34 / 36
34 暗雲の中から現れたもの
しおりを挟む
暗い空の闇がより深くなり、まるで何者かが近づいて来てるように地響きもさらに強くなってきた。
ディスティーの一声で会場中に立ち込めていた不安は一転し、試合への関心に変わったが、この異常な状況を無視してて大丈夫なのか……?
審判の手が上がる。
不安が解消されないまま決勝が始まってしまった。
ヤヨイは剣を軽く振った。
顔色は徐々に良くなって来てる。
フラつきも無くなったけど、さっきまで起きられないほどの体調だったんだ、まともに戦うことなんて難しいだろう……
ディスティーは全てを受けきると宣言しているかのように、下段に剣を構えて、ヤヨイを待ち構えている。
ヤヨイはディスティーに向かっていく。
スピードがいままでと比べて明らかに遅い、やっぱり万全とは程遠い状態だ……
見え見えの攻撃でヤヨイがディスティーの頭部に斬りかかる。
ディスティーは余裕でヤヨイの攻撃を受けとめた。
「こんなものか!?」
ディスティーは剣もろともヤヨイを弾き飛ばした。
飛ばされたヤヨイは床に倒れこむ。
「うう……」
ヤヨイがうめき声をあげる……
「もういい、止めろ! 棄権するんだ!」
見ていられない、いっそはじきかえさずに、プロテクターを攻撃してくれればよかったのに……
ヤヨイは苦しみながらも、立ち上がろうとしている。
「どうした? 先の戦いで全てを出し尽くしたか?」
ディスティーがヤヨイを煽ってくる。
「……」
普段ならそれに向かっていくヤヨイだけど、そんな状態じゃとてもない。
「見せてみろ、先の戦いで見せた力を!」
ディスティーはバースト状態のヤヨイと戦いたいのか……?
ヤヨイが立ち上がろうとするが、立てずにいた。
「絶対に、勝つ……」
唇を噛み締めながら、ヤヨイはもう一度立ち上がろうとする。
なんで、そこまでやろうとするんだ……
《ヤヨイが追い詰められてます、バーストを使いますか?》
使う訳ないだろ……
でも……
ここまでしようとするほどヤヨイが求めてることを、俺がバーストをさせなければ、できなくなる。
どっちだ……
どっちが本当にヤヨイのためになる……
バーストをもう一度使ったら下手したらヤヨイは命に関わるかもしれない、ならやるべきじゃないのはもちろん分かるけど。
ディスティーがヤヨイに近づいて来ている。
「期待はずれだったようだな」
ヤヨイは腕で身体を起こすのがやっとで、起き上がれない。
ディスティーの言葉に悔しそうに唇を噛みしめることしか、できていなかった。
これまでか……
ディスティーはヤヨイの前で剣を振り上げた。
会場が静かになった。
大剣士練劇会がこれで終わる……
会場中の全員がそう思っていたはずだった。
試合場が青白い光で照らされた。
雷のような音がバリバリと間近で鳴っている。
ディスティーは光のさす方を向いていた。
「何者だ?」
大庭から見える城の屋上部辺りから青白く発行する人影が見える。
その人影は屋上から試合場に飛び降りて来た。
すごい高さからの落下で試合場の床はヒビが入り、石材で作られた床の破片が飛び散った。
「モンスターだ!」
観客の誰かの叫び声が聞こえた。
青白い電流をまとった二足歩行の獅子のモンスターが、会場に現れた。
なんだこいつ?
なんで突然こんなモンスターが現れたんだ?
会場は一気に騒然とした。
観客達は一斉に逃げようとするが、出口が混雑し揉み合いになっている。
「敵襲だぞ! 配置員はどうした!?」
会場にいる騎士団員が叫んでいる。
「ダメだ、外は全滅です!」
全滅?
祭の開催で、城の周りはいつも以上に警戒されていた、騎士団やそれ以外の警備員達もいたはずだけど、全員このモンスターにやられたのか?
試合場に飛び込んで来たモンスターとディスティーは向き合っている。
騎士団員の一人がディスティーに近づき、試合用の模擬剣と本物の剣を交換した。
「残念だが、試合はお預けだ」
ディスティーは、モンスターと向き合ったまま、横に座り込むヤヨイに話しかけた。
「いいのか? 伝統の行事で何があっても実施すると言ってたのに」
こんな事態に空気を読まずヤヨイが問いかけた。
「我々騎士団の本質は王を守護し、国民を安全に暮らすよう勤めることだ、その本質の前では一大会の栄誉など、あまりにも軽い」
王は騎士団に周囲を囲まれて、護られている。
こんな状況でも王は騎士団を信じてるのか、微動だにせず、真面目な顔で、モンスターとディスティーの向き合う様を見ている。
ディスティーがモンスターに向かっていった。
「国は違えどあなたも我々が護るべき対象だ、離れていてくれ」
そういうとディスティーはヤヨイを一瞬見た後に俺と目を合わせ、すぐにモンスターと向き合う。
俺がヤヨイを連れてこの場所から離れろってことか。
ディスティーがモンスターにぶつかっていった。
モンスターとヤヨイに距離ができた、今だ!
