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6 すごい生活ができそうです
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「これはすごいな……」
「こんな巨大な建物が一瞬でできたんですか……?」
「ああ、ここが俺達の拠点だ」
テイマーのレベルが上がったと同時に設定できるようになった拠点は豪邸だった。
レンガ造りの落ち着いた見た目で、広さもかなりある、200坪くらいあるんじゃないか。
2人テイムしただけでできる広さとしては破格の大きさだ、この人数では確実に持て余すほどの広さはある。
普通のテイマーならモンスターが休める程度のちょっとした小屋ができる程度だろうが、俺は人間をテイムできてしまうせいなのかこんなすごい建物ができてしまった。
俺のジョブ、普通のテイマーとは違うけど、なんだかすごいものなのかもしれない。
「ホテルみたいだな、家具から備品まで用意されてる」
「ヤヨイさん、これすごいです、置いてあるお菓子を取るとすぐに補充されます」
「んぐっ、これは旨いな、こんなに旨い焼菓子は初めて食べた」
「口からこぼれてるぞ、飲み込んでからしゃべれよ」
「そうですよ、キレイなお家がいきなり汚れるのは可哀想です」
「こぼしてなんかない、ほら床は綺麗なままだ」
「あれ? 本当だ」
確かにこぼしていた焼菓子の跡は見当たらない、お菓子が補充されるだけでなく、掃除まで自動でやってくれるのか。
それだけじゃない、寝室にはフカフカな布団が用意されていて、一度使うごとにキレイなものに交換される。
部屋数もかなりあって、大きいリビングはもちろん、それぞれの個室も完備されていて、個室の数も5部屋ある。
5部屋あるってことは逆に5人以上テイムすればさらに大きい拠点になるかもしれないってことだよな。
ワクワクしてきた。
このジョブをもっと知りたくなってきた。
もっともっといろんな人をテイムしてみよう。
テイムできそうな人は片っ端からテイムして、この拠点を大きくしよう。
「あー!!」
ナイナの叫び声をあげた、ヤヨイを指差して驚いている。
「それは魔導石! なんでヤヨイさんがこんなもの持ってるんですか?」
どうやらオーガゴブリンを倒した時に手に入れた琥珀色の石について驚いているらしい。
「なんだ、この石レアなものだったのか」
「これはファーマーにとっては命と同じくらい貴重なもので、なんでこんないいものをヤヨイさんが持ってるんですか?」
「ちょっと前にモンスターを倒したらそいつが落としたんだ、そんなに欲しいならやるぞ」
「えぇぇぇぇぇ! 本当ですか?」
オドオドしてたナイナがウソのようにヤヨイに向けて顔を突き出して、欲しいものを買ってもらう前の子供のようにはしゃいでいる。
「ナイナ、その魔導石っていうのはそんなにすごいものなのか?」
ナイナは質問した俺に振り向きにっこりと笑った。
「はい、せっかくなんで使わせて貰います! ちょっと外に行きましょう!」
ナイナに連れられて、拠点の外に出た。
拠点が建ったといっても、まだまだ荒地の広がる景色だ、せっかくすごい建物があっても少し殺風景に感じる。
ナイナは外の風景を見渡して地面を見ながら移動してる。
「ここにします」
拠点のすぐ近くに移動すると、地面を軽く掘って、魔導石を置いた。
「ヤヨイさん、本当に貰っちゃいますね」
「ああ、好きにしろ」
ナイナの身体がぼんやりと白く輝きだした、魔力が溢れ出してるようだ。
「さっきから力がすごく溢れてくるんです、これならいつも以上のものができる」
両手を空に向けかざすと白い魔力はナイナを離れ上昇していき、頭上にただっている。
「えいっ!」
掛け声と共に手を振り下ろすと、頭上の魔力は四方に散らばり地面についた。
幻想的でショーを見てるみたいだ。
