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①飲みに行こうよ
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お洒落な店内は、花の金曜日ということもあって満席だ。オレンジ色の照明が柔らかく照らす中、カウンター席でジョッキのビールを煽る。
『もう別れよう。紗月って仕事のことばっかりなんだもん。なんか俺がサボってるみたいで話しててキツいんだよね』
取り組んでいた大きなプロジェクトを終えて、一ヶ月ぶりに会う約束をしていた恋人に、約束の2時間前にメッセージアプリで、いとも簡単に切り出された別れ。
仕事ばっかりしてたのは…認めるけど!
数合わせの合コンでたまたま出会ったその人とは、周りからぐいぐい勧められてなんとなく付き合い始めた。まあ「付き合っている」とは言ったものの、私の仕事が忙しくて、デートらしいことが出来たのは2回だけだったから、向こうからしてみたら納得いかなかったのかもしれない。
仕事最優先の私と比べて、彼は「プライベートにまで侵食してくる仕事など悪!」という考え方の人で、「自分のフィーリングを大切にしながら生きていきたいから、同じ仕事を長く続けることはしない」なんて、今思えば随分ふわふわしたことを言っていた。価値観が違うところは新鮮で面白かったのだけれど。
送られてきたメッセージを開いて何度か読み直し、改めて咀嚼するならば、「仕事と俺、どっちが大事なの」的なニュアンスを含んでいる文章だ。ただ、仕事を諦めて恋愛をとるという選択肢は自分には1ミリも浮かばなかった。
そのことに、目が覚めるような安心するような、はたまた怒りなのか悲しみなのか諦めなのか、よくわからない気持ちで休憩スペースのベンチに座ってぼーっとしていたら、たまたま外回りから帰ってきた一番仲の良い同期と遭遇し、問答無用で飲みに付き合わせることにした。
そんなわけで、いつものお店についてからまもなく2時間。
だいぶ酔いが回っている。でも今日は酔わずにはいられない。むしろ、酔いに来た。
「仕事ばっかりしてるって、一生懸命働いてるんだから当たり前でしょーがぁ!こっちは常にいろいろ抱えてんのよー!」
「…そうだな。立て込んでるな」
「仕事しなかったらお給料だってもらえないんだよぉ?」
「はいはい、そうだな。水飲め」
「お給料がもらえなかったら、家賃も払えないじゃん!折角同棲しようってお金貯めてたのにさぁ…」
「え?」
私の言葉に、隣に座る同期——菅原和馬が、端正な顔をこちらに向ける。
「は?同棲?」
「そうだよ…付き合って2か月経つから、そろそろ一緒に暮らすこと考えた方がいいかなって…」
「いや、はえーだろ。2か月って…」
「えー、そう?でも、いろいろ忙しくてなかなか会えないなら、一緒に住んじゃった方が効率よくない?」
「…それ、相手の男に話した?」
「いや、まだ伝えてはいなかったけど」
すると、菅原はやや呆れたように目を細めてこちらを見ながら、ふぅ…と溜め息をつく。
そんな姿すら絵になるなんてなんだかちょっと気に入らないけれど、「お前のその突っ走りがちな合理主義に、そいつはついていけなかったんだろ」などと言われて、あまりに図星過ぎて、うっと言葉に詰まる。
菅原は、同じタイミングで採用された同期社員だ。口調はちょっと乱暴だけど(私限定らしいが)、いつも飲みに誘うと必ず来てくれるし、酔っ払った私をタクシーに乗せるところまでしてくれる。
最近は契約数を伸ばすだけでなく、新入社員向けの説明会で話をしたり広報的な仕事も任されたりしている彼は、こう見えて面倒見がいいのだ。
だから正直、元彼よりもいろんなことを話していたし、頼りにしていた節はある。元彼の前で直接名前を出したことはなかったけれど、仲の良い同期がいて、困った時には助けてくれて…ということは話したことがあった。そういうところもよくなかったのかもしれない。
ちょっとバツが悪くなって、割り箸の入っていた袋をちまちまと小さく折り畳みながら、話題を変える。
「…そういえばそっちはどうなの」
「ん?」
「総務課の林さんが菅原のこと好きだって噂になってたじゃん」
「あー…そんな話もあったな」
「うわ、いっぱいあり過ぎてわかんないってやつ?これだからイケメンは…」