急いで、ヤヨイに駆け寄り、抱きかかえ、試合場の端へヤヨイを連れ出した。
まだ、十分な距離とは言えないが最低限巻き添えは食わないくらいには離れたはず……
「何をする! あのモンスターを倒すんだ!」
案の定ヤヨイはまだ戦うつもりだったみたいだ。
「もう無理だ、立てもしないのに」
「くっ……」
こんな状況で、十分に動けない自分が悔しいのか、ヤヨイは俺から顔を背けた。
そんな俺達にひとりの騎士団が護りに駆けつけて来た。
「ディスティーは強い、我らが騎士団で一番の守備力を誇る男だ、安心して見ているといい」
試合でなければヤヨイはお姫様だから護るべき存在ってことなのか……
ディスティーは王からも仲間達からの信頼も厚いみたいだ、モンスターは強そうだけど、なんとかしてくれるかも。
ディスティーとモンスターは力比べをするように組み合っている。
身体の大きさはモンスターが若干大きいが、力は互角か、膠着状態が続いている。
「うおおおおお!」
ディスティーが仕掛けた。
力強く踏み込みモンスターを押すと、剣を両手で持ち、斬りかかった。
風を切る音が鳴った。
剣は空振りってしまった。
モンスターがいない。
今のタイミングで躱したのか……
ディスティーの頭上が眩く光る。
光の先から青白い電流をより激しく身体にまといモンスターが現れた。
ディスティーはモンスターからの攻撃に備えて剣を構えた。
モンスターが、ディスティーに向け腕を振り下ろした。
それはまるで青白い雷だった。
剣での防御など何の意味も持たず、ディスティーの身体は地面に叩きつけられた。
激しく地面に打ち付けられたディスティーは反動でモンスターの目線まで浮き上がり、頭をモンスターに掴まれた。
ディスティーの身体はだらりと力を失っている……
モンスターはディスティーの顔を見て意識が無いことを確認したようだ。
「そ、そんな……」
ヤヨイの護衛についた騎士団が、余りの状況に言葉を失った。
騎士団のエースがたった一瞬で……
実力の差を感じ取るのにそれ以上は必要なかった。
会場がさらに混乱に包まれた。
辺りから悲鳴のような声が聞こえてくる。
「ロジカ……」
ヤヨイが俺の服を掴んで話しかけてきた。
「さっきの不思議な力をもう一度私に使うんだ」
ディスティーの一声で会場中に立ち込めていた不安は一転し、試合への関心に変わったが、この異常な状況を無視してて大丈夫なのか……?
審判の手が上がる。
不安が解消されないまま決勝が始まってしまった。
ヤヨイは剣を軽く振った。
顔色は徐々に良くなって来てる。
フラつきも無くなったけど、さっきまで起きられないほどの体調だったんだ、まともに戦うことなんて難しいだろう……
ディスティーは全てを受けきると宣言しているかのように、下段に剣を構えて、ヤヨイを待ち構えている。
ヤヨイはディスティーに向かっていく。
スピードがいままでと比べて明らかに遅い、やっぱり万全とは程遠い状態だ……
見え見えの攻撃でヤヨイがディスティーの頭部に斬りかかる。
ディスティーは余裕でヤヨイの攻撃を受けとめた。
「こんなものか!?」
ディスティーは剣もろともヤヨイを弾き飛ばした。
飛ばされたヤヨイは床に倒れこむ。
「うう……」
ヤヨイがうめき声をあげる……
「もういい、止めろ! 棄権するんだ!」
見ていられない、いっそはじきかえさずに、プロテクターを攻撃してくれればよかったのに……
ヤヨイは苦しみながらも、立ち上がろうとしている。
「どうした? 先の戦いで全てを出し尽くしたか?」
ディスティーがヤヨイを煽ってくる。
「……」
普段ならそれに向かっていくヤヨイだけど、そんな状態じゃとてもない。
「見せてみろ、先の戦いで見せた力を!」
ディスティーはバースト状態のヤヨイと戦いたいのか……?
