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続・進捗状況、良好です!
おまけ:進捗状況、良好です!
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「あれ、もしかして紗月?」
午前中の外回りの後。まもなくお昼だ。
最近、出張や外回りが続いていたけれど、漸く今日でひと段落しそうだ。
再び買いに出るには時間がなさそうだったので、昼食を調達するために会社に戻る前にコンビニに寄った帰り。誰かに名前を呼ばれて顔を上げる。
そこに立っていたのは、白いTシャツにデニム姿の男性。茶色い髪は最後に会った時よりもだいぶ伸びていて、一瞬誰だかわからなかった。でも。
「広田くん…」
そこに立っていたのは元カレ、広田くん。
『もう別れよう。紗月って仕事のことばっかりなんだもん。なんか俺がサボってるみたいで話しててキツいんだよね』
別れてから、すぐに和馬に告白されて付き合い始めたこともあり、なんとなく流してしまっていたけれど、一応同棲しようかななんて考えていた相手でもある。(和馬に言わせると「そんなぽっと出と同棲なんて、ふざけんな。当時の紗月は考えなし過ぎるぞ」らしい。)
でも、メッセージアプリに送られてきた内容は、未だに思い出せる。
ー 割と図星だったんだよね。多分。
だからこそ、お別れのメッセージにも「わかった」としか返信できなかった。
しかし、若干気まずそうにしている私とは裏腹に、広田くんは清々しく微笑む。
「仕事中?」
「あ、うん。戻るところ」
「そっかー、お疲れ様」
それ以上話が続かない。
沈黙の中で、手に持ったレジ袋がかさりと音を立てる。すると、意外にも広田くんが「あのさ…」と話し始めた。
「俺、紗月に最後、嫌なこと言っちゃったなって反省してて」
「嫌なこと?」
「仕事のことばっかり、って」
「ああ…」
否定は、しない。図星ではあったけれど、多少なりとも傷ついたのは事実だったから。
「でもさ、後々よく考えて、それって紗月が頑張ってることそのものを否定するってことだったんだなって思った。勝手に『仕事に本気になるなんてダサい』みたいな自分の尺度に当てはめてただけで…」
「……」
「だから、ごめん」
…仕事に本気になるなんてダサいと思っていた、ということは一度おいておこう。
コンビニの前でする立ち話にしては、ナイーブな内容だ。でも、大切なことなのだと思う。
それぞれの考え方、物事の優先順位がある。それが噛み合わなかっただけ。価値観が違っただけ。どちらが悪いとか、変だとかそういう話ではないのだろう。
ーでも、それがすごく大事。
だからこそ、和馬と出会えてよかったと思う。
顔にかかっていた髪を耳にかけ直して、ちゃんと広田くんの顔を見る。
「…私の方こそ。デートもまともに出来なくて、ごめんね」
「それは確かにちょっと寂しかったけどね」
頭を掻いて、あははっと笑う姿に私もくすっと笑ってしまう。曖昧なままだったことが、思わぬタイミングで決着したような気持ちだ。
すると、広田くんはスマホを手に、はにかみながら言う。
「あのさ、もしよければ今度二人で飯でも行かない?」
「え?あー…えっと…」
「友達が店開いててさ、ここから割と近いかも…」
「いや、あの…」
別れた元カノを二人きりの食事に誘うのは、よくあることなのだろうか。
断られるなんて微塵も思っていない様子で当たり前のように話すのを遮って、手を合わせる。
「ごめん、実はついこの間結婚したので行かない、です」
「え」
広田くんは、「結婚…」と目を丸くする。
「しかも相手はあなたから別れを切り出された日に付き合い出した人です」なんて余計なことは話さずに、丁重にお断りする。
「仕事も相変わらず忙しいし、やっぱりその人との限られた時間を大切にしたいっていうか、うん…だから、無理だと思う」
「いや…まじで…?え、ちゃんと会えてるの?どんな人?」
随分突っ込んだことを聞いてくるなと思ったけれど、確かに、仕事中心の私の生活スタイルに合わせていては、恋人らしいことをするのは難しかったという実感がある分、不思議で仕方ないのだろう。
「優しくて、私のことよくわかってくれてる人、かな…?」
固まったままの広田くんにどんな風に伝えればいいかと悩みつつ、言葉を選んでいたその時。
「あのー、お話中すみません」
急に肩をぽんと叩かれて、割って入ってきたのは。
「え、和馬…?」
