第3種接近遭遇 -宇宙人との接触について逆行催眠による調査報告-

悪魔ベリアル

文字の大きさ
25 / 26

【資料C-01】

しおりを挟む
「いやぁ~…、ニュース見たよぉ…っ。」
マスターはグラスを磨きつつ、ユウゾウへ声をかける。

「ユウゾウさん、お手柄じゃないっ♪」
 まさか、アミリさんが宇宙人によって誘拐されたんじゃなくって…。
 菅野とか言う教授の催眠によって、記憶を改ざんされていたなんてねぇ~…っ。」
磨き終えたグラスを棚へ戻し、カウンターに居るユウゾウの方へと振り返る。

「まったく、あの話から良く気が付いたなぁ~っ♪」
感心仕切るマスターに向かって、ユウゾウは無言のままで空のウイスキーを差し出す。
阿吽の呼吸でマスターはグラスを受け取り、新しいウイスキーを準備する。

「"解離性健忘"って、知ってるかい?」
ユウゾウは新しいウイスキーを受け取ると、そのグラスを軽く揺らす。
グラスの中に浮かぶ氷が、心地よい音を鳴らした。

「いやぁ…、よくは知らないケド?」
「ストレスや精神的ダメージで発症する精神のやまいだよ。」
ウイスキーを口に含み、ゆっくりとその薫味と熱さを味わう。

「元々、彼女は月80時間以上の残業勤めをしていた。
 これって、国が定めた"過労死ライン"を超えているんだぜ。
 そんな生活をしている中で、婚約者の浮気。」
滔々と語るユウゾウ、マスターは軽く頷きつつ彼の話を拝聴する。

「婚約破談からの両親の熟年離婚、そんなストレスからの神経調節性失神。
 …それが、街中で宇宙人に誘拐された真相だろうよ。
 こちとら探偵だからな、離婚調停中にそれと同様な理由でぶっ倒れるヤツを何人も見た事がある。」
ユウゾウは語り終えると、グッと大きくグラスを煽った。
一気にウイスキーを呑み干し、グラスをカウンターへ置く。
そして、シャンと身を整えて立ち上がり、懐から酒代を差し出す。

「大方、失神した際に解離性健忘症も発症しただろう。
 パソコンがフリーズした後、再起動に失敗した状態みたいなモンだ。」
「はぁー…、なるほどぉ~っ、そんな事もあるんだねぇ…っ。」
感心仕切った声を出し、マスターはユウゾウが支払った酒代を受け取った。

「でも、催眠治療の様子は録画していたんだろ?
 アミリさんへ行った逆行催眠治療の動画、それには何の不審な箇所も無かったんでしょ?」
マスターをしゃべり続けながらもレジを打ち、ユウゾウへお釣りを手渡す。

「そんなモン…、AI動画とAI音声でいくらでも捏造できる。
 結局、警察の捜査でレイプしている動画も見つかったらしいぜ。
 アミリさんだけじゃなく、治療に訪れていた女性の動画が複数あったらしい。
 大体さぁ~っ♪ この広大な宇宙から、わざわざ地球に来る宇宙人なんて居ないでしょぉ~っ?」
店のドアを開けてくれたマスターへ向かって、ユウゾウは片手を上げて軽い挨拶をしてバーを出た。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

処理中です...