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4 大会②

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次は水野と近藤のペアだ。
一回戦は相手が初心者だったのか難なく勝てた。
水野はともかく、近藤はスパイクの威力こそないが基本のサーブレシーブ、トスもこなせるので水野のスパイクがキレイに決まっていく。
中々いいコンビじゃないか、思ったより戦えそうだ。

二回戦の相手は早速、因縁の早桜学園だった。
というか出場チームの3分の1を占めてるじゃないか。
強豪校なんだなと自覚し戦いへ向かう。

早桜学園の水着は白を貴重として、そこに桜の花びらのモチーフをあしらった、シンプルでセンスの良いものであった。ここもまた布面積が狭い。本当に大丈夫か、、

コート横のベンチに向かい荷物を置くと、早桜学園の監督らしき人が座っていた。驚くことにそれは、朝受付であったグラマラスなセレブだった。
こちらに気づいたようで

「はじめまして、あなたが紅葉の監督さん?」
と話しかけてきた。

「最近顧問になった新子です。」
「宜しくお願いします」と挨拶をする。

すると向こうも、平尾です。と手を差し出し、握手を求めてきた。

「理事長から聞いてるかもしれないけど、なぜかうちはあなたの学校に負けられないみたいなの?
申し訳ないけど全力で行かせて頂くわ!」

宣戦布告をされてしまった!
こちらこそ!と返すが勝てる気が全然しない。

そもそも監督気合入りすぎでしょ!
さっきのTシャツ短パンから着換え
生徒と同じ水着を着ている。
二十代後半だと思われるが身体を鍛えているのがわかる
それがサイズがあってないのかほとんど隠せていない。胸も中心の大事な部分は隠れてが上からも下からもこぼれているし。パンツの方も割れめが少し見えている。それにデカいよ。おっぱい。ほんと海外セレブみたいな格好じゃないか!
エロさを通り越し恐怖すら覚える、歩くだけで揺れているんだよ!
お願いだからなにか羽織って!ここは日本ですよー!

監督の方にカメラを向けようか悩みながらも試合に集中することにした。

「早桜学園の平尾監督は選手を呼び、あなた達この試合負けたらわかってるわね!承知しないから!」
とものすごいプレッシャーをかけている。

そんな事を言われた選手は引きつった顔をしている。

試合は善戦したが自力の差がありジリジリとおされていった。水野のスパイクは決まるのだが、近藤のは取られてしまう。その内、敵は近藤を狙うようになり。水野が回転レシーブ、ダイビングレシーブと気を吐いて頑張り、粘ったものの二回戦敗退となってしまった。

やはり相手はうまいな、強豪校だけあってポジション取りなどがスムーズでレベルの高い練習をしているようすが伺える。

おめでとうー!と早桜の監督は選手を抱いて迎えていた。

近藤は俯き少し涙ぐんでるようだ。水野が戦えたよと慰めている。オレもいい試合だった。最後まで諦めずに偉かったと褒めた。

~~

さてこれからがオレの仕事だ!
今の水野達の大体の実力知ったわけで、優勝できるか大会のレベルを調査せねば。しかもこれは地区の小さな大会だ。ここで優勝できないようじゃ希望はない。

とカメラを携え試合観戦と意気込んだが、だんだんテンションが下がってきた。勝ち進むにつれてかわいこちゃんが少なくなってきたのもあるがやはり皆上手い!準決勝に残ったペアを見ても水野、近藤でワンセットとれるかどうかと思うほど実力差がある。
調子の良し悪しで変わるところもあるが、勝つのは難しいだろうなー。

決勝戦は早桜同士で対決していた。
やはりそこを倒さないと優勝もできないか、と半ば諦め気味になる

ルックスならうちの高校が一番だと自身持って言えるのに。ビーチバレーミスコンをひらいてそこで優勝を目指そうかなーとか考えていると

「先生どうでした?」
とジャージに着替えた水野が声をかけてくる。
一言 強いなと返す。
「そうですよね」
と気落ちしたように水野が答えた。

ふと遠くのコートを見ると男子がバレーコートに入って試合をやっていた。
あぁあれが混合かトーナメント表をみると8チームしか出ていない。少ないなー。中々混合でチームを組めないよなー。と考えながらボーッと試合を見ていた。

「混合はあまり人気ないですね。選手人数も少ないし。そもそも出してない高校もありますよ。女子のバレーのイメージが強いですからね。
でも混合も早桜が優勝しているんですよ」

「ほらあそこ」
そこには早桜の水着を着た女の子と金髪の男子がいた。

「金髪の男の子がアメリカからの留学生みたいで、そこまでバレー上手くはないんですけど、力も強いしスパイクが凄いですね」
「それで髪の毛を後ろで結んでいる、女の子は帰国子女で海外でもやってたみたいで上手いですよ」

いかにも気の強よそうな子が、プレーしていた。スタイルは細いにも関わらず、グラマーなフィギュアみたいな体型だ。

ゲームセット!!
早桜の二人がガッツポーズをしている。

そう言ってる間に試合が終わったみたいだ。
残念撮影できなかったな。

ここからが凄いんですよ。と水野が呟く。
歩みよる二人、互いにハグをして軽くキスをしている。
わぁ、すすんでるなー。

そうでしょ。勝つたびなんですよ。
と軽く引きつりながら水野が言う。

汗べったりなはずなのになー。

女子の決勝戦も終わり結局、早桜学園が優勝していた。収穫と言っていい収穫もなく我々は帰路についた。
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