「へー、神山も俺のことイケメンだと思ってんだ」
ずいっと顔を近付けてくる様子からは余裕が感じられる。私がじろりと横目で視線を送ると、ふっと笑ってからメニューを差し出してきた。
「ま、我が社の重要プロジェクトの成功に向けて精を出していた営業部エースの神山の頑張りを、無能な自分を肯定するためにこき下ろすような男よりはよっぽどイケメンだろうな」
自画自賛しているようで、私のことを気遣う言葉にじわっと涙腺が緩みそうになるけれど、なんだか泣いたら負けのような気がする。メニューを受け取って次のお酒を選ぶふりをしながら瞬きをすると、ぽんと頭に大きな掌が触れた。
…ずるい。
ぶっきらぼうだけど、誠実で信頼できる男なのだ。この同期は。
あたたかくて優しいその触れ方に、なんだか力が抜けてしまいそうになるけれど、だめだめ!とその誘惑を振り切る。
…気兼ねなくなんでも話せてしっくりくる、居心地のいい今の関係を壊したくない。
「次はハイボールにしよっかなー」などと笑って誤魔化す。いつもだったら「介抱すんの誰だと思ってんだ」とデコピンの一つでもされるところだった。
しかし。
「…つーか、俺みたいないい男がこんなに近くにいるのに、そんな馬鹿とうまくいかれてたまるかよ」
「え?」
片手で頭を上から掴まれて、ぐいっと向かい合わせにされる。至近距離でじっと見つめられて、ちょっと狼狽えていると、口の端を上げて意地悪そうに微笑みかけられる。
「…お前さぁ、そんなんでどうすんの?もし俺に彼女出来たら」
「菅原に…彼女?」
想像したこともなかった。入社してから2年間、お互いに愚痴を言いつつも励まし合ってきたこの同期に、誰か特別な女性が出来るなんて。
「そ、れは…」
「知ってると思うけど、俺、結構モテるぞ。もし俺に彼女が出来たら、こんな風に一緒に飲んだり、ドンマイって慰めたり出来なくなるけど」
「そりゃそうだよね…」
「つーか、多分近いうちに出来ると思うんだよな。彼女」
「え…」
「どうする?」
この同期に想いを寄せている女性社員の話はよく聞くけれど、逆の話は今まで聞いたことがなかったから、勝手に続くと思っていたこの関係。それが解消されてしまう?
…いや、別に何かを約束したわけでもないわけだから、解消も何もないのだけれど。
入社したばかりで右も左も分からなかった時から、並んで仕事に明け暮れてきた戦友のような存在。その隣に立つのは、一体どんな女性なのだろう。
何秒か、何十秒かわからない。時間が止まったかのような沈黙。
菅原は思わず押し黙ってしまった私の頭から手を離して、「…ばーか」と頬をむにっとつまんでくる。
「…泣いてんじゃねえよ」
「泣いてなんか…」
「うるうるしてんじゃん。…ったく、ほんとお前さぁ…」
「…うるさい」
この涙声が自分のものだなんて認めたくない。
彼氏に振られて泣くんじゃなくて、仲の良い友人に彼女ができるかもしれないと聞いて泣くなんて、我ながらさすがに身勝手過ぎる。
ていうか、それってもう。
「お前絶対好きだろ、俺のこと」
「……わかんない」
「わかんないわけあるか。この期に及んで」
勝手に私の気持ちを決めつけないで、と言いたいところだけど、ここまでの流れを受けてなお否定するには無理があった。
なんだか恥ずかしくなって、茶化すようにその逞しい肩をばしっと叩く。
「そっ、そういう菅原こそ、もしかして私のこと好きだったりしてー?」
「あ?好きだよ。こんだけ露骨にしてりゃわかるだろ」
「えっ」
「え?」
その言葉に本気で驚くと、「お前…マジか…」と深く溜め息をつかれる。
「え、でもさっき、彼女出来そうって…」
「神山はクソ男と無事に別れたし、今日ちょっと押したらさすがにいけると思って」
「は?」
「自分のことだとは思わなかったわけ?お前は絶対俺と付き合った方がいい。いい加減に認めろ」
ちょっと偉そうに、そして当然のようにそう言い放つくせに、近くにいた店員さんには「会計お願いできますか」と穏やかに声を掛ける様子を見て、一気に酔いが覚めた。
『もう別れよう。紗月って仕事のことばっかりなんだもん。なんか俺がサボってるみたいで話しててキツいんだよね』
取り組んでいた大きなプロジェクトを終えて、一ヶ月ぶりに会う約束をしていた恋人に、約束の2時間前にメッセージアプリで、いとも簡単に切り出された別れ。
仕事ばっかりしてたのは…認めるけど!
