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三章
【プログラム-8】
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「そんなこと……」
「あり得ないとは思えないハズですよ。プログラムの力は白井さん自身が経験している。それは変化の方ですが、災いの方も信じざるおえないハズです」
「確かに……その通りです。疑う余地はないです」
修一は本心から確信していた。
「そして、そのパイストス社が白井さんのアドレスを消しにやって来た。外部にプログラムが洩れたからですね」
「世間にプログラムの情報が流れたら計画が終わるからですね」
「そうです」
「話の流れから既にわかってましたけど、あなたがそのパイストス社にハッキングをしてプログラムを手に入れたんですね?」
「そうです。ですが、私が持っているのはパイストス社にハッキングした時にコピーしたプログラムです」
「つまり、プログラムの本体はパイストス社にあると?」
「ええ。それにプログラムの入っているデータディスクもあるハズです。恐らく保管庫とかに。だから、とてもマズイのですよ」
「つまり、コンピューター内に本体のプログラムはあり、その上データディスクもあるから、パイストス社は計画になんら支障は無いと?」
「その通りです。察しが良いですね」
「でも、それなのにパイストス社はわざわざ僕のアドレスなどの外部に洩れたプログラムを消したりするんですね」
「万が一を考えてでしょう。それに私のようなプログラムを理解出来る人間もいますから」
「だから、徹底的にか……」
修一はパイストス社にされたことを思い出し気分が沈んだ。
「でもあなたは何故プログラムのことを警察とかに言わないんですか? パイストス社の計画を話せば……」
そう言って修一は気付いた。間を置かずにシンドラーが言葉を返す。
「白井さんが警察の人間だったり、マスコミの人間だったりしたら信じますか?」
「信じるハズがないですね。同じ理由で僕も友達には変化のことを話しませんし」
「だから問題なんですよ。誰も信じない話だからこそパイストス社の計画を阻止出来ない。だれも協力者がいませんから」
「だったらどうすれば? パイストス社の計画を阻止するには」
「パイストス社に侵入しプログラムを全て削除するしかないです」
「侵入?」
「それしか方法はありません」
「そんな方法……」
「白井さんは黙ってパイストス社の計画を見過ごせますか? 世の中がとんでもないことになっても問題ないですか?」
「流石に見過ごせるわけはないですけど」
「それならば、白井さんは私に協力してくれますか? パイストス社の計画を阻止するために」
そこから長い沈黙があったが遂に修一は口を開く。
「わかりました、協力します」
修一の言葉を聞きシンドラーは電話口でクスッと笑った。
「どうしたんですか?」
「いえ、思った通りだなと」
「思った通り?」
「はい。白井さんなら協力してくれると思ってました。いや、正確には私が白井さんを協力者に仕立て上げたと言った方が正解です」
「なんですか、仕立て上げたって」
「わかるように説明しますと」
そこでシンドラーは一度言葉を切ってから続けた。
「まず、私は今から三ヶ月前にプログラムを手に入れてパイストス社の計画をすスグに見抜きました。プログラムを読み解いたら、それしか考えられなかったからです。そしてプログラムを災いから変化に改変しました。さっき説明したように変化の力は人の心の悩み苦しみや様々なストレスを解消して心に希望や善意をもたらします。白井さんがそう変わったように」
「そうですね。確かに僕は変わった」
「それにより希望や善意が心にもたらされ、正義感も芽生えたハズです」
そこまで聞いて修一は理解した。
「そういうことですか」
「協力してくれるメンバーを集めるために変化のプログラムを作ったんです。初めに白井さんにアドレスを送ったのは変化の実験も兼ねていたんですよ。まぁ、プログラムを改変するのには一ヶ月も掛かりました。そして結果は成功でした。ですが、利用したことは申しわけないと思っています」
修一は実験に利用されたことを不快には思っていなかった。それは自分を変えてくれたからだ。
「いいんです。むしろ感謝していますよ」
「それは良かった」
「僕に最初にアドレスを送ってくれた時のメールの内容に共有しても構わないって書かれていたのは、僕と同じように計画を阻止するためのメンバーを集めるためだったんですね」
「そうです。そうすれば連鎖的にメンバーは増えますから」
「全てはあなたの考え通りでしたか」
「ええ。パイストス社の計画を阻止するためです」
「でも僕がアドレスを教えて共有してるのは一人だけなんですよ」
「一人だけですか。誰ですか? そのアドレスを教えた相手は」
「その相手は……」
それから修一は一ヶ月ほど前の廃墟ビルの件を話し始めた。
その場で起きていた出来事。
その時の彩との二人の会話。
アドレスを教えるまでの過程。
彩に変化が起きたこと。
ことの顛末を詳しく話した。
「そうだったんですか。そんなことがあったんですね」
「はい」
「ですが事件のことと如月彩のことは新聞を見て知っていました。まさか彼女がアドレスを共有していたとは知りませんでしたけど」
「彩は現在、刑務所で罪を償っています。だから協力者にはなれません」
「もちろん、それはわかっていますよ」
「僕は今度、彩に面会に行こうと思っています」
「アドレスのことやプログラムのこと、パイストス社の計画のことを話すんですか?」
「いえ、それは話しません。彩ならこの話を信じると思うんですけど、今はただ一生懸命に罪を償っている彩にとっては余計な話しだと思いますから」
「なるほど、そうですか」
「刑務所の外の不安な情報でしかありませんし」
「確かにその通りですね」
「はい」
そう呟いて修一はため息を吐いた。
「白井さん、どうしたんですか?」
「いえ、約束がありまして」
「なんですか? 約束とは」
「彩との約束ですよ。彩と約束したんです。刑務所から出所してきたら彩にメールを送るって。二人の繋がりのこの不思議なアドレスでメールを送るって」
「その約束は守れないんですか?」
「はい……僕はアドレスをまた手に入れましたけど、でも僕のスマホには……」
それを聞いてシンドラーは思い出した。修一がパイストス社の社員によりスマホのアドレスを消されていたことを。
「パイストス社の社員達にデータを削除されたんでしたね。その如月彩のアドレスも」
「はい。だから彩にはメール自体遅れないんです。あの時に電話番号も交換しておけば……」
「なるほど」
そう言ってからシンドラーは電話の向こうで黙り込んだ。
「あの……どうしたんですか?」
「いえ、なんでもないですよ。ただ約束のことはあまり深く考えなくてもいいんじゃないですか?」
「考えますよ!」
修一は少しばかり強く言った。
「ああ、いえ、申し訳ない。ただ私が言いたいのは考えすぎはよろしくないということです」
「僕にとって約束は凄く大事なことなんです。でも確かにそうですね。あなたの言う通りです」
「ええ、考えすぎはね。それにその約束とやらを果たすのは問題ないでしょうから」
「問題ない? 彩との約束を守ることが可能って意味ですか?」
「障害が無く、上手く行けばですが」
「よく意味がわからないです。でもなにか方法があるなら」
「私にしか出来ない方法です」
修一はそう言ったシンドラーの言葉になにか含みを感じた。
「ところで白井さん」
そう言ってシンドラーが会話の流れを変えた。
「はい?」
「今までの会話でプログラムのこと、パイストス社の計画のこと、色々と説明しましたが、まだ説明していないことがあります」
「それは?」
「パイストス社が計画を実行する方法と、プログラムの力により人間の脳に起きる特殊な作用の仕組みです」
「そうだ。電波が脳に作用を与えるのはわかったけど、その仕組みはまだ聞いてませんでした。一体どうやって?」
「まぁ、落ち着いてください。順序よく説明しますから。まずは計画を実行する方法からです」
「はい」
修一は電話に耳を傾けた。
「パイストス社はその特殊なプログラムで作られているセキュリティソフトを発売します。これだけ言えばわかるかと」
「なるほど、客がそのセキュリティソフトを購入して、通信機器にソフトをインストールすればパイストス社の計画は実行される」