「大変申し訳ないです。うちの神山なのですが、時間が迫っておりまして…もし差し支えなければ、このお話は改めさせていただいて、今日のところは失礼してもよろしいでしょうか?」
なぜここに?そしてその適当な言い訳は一体…などという疑問はさておき、タイミングとしてはとても助かった。
所謂、営業モードの和馬ににこやかに、でも有無を言わさない雰囲気で話しかけられて、広田くんはたじろいでいる。
「あ、すいません。じゃあ、紗月、仕事頑張ってね」
「えっ、あ…広田くんもいろいろ頑張って」
まだ何かを話したそうにしつつも、背中を向けて広田くんは去っていく。
すると、さっきまで隣で愛想よくしていた和馬が私の手首を掴む。心底不機嫌そうだ。とりあえずされるがままにしていると、小さな溜息の後、手を離された。
「…外回りお疲れ」
「あ、お疲れ様。和馬もお昼買いに…」
「もしかしてあれが元カレ?」
私の質問に答える気などない様子で食い気味に尋ねられて、頷く。
「あー…うん、一応。偶然会って、声掛けられて」
「…まさか飯誘われたりした?」
「え、すごいね。どうしてわかるの?」
「は?まじかよ」
ここで立ち話を続けてしまうと昼休みが終わってしまうので、会社に向かってゆっくり歩みを進めながら話す。「どの面下げて誘ってんだ馬鹿」と眉間に皺を寄せながら舌打ちをする彼は、さっきとは別人のようで、なんだか笑ってしまいそうになる。
「うん、でもちゃんと断ったよ。結婚してるから無理って」
「…当たり前だ」
「相手はどんな人?って聞かれたから、優しくて私のことよくわかってる人ですとも伝えておいた」
「…それも間違いないな」
相変わらず仏頂面ではあるけれど、少し雰囲気が和らいだのを感じる。
「どうしてあそこにいたの?」
「いや、普通に昼飯買いに来ただけ。そしたら店の前で紗月と知らないやつが話してて、始めはただの知り合いかなと思ってスルーしたんだけど、ちょっとそうじゃなさそうな感じだったから声掛けた」
エレベーターに乗り込む。他に人は居らず、二人だけだ。
目指す5階に到着するまでのほんの何秒か。するっと彼の手を握って「ありがと」と伝えると、握り返された。
仕事中だから、とすぐにその手を解いてから、ふふっと笑うと、彼は私をじろりと横目で見て、「アイツの連絡先、ちゃんとブロックしとけよ」と言う。
エレベーターのドアが開く。
「ねえ、和馬?」
「ん?」
「おうちデートも大好きだけど、今度どっか出掛けたいね」
「…どっか行きたいとこあんの?」
「一緒に行く相手が大事だからなー。場所はどこでもいいなあ」
「ふーん…」
リサーチが得意な彼のことだから、私のこんな些細な一言で、きっと既に頭の中をいろんなデートスポットが駆け巡っていることだろう。
「さて!午後も頑張ろ」
「夕飯何にすっかな」
「え、お昼もまだなのに?たまには私が作るよ」
「うーん、神山が作るのかー。不安だなー」
「えー?菅原だってこの間、美味しいって言って食べてたくせに」
結婚はしたけれど、仕事上はとりあえずそのままの苗字を使う予定だ。お互い、自然と切り替わって、呼び間違えることがまだないのが面白い。軽口を叩き合いながら自分のデスクにつくと、檜山部長から声が掛かる。
「神山ー、戻ってきて早々ごめん。この間 頼んだデータの分析どうなってる?先方が早めに欲しいって言ってきてるんだけど」
「あ、もう終わってます。共有するんで、チェックお願いします」
「うわ、助かる」
コンビニで買ったおにぎりを開封しながら、パソコンを立ち上げる。
「あと、菅原。さっきA社から電話あったから折り返してくれる?」
「あ、付箋見ました。ありがとうございます。今さっきかけたら、納品の時期の確認でした。問題なさそうです」
「おっけー……ご夫婦揃って仕事速くて助かりまーす」
檜山部長がにやにやとこちらに視線を送ってくるのをスルーして、おにぎりに齧り付く。
買ってきたカフェオレにストローを挿すと、スマホがメッセージの受信を知らせた。タップすると、彼からの連絡。
『一緒に行ってみたかった場所。一応見といて』という言葉の後に送られてきたいくつかのURLに、顔がにやけそうになる。
『チェックしておいてくれてたの?』と返信すると『まかせろ!』と力強く親指を立てているよくわからないキャラクターのスタンプが送られてきた。
ー 大事に、されている。
それを感じさせてくれるから、私も彼を大事にしたいと思う。
気の置けない友人のような、戦友のような。でも、二人きりの時は誰よりも甘い恋人であり、パートナー。