数合わせの合コンでたまたま出会ったその人とは、周りからぐいぐい勧められてなんとなく付き合い始めた。まあ「付き合っている」とは言ったものの、私の仕事が忙しくて、デートらしいことが出来たのは2回だけだったから、向こうからしてみたら納得いかなかったのかもしれない。
仕事最優先の私と比べて、彼は「プライベートにまで侵食してくる仕事など悪!」という考え方の人で、「自分のフィーリングを大切にしながら生きていきたいから、同じ仕事を長く続けることはしない」なんて、今思えば随分ふわふわしたことを言っていた。価値観が違うところは新鮮で面白かったのだけれど。
送られてきたメッセージを開いて何度か読み直し、改めて咀嚼するならば、「仕事と俺、どっちが大事なの」的なニュアンスを含んでいる文章だ。ただ、仕事を諦めて恋愛をとるという選択肢は自分には1ミリも浮かばなかった。
そのことに、目が覚めるような安心するような、はたまた怒りなのか悲しみなのか諦めなのか、よくわからない気持ちで休憩スペースのベンチに座ってぼーっとしていたら、たまたま外回りから帰ってきた一番仲の良い同期と遭遇し、問答無用で飲みに付き合わせることにした。
そんなわけで、いつものお店についてからまもなく2時間。
だいぶ酔いが回っている。でも今日は酔わずにはいられない。むしろ、酔いに来た。
「仕事ばっかりしてるって、一生懸命働いてるんだから当たり前でしょーがぁ!こっちは常にいろいろ抱えてんのよー!」
「…そうだな。立て込んでるな」
「仕事しなかったらお給料だってもらえないんだよぉ?」
「はいはい、そうだな。水飲め」
「お給料がもらえなかったら、家賃も払えないじゃん!折角同棲しようってお金貯めてたのにさぁ…」
「え?」
私の言葉に、隣に座る同期——菅原和馬が、端正な顔をこちらに向ける。
「は?同棲?」
「そうだよ…付き合って2か月経つから、そろそろ一緒に暮らすこと考えた方がいいかなって…」
「いや、はえーだろ。2か月って…」
「えー、そう?でも、いろいろ忙しくてなかなか会えないなら、一緒に住んじゃった方が効率よくない?」
「…それ、相手の男に話した?」
「いや、まだ伝えてはいなかったけど」
すると、菅原はやや呆れたように目を細めてこちらを見ながら、ふぅ…と溜め息をつく。
そんな姿すら絵になるなんてなんだかちょっと気に入らないけれど、「お前のその突っ走りがちな合理主義に、そいつはついていけなかったんだろ」などと言われて、あまりに図星過ぎて、うっと言葉に詰まる。
菅原は、同じタイミングで採用された同期社員だ。口調はちょっと乱暴だけど(私限定らしいが)、いつも飲みに誘うと必ず来てくれるし、酔っ払った私をタクシーに乗せるところまでしてくれる。
最近は契約数を伸ばすだけでなく、新入社員向けの説明会で話をしたり広報的な仕事も任されたりしている彼は、こう見えて面倒見がいいのだ。
だから正直、元彼よりもいろんなことを話していたし、頼りにしていた節はある。元彼の前で直接名前を出したことはなかったけれど、仲の良い同期がいて、困った時には助けてくれて…ということは話したことがあった。そういうところもよくなかったのかもしれない。
ちょっとバツが悪くなって、割り箸の入っていた袋をちまちまと小さく折り畳みながら、話題を変える。
「…そういえばそっちはどうなの」
「ん?」
「総務課の林さんが菅原のこと好きだって噂になってたじゃん」
「あー…そんな話もあったな」
「うわ、いっぱいあり過ぎてわかんないってやつ?これだからイケメンは…」
「へー、神山も俺のことイケメンだと思ってんだ」
ずいっと顔を近付けてくる様子からは余裕が感じられる。私がじろりと横目で視線を送ると、ふっと笑ってからメニューを差し出してきた。