「その通りです。そして、主となる通信機器はパソコンなどです」
今の世の中で最も使用されている通信機器の中でトップクラスはパソコンで、パイストス社の計画にはうってつけの通信機器だった。
「そして、そのセキュリティソフトの名前は『パンドラ』です」
「だから災い……」
「ええ」
「その『パンドラ』はいつ発売されるんですか?」
「来月の五日です」
「十二月五日? 約三週間後じゃないですか!」
「はい、時間がありません。それまでに計画を阻止しなければ」
「でも『パンドラ』が店頭に並ばないようになんとかすれば」
「いえ、それは出来ません。何故なら『パンドラ』はネット上で売り出されますから」
「どういうことです?」
「客が『パンドラ』をネット上でダウンロードして購入する形で販売されるんです」
「ダウンロードですか」
修一の頭には色々と案が浮かんでいたが、スグにそれらの案は消滅した。
『パンドラ』が店頭に並び販売されるのならば、パイストス社に侵入してプログラムを全て削除する他に計画を阻止する方法もあった。しかしこの現代、世界中にネットワークが繋がっている以上はダウンロードの形で販売されるなら、客はパイストス社のサイトにアクセスし『パンドラ』を自由に購入出来るだろう。
「やっぱりパイストス社に侵入する以外に方法は……」
「ええ」
修一は他に方法は無いと諦めた。しかし、同時にやるしかないという決意も生まれていた。
「購入がダウンロード形式となると災いを与える直接のターゲットはパソコンの所有者」
「ええ、そうなります。ですがメインとしてのターゲットはこの世の中です」
「とんでもない本当に」
「私も同じ気持ちです」
「それで、えっと……シンドラーさんでしたっけ?」
「はい」
「パイストス社の計画を実行する方法はわかりました。じゃあ、その『パンドラ』のプログラムの力により人間の脳に起きる特殊な作用の仕組みとは?」
それは、修一にとってはもっとものプログラムの謎であり核心だった。
「白井さんに起きているプログラムの変化から説明します」
「僕の変化から?」
「ええ。その方が理解しやすいかと思います」
「わかりました」
シンドラーは核心の部分を話し始めた。
「あり得ないとは思えないハズですよ。プログラムの力は白井さん自身が経験している。それは変化の方ですが、災いの方も信じざるおえないハズです」
「確かに……その通りです。疑う余地はないです」
修一は本心から確信していた。
「そして、そのパイストス社が白井さんのアドレスを消しにやって来た。外部にプログラムが洩れたからですね」
「世間にプログラムの情報が流れたら計画が終わるからですね」
「そうです」
「話の流れから既にわかってましたけど、あなたがそのパイストス社にハッキングをしてプログラムを手に入れたんですね?」
「そうです。ですが、私が持っているのはパイストス社にハッキングした時にコピーしたプログラムです」
「つまり、プログラムの本体はパイストス社にあると?」
「ええ。それにプログラムの入っているデータディスクもあるハズです。恐らく保管庫とかに。だから、とてもマズイのですよ」
「つまり、コンピューター内に本体のプログラムはあり、その上データディスクもあるから、パイストス社は計画になんら支障は無いと?」
「その通りです。察しが良いですね」
「でも、それなのにパイストス社はわざわざ僕のアドレスなどの外部に洩れたプログラムを消したりするんですね」
「万が一を考えてでしょう。それに私のようなプログラムを理解出来る人間もいますから」
「だから、徹底的にか……」
修一はパイストス社にされたことを思い出し気分が沈んだ。
「でもあなたは何故プログラムのことを警察とかに言わないんですか? パイストス社の計画を話せば……」
そう言って修一は気付いた。間を置かずにシンドラーが言葉を返す。
「白井さんが警察の人間だったり、マスコミの人間だったりしたら信じますか?」
「信じるハズがないですね。同じ理由で僕も友達には変化のことを話しませんし」
「だから問題なんですよ。誰も信じない話だからこそパイストス社の計画を阻止出来ない。だれも協力者がいませんから」
「だったらどうすれば? パイストス社の計画を阻止するには」