ヤヨイが立ち上がろうとするが、立てずにいた。
「絶対に、勝つ……」
唇を噛み締めながら、ヤヨイはもう一度立ち上がろうとする。
なんで、そこまでやろうとするんだ……
《ヤヨイが追い詰められてます、バーストを使いますか?》
使う訳ないだろ……
でも……
ここまでしようとするほどヤヨイが求めてることを、俺がバーストをさせなければ、できなくなる。
どっちだ……
どっちが本当にヤヨイのためになる……
バーストをもう一度使ったら下手したらヤヨイは命に関わるかもしれない、ならやるべきじゃないのはもちろん分かるけど。
ディスティーがヤヨイに近づいて来ている。
「期待はずれだったようだな」
ヤヨイは腕で身体を起こすのがやっとで、起き上がれない。
ディスティーの言葉に悔しそうに唇を噛みしめることしか、できていなかった。
これまでか……
ディスティーはヤヨイの前で剣を振り上げた。
会場が静かになった。
大剣士練劇会がこれで終わる……
会場中の全員がそう思っていたはずだった。
試合場が青白い光で照らされた。
雷のような音がバリバリと間近で鳴っている。
ディスティーは光のさす方を向いていた。
「何者だ?」
大庭から見える城の屋上部辺りから青白く発行する人影が見える。
その人影は屋上から試合場に飛び降りて来た。
すごい高さからの落下で試合場の床はヒビが入り、石材で作られた床の破片が飛び散った。
「モンスターだ!」
観客の誰かの叫び声が聞こえた。
青白い電流をまとった二足歩行の獅子のモンスターが、会場に現れた。
なんだこいつ?
なんで突然こんなモンスターが現れたんだ?
会場は一気に騒然とした。
観客達は一斉に逃げようとするが、出口が混雑し揉み合いになっている。
「敵襲だぞ! 配置員はどうした!?」
会場にいる騎士団員が叫んでいる。
「ダメだ、外は全滅です!」
全滅?
祭の開催で、城の周りはいつも以上に警戒されていた、騎士団やそれ以外の警備員達もいたはずだけど、全員このモンスターにやられたのか?
試合場に飛び込んで来たモンスターとディスティーは向き合っている。
騎士団員の一人がディスティーに近づき、試合用の模擬剣と本物の剣を交換した。
「残念だが、試合はお預けだ」
ディスティーは、モンスターと向き合ったまま、横に座り込むヤヨイに話しかけた。
「いいのか? 伝統の行事で何があっても実施すると言ってたのに」
こんな事態に空気を読まずヤヨイが問いかけた。
「我々騎士団の本質は王を守護し、国民を安全に暮らすよう勤めることだ、その本質の前では一大会の栄誉など、あまりにも軽い」
王は騎士団に周囲を囲まれて、護られている。
こんな状況でも王は騎士団を信じてるのか、微動だにせず、真面目な顔で、モンスターとディスティーの向き合う様を見ている。
ディスティーがモンスターに向かっていった。
「国は違えどあなたも我々が護るべき対象だ、離れていてくれ」
そういうとディスティーはヤヨイを一瞬見た後に俺と目を合わせ、すぐにモンスターと向き合う。
俺がヤヨイを連れてこの場所から離れろってことか。
ディスティーがモンスターにぶつかっていった。
モンスターとヤヨイに距離ができた、今だ!
急いで、ヤヨイに駆け寄り、抱きかかえ、試合場の端へヤヨイを連れ出した。
まだ、十分な距離とは言えないが最低限巻き添えは食わないくらいには離れたはず……
「何をする! あのモンスターを倒すんだ!」
案の定ヤヨイはまだ戦うつもりだったみたいだ。
「もう無理だ、立てもしないのに」
「くっ……」
こんな状況で、十分に動けない自分が悔しいのか、ヤヨイは俺から顔を背けた。
そんな俺達にひとりの騎士団が護りに駆けつけて来た。
「ディスティーは強い、我らが騎士団で一番の守備力を誇る男だ、安心して見ているといい」
試合でなければヤヨイはお姫様だから護るべき存在ってことなのか……
ディスティーは王からも仲間達からの信頼も厚いみたいだ、モンスターは強そうだけど、なんとかしてくれるかも。
ディスティーとモンスターは力比べをするように組み合っている。
身体の大きさはモンスターが若干大きいが、力は互角か、膠着状態が続いている。
「うおおおおお!」
ディスティーが仕掛けた。
力強く踏み込みモンスターを押すと、剣を両手で持ち、斬りかかった。
風を切る音が鳴った。
剣は空振りってしまった。
モンスターがいない。
今のタイミングで躱したのか……
ディスティーの頭上が眩く光る。
光の先から青白い電流をより激しく身体にまといモンスターが現れた。
ディスティーはモンスターからの攻撃に備えて剣を構えた。
モンスターが、ディスティーに向け腕を振り下ろした。
それはまるで青白い雷だった。
剣での防御など何の意味も持たず、ディスティーの身体は地面に叩きつけられた。
激しく地面に打ち付けられたディスティーは反動でモンスターの目線まで浮き上がり、頭をモンスターに掴まれた。
ディスティーの身体はだらりと力を失っている……
モンスターはディスティーの顔を見て意識が無いことを確認したようだ。
「そ、そんな……」
ヤヨイの護衛についた騎士団が、余りの状況に言葉を失った。
騎士団のエースがたった一瞬で……
実力の差を感じ取るのにそれ以上は必要なかった。
会場がさらに混乱に包まれた。
辺りから悲鳴のような声が聞こえてくる。
「ロジカ……」
ヤヨイが俺の服を掴んで話しかけてきた。
「さっきの不思議な力をもう一度私に使うんだ」
0
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる