青の王と月の姫様

かのん

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青の王と月の姫様

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とある昔のお話。

とあるおひめさまが  月の王国のお城に住んでいました。

おひめさまは お金にも 食事にも困ることなく 只々、日々を過ごしていました。

ある日、青い王国から 王がやってきました。

そして青い王は 月の王と 会ったことがあり、 
とある約束を 交わしたことがあるといいました。

その約束の内容は、【お互いの姫を交換する】という約束でした。

おひめさまは それを初めて知り、怒りましたが
周りの従者たちは、落ち着いていました。

『どうか、青い王のためにいっておくれ。』

という母の言葉に おひめさまは 断ることができませんでした。

いざ、青い王国に行ってみると、

月の王国よりも ひどいありさまでした。

『なぜ、おかあさまは 私にいっておくれ。といったのかしら、しかも姫の交換なんて・・・』

なにを考えているのかわからないわ!ということばを吐きながら

しぶしぶ、青い王のお城へ行きました。


『君のために今日は宴を用意した。君は今日からこの青い国の』
『唯一のお姫様さ。』

さぁさぁというなり、王様がワインボトルを空け始めました。

『従者はいないの?』

そういうと王様は『いないよ。ずっといない。だってこの国に住んでいるのは私一人だから。』

『え?だってここにもお姫様は住んでいたのでしょう?』

『そう。住んでいた。でもはるか昔にいなくなったんだ。とても良い子だった。』


『元々は、ここは自然に囲まれた美しい青の国で親しまれていた。だが、私が悪徳を働いたせいで、
地の底まで落ちてしまった・・・。
ここは・・地上ではあるが今は深い地下のようなものだよ。月の王が私を憐れみそして罪を着せるように。
私の永遠の命と交換に私の周りのものを地上からすべて消してしまった。』

『なら、なぜお父様とお母様はここに来るよう、私に命じたの?』

『それは・・言えないんだ』
『なぜ?』

『言わない。ことも約束に含まれていてね。すまない。』

(昔から、月には恵みがあるといわれている。恵みをもたらす、力があると。
もしかしてお父様は・・・)

『わかったわ。ここで私が何をするのか。』

『青の王と名乗るのではなく、あなたの名前を教えて。』

名前を聞かれた後、王は息を引き取るように眠ってしまいました。

その後、青の王国のただ一人となった姫様は、月の恵みの力で数々の奇跡・・数々の自然をよみがえらせました。

そして、月の王国で青色の瞳を持つ赤子が誕生した。という不思議なお話もあったとかないとか。

おしまい
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