「パイストス社に侵入しプログラムを全て削除するしかないです」
「侵入?」
「それしか方法はありません」
「そんな方法……」
「白井さんは黙ってパイストス社の計画を見過ごせますか? 世の中がとんでもないことになっても問題ないですか?」
「流石に見過ごせるわけはないですけど」
「それならば、白井さんは私に協力してくれますか? パイストス社の計画を阻止するために」
そこから長い沈黙があったが遂に修一は口を開く。
「わかりました、協力します」
修一の言葉を聞きシンドラーは電話口でクスッと笑った。
「どうしたんですか?」
「いえ、思った通りだなと」
「思った通り?」
「はい。白井さんなら協力してくれると思ってました。いや、正確には私が白井さんを協力者に仕立て上げたと言った方が正解です」
「なんですか、仕立て上げたって」
「わかるように説明しますと」
そこでシンドラーは一度言葉を切ってから続けた。
「まず、私は今から三ヶ月前にプログラムを手に入れてパイストス社の計画をすスグに見抜きました。プログラムを読み解いたら、それしか考えられなかったからです。そしてプログラムを災いから変化に改変しました。さっき説明したように変化の力は人の心の悩み苦しみや様々なストレスを解消して心に希望や善意をもたらします。白井さんがそう変わったように」
「そうですね。確かに僕は変わった」
「それにより希望や善意が心にもたらされ、正義感も芽生えたハズです」
そこまで聞いて修一は理解した。
「そういうことですか」
「協力してくれるメンバーを集めるために変化のプログラムを作ったんです。初めに白井さんにアドレスを送ったのは変化の実験も兼ねていたんですよ。まぁ、プログラムを改変するのには一ヶ月も掛かりました。そして結果は成功でした。ですが、利用したことは申しわけないと思っています」
修一は実験に利用されたことを不快には思っていなかった。それは自分を変えてくれたからだ。
「いいんです。むしろ感謝していますよ」
「それは良かった」
「僕に最初にアドレスを送ってくれた時のメールの内容に共有しても構わないって書かれていたのは、僕と同じように計画を阻止するためのメンバーを集めるためだったんですね」
「そうです。そうすれば連鎖的にメンバーは増えますから」
「全てはあなたの考え通りでしたか」
「ええ。パイストス社の計画を阻止するためです」
「でも僕がアドレスを教えて共有してるのは一人だけなんですよ」
「一人だけですか。誰ですか? そのアドレスを教えた相手は」
「その相手は……」
それから修一は一ヶ月ほど前の廃墟ビルの件を話し始めた。
その場で起きていた出来事。
その時の彩との二人の会話。
アドレスを教えるまでの過程。
彩に変化が起きたこと。
ことの顛末を詳しく話した。
「そうだったんですか。そんなことがあったんですね」
「はい」
「ですが事件のことと如月彩のことは新聞を見て知っていました。まさか彼女がアドレスを共有していたとは知りませんでしたけど」
「彩は現在、刑務所で罪を償っています。だから協力者にはなれません」
「もちろん、それはわかっていますよ」
「僕は今度、彩に面会に行こうと思っています」
「アドレスのことやプログラムのこと、パイストス社の計画のことを話すんですか?」
「いえ、それは話しません。彩ならこの話を信じると思うんですけど、今はただ一生懸命に罪を償っている彩にとっては余計な話しだと思いますから」
「なるほど、そうですか」
「刑務所の外の不安な情報でしかありませんし」
「確かにその通りですね」
「はい」
そう呟いて修一はため息を吐いた。
「白井さん、どうしたんですか?」
「いえ、約束がありまして」
「なんですか? 約束とは」
「彩との約束ですよ。彩と約束したんです。刑務所から出所してきたら彩にメールを送るって。二人の繋がりのこの不思議なアドレスでメールを送るって」
「その約束は守れないんですか?」
「はい……僕はアドレスをまた手に入れましたけど、でも僕のスマホには……」
それを聞いてシンドラーは思い出した。修一がパイストス社の社員によりスマホのアドレスを消されていたことを。
「パイストス社の社員達にデータを削除されたんでしたね。その如月彩のアドレスも」
