いつでも俺は千颯を応援する。千颯の相手が俺じゃなくても」
その言葉は、僕を好きだと思っているのか、友人と突き放しているのか、僕にはわからなかった。どちらにせよ理人が自分で進路を決めたと言うなら、僕が何か言うことではないなと思った。
塾の授業も模試も頑張った。進路が同じになったので、過去問題も理人に解説して貰ったり、一緒に勉強した。
年末年始も殆どを勉強に当てて、体調を整えて入学試験当日を迎えた。理人と入試会場に行く。理人がいたことで普段通りの気持ちで受けられて、力を出せた気がする。
「どうだった?」
「まあまあ。理人は?」
「大丈夫」
「受かってると良いな」
果たして、理人は一番で合格し、学費無料の特別特待生になった。僕は半額免除の特待生。それでも、オメガで特待生合格は創立以来初めてとの事だった。
「さすが千颯だ。特待生すごいね。良く頑張ったよ」
自分は特別特待生なのに、僕を褒め称え喜ぶ理人。それが面映ゆい。両家家族も安上がりで良かった!と喜んでうちで焼き肉大会を開催した。美味しくて楽しかったので、まあよしとしよう。
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