「ま、我が社の重要プロジェクトの成功に向けて精を出していた営業部エースの神山の頑張りを、無能な自分を肯定するためにこき下ろすような男よりはよっぽどイケメンだろうな」
自画自賛しているようで、私のことを気遣う言葉にじわっと涙腺が緩みそうになるけれど、なんだか泣いたら負けのような気がする。メニューを受け取って次のお酒を選ぶふりをしながら瞬きをすると、ぽんと頭に大きな掌が触れた。
…ずるい。
ぶっきらぼうだけど、誠実で信頼できる男なのだ。この同期は。
あたたかくて優しいその触れ方に、なんだか力が抜けてしまいそうになるけれど、だめだめ!とその誘惑を振り切る。
…気兼ねなくなんでも話せてしっくりくる、居心地のいい今の関係を壊したくない。
「次はハイボールにしよっかなー」などと笑って誤魔化す。いつもだったら「介抱すんの誰だと思ってんだ」とデコピンの一つでもされるところだった。
しかし。
「…つーか、俺みたいないい男がこんなに近くにいるのに、そんな馬鹿とうまくいかれてたまるかよ」
「え?」
片手で頭を上から掴まれて、ぐいっと向かい合わせにされる。至近距離でじっと見つめられて、ちょっと狼狽えていると、口の端を上げて意地悪そうに微笑みかけられる。
「…お前さぁ、そんなんでどうすんの?もし俺に彼女出来たら」
「菅原に…彼女?」
想像したこともなかった。入社してから2年間、お互いに愚痴を言いつつも励まし合ってきたこの同期に、誰か特別な女性が出来るなんて。
「そ、れは…」
「知ってると思うけど、俺、結構モテるぞ。もし俺に彼女が出来たら、こんな風に一緒に飲んだり、ドンマイって慰めたり出来なくなるけど」
「そりゃそうだよね…」
「つーか、多分近いうちに出来ると思うんだよな。彼女」
「え…」
「どうする?」
この同期に想いを寄せている女性社員の話はよく聞くけれど、逆の話は今まで聞いたことがなかったから、勝手に続くと思っていたこの関係。それが解消されてしまう?
…いや、別に何かを約束したわけでもないわけだから、解消も何もないのだけれど。
入社したばかりで右も左も分からなかった時から、並んで仕事に明け暮れてきた戦友のような存在。その隣に立つのは、一体どんな女性なのだろう。
何秒か、何十秒かわからない。時間が止まったかのような沈黙。
菅原は思わず押し黙ってしまった私の頭から手を離して、「…ばーか」と頬をむにっとつまんでくる。
「…泣いてんじゃねえよ」
「泣いてなんか…」
「うるうるしてんじゃん。…ったく、ほんとお前さぁ…」
「…うるさい」
この涙声が自分のものだなんて認めたくない。
彼氏に振られて泣くんじゃなくて、仲の良い友人に彼女ができるかもしれないと聞いて泣くなんて、我ながらさすがに身勝手過ぎる。
ていうか、それってもう。
「お前絶対好きだろ、俺のこと」
「……わかんない」
「わかんないわけあるか。この期に及んで」
勝手に私の気持ちを決めつけないで、と言いたいところだけど、ここまでの流れを受けてなお否定するには無理があった。
なんだか恥ずかしくなって、茶化すようにその逞しい肩をばしっと叩く。
「そっ、そういう菅原こそ、もしかして私のこと好きだったりしてー?」
「あ?好きだよ。こんだけ露骨にしてりゃわかるだろ」
「えっ」
「え?」
その言葉に本気で驚くと、「お前…マジか…」と深く溜め息をつかれる。
「え、でもさっき、彼女出来そうって…」
「神山はクソ男と無事に別れたし、今日ちょっと押したらさすがにいけると思って」
「は?」
「自分のことだとは思わなかったわけ?お前は絶対俺と付き合った方がいい。いい加減に認めろ」
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