「はい。だから彩にはメール自体遅れないんです。あの時に電話番号も交換しておけば……」
「なるほど」
そう言ってからシンドラーは電話の向こうで黙り込んだ。
「あの……どうしたんですか?」
「いえ、なんでもないですよ。ただ約束のことはあまり深く考えなくてもいいんじゃないですか?」
「考えますよ!」
修一は少しばかり強く言った。
「ああ、いえ、申し訳ない。ただ私が言いたいのは考えすぎはよろしくないということです」
「僕にとって約束は凄く大事なことなんです。でも確かにそうですね。あなたの言う通りです」
「ええ、考えすぎはね。それにその約束とやらを果たすのは問題ないでしょうから」
「問題ない? 彩との約束を守ることが可能って意味ですか?」
「障害が無く、上手く行けばですが」
「よく意味がわからないです。でもなにか方法があるなら」
「私にしか出来ない方法です」
修一はそう言ったシンドラーの言葉になにか含みを感じた。
「ところで白井さん」
そう言ってシンドラーが会話の流れを変えた。
「はい?」
「今までの会話でプログラムのこと、パイストス社の計画のこと、色々と説明しましたが、まだ説明していないことがあります」
「それは?」
「パイストス社が計画を実行する方法と、プログラムの力により人間の脳に起きる特殊な作用の仕組みです」
「そうだ。電波が脳に作用を与えるのはわかったけど、その仕組みはまだ聞いてませんでした。一体どうやって?」
「まぁ、落ち着いてください。順序よく説明しますから。まずは計画を実行する方法からです」
「はい」
修一は電話に耳を傾けた。
「パイストス社はその特殊なプログラムで作られているセキュリティソフトを発売します。これだけ言えばわかるかと」
「なるほど、客がそのセキュリティソフトを購入して、通信機器にソフトをインストールすればパイストス社の計画は実行される」
「その通りです。そして、主となる通信機器はパソコンなどです」
今の世の中で最も使用されている通信機器の中でトップクラスはパソコンで、パイストス社の計画にはうってつけの通信機器だった。
「そして、そのセキュリティソフトの名前は『パンドラ』です」
「だから災い……」
「ええ」
「その『パンドラ』はいつ発売されるんですか?」
「来月の五日です」
「十二月五日? 約三週間後じゃないですか!」
「はい、時間がありません。それまでに計画を阻止しなければ」
「でも『パンドラ』が店頭に並ばないようになんとかすれば」
「いえ、それは出来ません。何故なら『パンドラ』はネット上で売り出されますから」
「どういうことです?」
「客が『パンドラ』をネット上でダウンロードして購入する形で販売されるんです」
「ダウンロードですか」
修一の頭には色々と案が浮かんでいたが、スグにそれらの案は消滅した。
『パンドラ』が店頭に並び販売されるのならば、パイストス社に侵入してプログラムを全て削除する他に計画を阻止する方法もあった。しかしこの現代、世界中にネットワークが繋がっている以上はダウンロードの形で販売されるなら、客はパイストス社のサイトにアクセスし『パンドラ』を自由に購入出来るだろう。
「やっぱりパイストス社に侵入する以外に方法は……」
「ええ」
修一は他に方法は無いと諦めた。しかし、同時にやるしかないという決意も生まれていた。
「購入がダウンロード形式となると災いを与える直接のターゲットはパソコンの所有者」
「ええ、そうなります。ですがメインとしてのターゲットはこの世の中です」
「とんでもない本当に」
「私も同じ気持ちです」
「それで、えっと……シンドラーさんでしたっけ?」
「はい」
「パイストス社の計画を実行する方法はわかりました。じゃあ、その『パンドラ』のプログラムの力により人間の脳に起きる特殊な作用の仕組みとは?」
それは、修一にとってはもっとものプログラムの謎であり核心だった。
「白井さんに起きているプログラムの変化から説明します」
「僕の変化から?」
「ええ。その方が理解しやすいかと思います」
「わかりました」
シンドラーは核心の部分を話し始めた。
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