散らばった魔力はそれぞれ粒状になり、ナイナを中心に正方形に形取った。
「魔導石があるとここから凄いんです」
ナイナの言葉に反応するように魔導石が光沢を帯びてきた。
それに合わせて地面に散らばった魔力の粒も光りだす。
ナイナを中心とした地面の正方形のフィールドが輝き光の粒子が徐々に上空に立ち上り出した。
「凄まじいな……」
「なぁロジカ、ナイナはモンスターでも召喚するのか?」
「何してるかわからないけど、そういうことではないと思うよ」
ヤヨイの気持ちもわかるくらいすごい魔力が立ち上っている。
輝く地面から一斉に蔦が伸びてきた。
「植物だ」
蔦はぐんぐん成長し、俺の身長くらいの高さまで伸びると、花が咲き、果実を作り出した。
わかった、これはトマトだ。
真っ赤で赤くみずみずしい見るからに上質なトマトが実っている。
「出来上がりです、美味しいトマトができたと思うので召し上がってください」
もぎ取ったトマトをナイナから受け取り、一口くわえて見た。
口触りのハリだけで普段口にするトマトとは違うことがわかる、かぶりついただけで水風船のように破裂するんじゃないかというくらい、充満している。
頬ずりしたくなるような表面に大口でかじりつくと、果肉の心地よい弾力の後からジューシーなトマトジュースが口の中に飛び込んできた。
口が喜んでる、なんていい口当たりなんだ、そしてこのトマトの清涼感、採れたてってことを抜きにしても美味すぎる。
一瞬だった、食べ慣れたトマトを我を忘れて貪ってしまった。
「もっとくれ! こんな美味いトマト初めてだ!」
ヤヨイも踊りだしそうなくらいトマトの旨味に酔いしれていた。
「試しに作って見ましたけど、大成功ですね、魔導石は生命力を産み出す石なので、ファーマーが使うとこうやって美味しい野菜などが作れるんです」
魔導石ってそんなにすごいものだったのか。
でもこんなに美味いトマトが作れるナイナだってすごい、もっとほかの野菜も食べて見たい。
大きい拠点に美味い飯、この生活最高なんじゃないか。
「こんな巨大な建物が一瞬でできたんですか……?」
「ああ、ここが俺達の拠点だ」
テイマーのレベルが上がったと同時に設定できるようになった拠点は豪邸だった。
レンガ造りの落ち着いた見た目で、広さもかなりある、200坪くらいあるんじゃないか。
2人テイムしただけでできる広さとしては破格の大きさだ、この人数では確実に持て余すほどの広さはある。
普通のテイマーならモンスターが休める程度のちょっとした小屋ができる程度だろうが、俺は人間をテイムできてしまうせいなのかこんなすごい建物ができてしまった。
俺のジョブ、普通のテイマーとは違うけど、なんだかすごいものなのかもしれない。
「ホテルみたいだな、家具から備品まで用意されてる」
「ヤヨイさん、これすごいです、置いてあるお菓子を取るとすぐに補充されます」
「んぐっ、これは旨いな、こんなに旨い焼菓子は初めて食べた」
「口からこぼれてるぞ、飲み込んでからしゃべれよ」
「そうですよ、キレイなお家がいきなり汚れるのは可哀想です」
「こぼしてなんかない、ほら床は綺麗なままだ」
「あれ? 本当だ」
確かにこぼしていた焼菓子の跡は見当たらない、お菓子が補充されるだけでなく、掃除まで自動でやってくれるのか。
それだけじゃない、寝室にはフカフカな布団が用意されていて、一度使うごとにキレイなものに交換される。
部屋数もかなりあって、大きいリビングはもちろん、それぞれの個室も完備されていて、個室の数も5部屋ある。
5部屋あるってことは逆に5人以上テイムすればさらに大きい拠点になるかもしれないってことだよな。
ワクワクしてきた。
このジョブをもっと知りたくなってきた。
もっともっといろんな人をテイムしてみよう。
テイムできそうな人は片っ端からテイムして、この拠点を大きくしよう。
