アモスの魔法学校

高橋

文字の大きさ
上 下
19 / 23

第十九話

しおりを挟む

「ただいま」
「「おかえり(なさい)」」
スタルとエルザが迎える。
「明後日から3週間ほど国立軍附属学校へ出かけるから、よろしく頼むよ」
そうして、2日後を迎える。
迎えの魔法車は、見た目は質素だが、軍の物とあって頑丈な造りとなっている。アモスとパルサスが中へ乗り込むと、魔法車は自動で動き出した。中で二人は会話を交わす。
「そういえばアモスはどこ所属になったの?俺は武術部剣術科だったけど」
パルサスは紙を見ながらアモスに話しかける。
「魔法部召喚科だったよ」
「召喚科なら・・・あった、5日目に合同訓練があるね。相部屋らしいけどよろしくね」
アモスとパスサスが会話をしていると、すでに目的地についていた。
カファロンシ国立軍附属学校 そこは、カファロンシ王国最大の軍、カファロンシ国立軍の兵士を養成するための学校であり、生徒数、面積は国内で最大を誇る。武術部・魔法部に大きく分かれ、その中でも科によって分かれている。男女比は8:2で、その女子もほとんどは魔法部所属となっている。学校とついているが、有事の際には兵士として出兵することになるため、学費は無償となっている。

「アモス、じゃあまず挨拶に行こうか」
アモスとパルサスが中へと入ると、外で訓練をしている生徒たちがいる。全ての男子生徒が髪を坊主にしていて、気合が伝わってくる。そんな様子を横目に、二人は校長室へと向かう。

「「失礼します」」
そういって二人は校長室の中へと入る。校長室の中では、いかにも軍出身の逞しい男が居た。物腰は柔らかいが、眼光は鋭い。いざとなれば戦いに参加できる、そのような印象だ。
「君たちがヴォリダラン研究都市附属高度魔法教育センターから来た出向生か」
「はい、そうです」
「では煩わしい挨拶はここまでにして、明日のために備えて寮で休みなさい」
「「ありあとうございます」」
そういうと、校長室から廊下へと出て、寮へと向かう。
「あの先生、強そうだったな」
「そうだね。少なくとも僕らよりは強いだろうな」
「えーっと。あった。この部屋か」
二人に与えられた部屋はアモスが思っていたよりも大きい。窓際の角部屋で、中にはソファー・ベッド・テーブルなどが二セット分用意されており、快適に過ごせそうだ。部屋の中へ入り、荷物の片付けを一通り済ませた二人は、早めに眠りにつくことにした。明日から、アモスとパルサスは大型攻撃訓練に参加することになる。この訓練は、大規模攻撃を予測した訓練で、攻撃の仕方などを学ぶ。アモスとパルサスは持ち場が違うが、部隊は同じ隊に配属された。アモスは、大型魔弾砲の操縦を、パルサスは周囲の警備に当たる。訓練といえども、他の隊から攻撃される危険性はある。
しおりを挟む

処理中です...