今日の夜も二人の時間をちゃんと確保することを目標に。思い切り伸びをしてから、私はパソコンに向かった。
ー完ー
午前中の外回りの後。まもなくお昼だ。
最近、出張や外回りが続いていたけれど、漸く今日でひと段落しそうだ。
再び買いに出るには時間がなさそうだったので、昼食を調達するために会社に戻る前にコンビニに寄った帰り。誰かに名前を呼ばれて顔を上げる。
そこに立っていたのは、白いTシャツにデニム姿の男性。茶色い髪は最後に会った時よりもだいぶ伸びていて、一瞬誰だかわからなかった。でも。
「広田くん…」
そこに立っていたのは元カレ、広田くん。
『もう別れよう。紗月って仕事のことばっかりなんだもん。なんか俺がサボってるみたいで話しててキツいんだよね』
別れてから、すぐに和馬に告白されて付き合い始めたこともあり、なんとなく流してしまっていたけれど、一応同棲しようかななんて考えていた相手でもある。(和馬に言わせると「そんなぽっと出と同棲なんて、ふざけんな。当時の紗月は考えなし過ぎるぞ」らしい。)
でも、メッセージアプリに送られてきた内容は、未だに思い出せる。
ー 割と図星だったんだよね。多分。
だからこそ、お別れのメッセージにも「わかった」としか返信できなかった。
しかし、若干気まずそうにしている私とは裏腹に、広田くんは清々しく微笑む。
「仕事中?」
「あ、うん。戻るところ」
「そっかー、お疲れ様」
それ以上話が続かない。
沈黙の中で、手に持ったレジ袋がかさりと音を立てる。すると、意外にも広田くんが「あのさ…」と話し始めた。
「俺、紗月に最後、嫌なこと言っちゃったなって反省してて」
「嫌なこと?」
「仕事のことばっかり、って」
「ああ…」
否定は、しない。図星ではあったけれど、多少なりとも傷ついたのは事実だったから。
「でもさ、後々よく考えて、それって紗月が頑張ってることそのものを否定するってことだったんだなって思った。勝手に『仕事に本気になるなんてダサい』みたいな自分の尺度に当てはめてただけで…」
「……」
「だから、ごめん」
…仕事に本気になるなんてダサいと思っていた、ということは一度おいておこう。
コンビニの前でする立ち話にしては、ナイーブな内容だ。でも、大切なことなのだと思う。
それぞれの考え方、物事の優先順位がある。それが噛み合わなかっただけ。価値観が違っただけ。どちらが悪いとか、変だとかそういう話ではないのだろう。
ーでも、それがすごく大事。
だからこそ、和馬と出会えてよかったと思う。
顔にかかっていた髪を耳にかけ直して、ちゃんと広田くんの顔を見る。
「…私の方こそ。デートもまともに出来なくて、ごめんね」
「それは確かにちょっと寂しかったけどね」
頭を掻いて、あははっと笑う姿に私もくすっと笑ってしまう。曖昧なままだったことが、思わぬタイミングで決着したような気持ちだ。
すると、広田くんはスマホを手に、はにかみながら言う。
「あのさ、もしよければ今度二人で飯でも行かない?」
「え?あー…えっと…」
「友達が店開いててさ、ここから割と近いかも…」
「いや、あの…」
別れた元カノを二人きりの食事に誘うのは、よくあることなのだろうか。
断られるなんて微塵も思っていない様子で当たり前のように話すのを遮って、手を合わせる。
「ごめん、実はついこの間結婚したので行かない、です」
「え」
広田くんは、「結婚…」と目を丸くする。
「しかも相手はあなたから別れを切り出された日に付き合い出した人です」なんて余計なことは話さずに、丁重にお断りする。
「仕事も相変わらず忙しいし、やっぱりその人との限られた時間を大切にしたいっていうか、うん…だから、無理だと思う」
「いや…まじで…?え、ちゃんと会えてるの?どんな人?」
随分突っ込んだことを聞いてくるなと思ったけれど、確かに、仕事中心の私の生活スタイルに合わせていては、恋人らしいことをするのは難しかったという実感がある分、不思議で仕方ないのだろう。
「優しくて、私のことよくわかってくれてる人、かな…?」
固まったままの広田くんにどんな風に伝えればいいかと悩みつつ、言葉を選んでいたその時。
「あのー、お話中すみません」
急に肩をぽんと叩かれて、割って入ってきたのは。
「え、和馬…?」
「大変申し訳ないです。うちの神山なのですが、時間が迫っておりまして…もし差し支えなければ、このお話は改めさせていただいて、今日のところは失礼してもよろしいでしょうか?」
なぜここに?そしてその適当な言い訳は一体…などという疑問はさておき、タイミングとしてはとても助かった。