「あー!!」
ナイナの叫び声をあげた、ヤヨイを指差して驚いている。
「それは魔導石! なんでヤヨイさんがこんなもの持ってるんですか?」
どうやらオーガゴブリンを倒した時に手に入れた琥珀色の石について驚いているらしい。
「なんだ、この石レアなものだったのか」
「これはファーマーにとっては命と同じくらい貴重なもので、なんでこんないいものをヤヨイさんが持ってるんですか?」
「ちょっと前にモンスターを倒したらそいつが落としたんだ、そんなに欲しいならやるぞ」
「えぇぇぇぇぇ! 本当ですか?」
オドオドしてたナイナがウソのようにヤヨイに向けて顔を突き出して、欲しいものを買ってもらう前の子供のようにはしゃいでいる。
「ナイナ、その魔導石っていうのはそんなにすごいものなのか?」
ナイナは質問した俺に振り向きにっこりと笑った。
「はい、せっかくなんで使わせて貰います! ちょっと外に行きましょう!」
ナイナに連れられて、拠点の外に出た。
拠点が建ったといっても、まだまだ荒地の広がる景色だ、せっかくすごい建物があっても少し殺風景に感じる。
ナイナは外の風景を見渡して地面を見ながら移動してる。
「ここにします」
拠点のすぐ近くに移動すると、地面を軽く掘って、魔導石を置いた。
「ヤヨイさん、本当に貰っちゃいますね」
「ああ、好きにしろ」
ナイナの身体がぼんやりと白く輝きだした、魔力が溢れ出してるようだ。
「さっきから力がすごく溢れてくるんです、これならいつも以上のものができる」
両手を空に向けかざすと白い魔力はナイナを離れ上昇していき、頭上にただっている。
「えいっ!」
掛け声と共に手を振り下ろすと、頭上の魔力は四方に散らばり地面についた。
幻想的でショーを見てるみたいだ。
散らばった魔力はそれぞれ粒状になり、ナイナを中心に正方形に形取った。
「魔導石があるとここから凄いんです」
ナイナの言葉に反応するように魔導石が光沢を帯びてきた。
それに合わせて地面に散らばった魔力の粒も光りだす。
ナイナを中心とした地面の正方形のフィールドが輝き光の粒子が徐々に上空に立ち上り出した。
「凄まじいな……」
「なぁロジカ、ナイナはモンスターでも召喚するのか?」
「何してるかわからないけど、そういうことではないと思うよ」
ヤヨイの気持ちもわかるくらいすごい魔力が立ち上っている。
輝く地面から一斉に蔦が伸びてきた。
「植物だ」
蔦はぐんぐん成長し、俺の身長くらいの高さまで伸びると、花が咲き、果実を作り出した。
わかった、これはトマトだ。
真っ赤で赤くみずみずしい見るからに上質なトマトが実っている。
「出来上がりです、美味しいトマトができたと思うので召し上がってください」
もぎ取ったトマトをナイナから受け取り、一口くわえて見た。
口触りのハリだけで普段口にするトマトとは違うことがわかる、かぶりついただけで水風船のように破裂するんじゃないかというくらい、充満している。
頬ずりしたくなるような表面に大口でかじりつくと、果肉の心地よい弾力の後からジューシーなトマトジュースが口の中に飛び込んできた。
口が喜んでる、なんていい口当たりなんだ、そしてこのトマトの清涼感、採れたてってことを抜きにしても美味すぎる。
一瞬だった、食べ慣れたトマトを我を忘れて貪ってしまった。
「もっとくれ! こんな美味いトマト初めてだ!」
ヤヨイも踊りだしそうなくらいトマトの旨味に酔いしれていた。
「試しに作って見ましたけど、大成功ですね、魔導石は生命力を産み出す石なので、ファーマーが使うとこうやって美味しい野菜などが作れるんです」
魔導石ってそんなにすごいものだったのか。
でもこんなに美味いトマトが作れるナイナだってすごい、もっとほかの野菜も食べて見たい。
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