所謂、営業モードの和馬ににこやかに、でも有無を言わさない雰囲気で話しかけられて、広田くんはたじろいでいる。
「あ、すいません。じゃあ、紗月、仕事頑張ってね」
「えっ、あ…広田くんもいろいろ頑張って」
まだ何かを話したそうにしつつも、背中を向けて広田くんは去っていく。
すると、さっきまで隣で愛想よくしていた和馬が私の手首を掴む。心底不機嫌そうだ。とりあえずされるがままにしていると、小さな溜息の後、手を離された。
「…外回りお疲れ」
「あ、お疲れ様。和馬もお昼買いに…」
「もしかしてあれが元カレ?」
私の質問に答える気などない様子で食い気味に尋ねられて、頷く。
「あー…うん、一応。偶然会って、声掛けられて」
「…まさか飯誘われたりした?」
「え、すごいね。どうしてわかるの?」
「は?まじかよ」
ここで立ち話を続けてしまうと昼休みが終わってしまうので、会社に向かってゆっくり歩みを進めながら話す。「どの面下げて誘ってんだ馬鹿」と眉間に皺を寄せながら舌打ちをする彼は、さっきとは別人のようで、なんだか笑ってしまいそうになる。
「うん、でもちゃんと断ったよ。結婚してるから無理って」
「…当たり前だ」
「相手はどんな人?って聞かれたから、優しくて私のことよくわかってる人ですとも伝えておいた」
「…それも間違いないな」
相変わらず仏頂面ではあるけれど、少し雰囲気が和らいだのを感じる。
「どうしてあそこにいたの?」
「いや、普通に昼飯買いに来ただけ。そしたら店の前で紗月と知らないやつが話してて、始めはただの知り合いかなと思ってスルーしたんだけど、ちょっとそうじゃなさそうな感じだったから声掛けた」
エレベーターに乗り込む。他に人は居らず、二人だけだ。
目指す5階に到着するまでのほんの何秒か。するっと彼の手を握って「ありがと」と伝えると、握り返された。
仕事中だから、とすぐにその手を解いてから、ふふっと笑うと、彼は私をじろりと横目で見て、「アイツの連絡先、ちゃんとブロックしとけよ」と言う。
エレベーターのドアが開く。
「ねえ、和馬?」
「ん?」
「おうちデートも大好きだけど、今度どっか出掛けたいね」
「…どっか行きたいとこあんの?」
「一緒に行く相手が大事だからなー。場所はどこでもいいなあ」
「ふーん…」
リサーチが得意な彼のことだから、私のこんな些細な一言で、きっと既に頭の中をいろんなデートスポットが駆け巡っていることだろう。
「さて!午後も頑張ろ」
「夕飯何にすっかな」
「え、お昼もまだなのに?たまには私が作るよ」
「うーん、神山が作るのかー。不安だなー」
「えー?菅原だってこの間、美味しいって言って食べてたくせに」
結婚はしたけれど、仕事上はとりあえずそのままの苗字を使う予定だ。お互い、自然と切り替わって、呼び間違えることがまだないのが面白い。軽口を叩き合いながら自分のデスクにつくと、檜山部長から声が掛かる。
「神山ー、戻ってきて早々ごめん。この間 頼んだデータの分析どうなってる?先方が早めに欲しいって言ってきてるんだけど」
「あ、もう終わってます。共有するんで、チェックお願いします」
「うわ、助かる」
コンビニで買ったおにぎりを開封しながら、パソコンを立ち上げる。
「あと、菅原。さっきA社から電話あったから折り返してくれる?」
「あ、付箋見ました。ありがとうございます。今さっきかけたら、納品の時期の確認でした。問題なさそうです」
「おっけー……ご夫婦揃って仕事速くて助かりまーす」
檜山部長がにやにやとこちらに視線を送ってくるのをスルーして、おにぎりに齧り付く。
買ってきたカフェオレにストローを挿すと、スマホがメッセージの受信を知らせた。タップすると、彼からの連絡。
『一緒に行ってみたかった場所。一応見といて』という言葉の後に送られてきたいくつかのURLに、顔がにやけそうになる。
『チェックしておいてくれてたの?』と返信すると『まかせろ!』と力強く親指を立てているよくわからないキャラクターのスタンプが送られてきた。
ー 大事に、されている。
それを感じさせてくれるから、私も彼を大事にしたいと思う。
気の置けない友人のような、戦友のような。でも、二人きりの時は誰よりも甘い恋人であり、パートナー。
今日の夜も二人の時間をちゃんと確保することを目標に。思い切り伸びをしてから、私はパソコンに向かった。
ー完ー
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