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3-Love doesn't stop-
69高塚くんの愛が爆発した①
しおりを挟むナチュラル王子は意外と強かで情熱的だとわかったところで、莉乃はこれからどうしようか考える。
嬉しそうに抱きしめられながら、ときおり唇の感触を味わいながら、そもそもまだ話し合いもないまま、なぜこの人はこんなにキスを落としてくるのだろうとは思うのだけど。
だって、まだ自分の気持ちを伝えてはいない。
なのに、こうして莉乃がいるだけで幸せだとばかりに表現されると、その行為も止めにくい。
まごまごとする莉乃を畳み掛けるように、高塚くんが莉乃の逃げ道を埋めてくる。
「今日、りのが付いてきてくれたということは、嫌われたわけではないであってる?」
「……うん」
「こうしてても嫌じゃない?」
「…………うん」
「家までついてきてくれたのは期待してもいい?」
「……………………」
すっごく考えた。期待って、どう期待?
えっ、どう返事をしたらいいの?
普通に今までの流れを考えたら、好きの告白の返事だろうし、昨日のこととか話すことがあるからなのだけど。
トクトクトクトク、と高塚くんの鼓動が早いことが、足の間に入り体臭と香水の香りに包まれて逃げきれない状態が、目にする初めての景色が高塚くんの部屋なのだと改めて理解すると、二人っきりだということを意識する。
年頃の男女であるのだと意識すると、ドコドコドコドコとやけに心臓が早くなる。
「りぃの」
答えて、と耳元で囁かれる。
「うっ、ひゃぃ」
やめて。その声弱いんだって。ちょっと掠れた声とかせこい。魅惑ボイスもいいところだ。
「可愛い。で、りのどうなの?」
話している最中も、ずっと落とされるキス。ときおり、耳をかすっていく。これは決定だ。絶対、確信犯だ。
「……それ、やめて」
「なにを?」
優しく触れられるそれは、大事にしたい、大事にする、怖がらないでと言われているようで、莉乃の行動を封じてくる。
一度、自分勝手に振り払って傷つけた前科のある莉乃は、そうされるともう何も抵抗できない。
しかも、昨日の話。まだ24時間も経っていなくて、こうすることで高塚くんが落ち着くのならって思ってしまう。
それでも耳に触れる唇の感触とかは生々しすぎて、初心な莉乃には対処できない。
「……耳元で話すの」
「なら、言ってりの。俺は期待していい?」
「……うぅっ」
「りぃの」
「………………はぁっ。わかった。言うから。本当に耳で話すのはやめてほしい!!」
「検討はする」
「け、検討?」
「そう。話してくれないと止めない」
脅しだろうか?
結局止めてくれるのか止めてくれないのかわからないまま、話す以外の選択肢はない。
「……その、もう一度、話し合いたいって。誤解があるというなら、それを知ってそういうのをはっきりさせた上で、また一緒にいたいって思った」
まだ好きという勇気はない。だけど、それに近い気持ちは伝えられたと思うので、これで勘弁してほしい。ほいほい誰にでもついてくると思われるのも嫌だったし。
一緒にいたいって、結局そういうことなんだよね。
自分で口に出してみて、やっと高塚くんが今までの言葉を信じられたというか。好きだから、一緒にいたいって。
好きって怖いなっ。
話してから、見極めてからって思っていても、もう莉乃の気持ちなんてだいたいは伝わっているのじゃないだろうかってくらい、自分の態度は緩い。
追い詰められていても、そのこと自体に好かれているのだと実感できて安心もしている。
そういのが漏れ出していて、莉乃が明確な言葉を口に出す前に空気が甘くなっている。
結局は、好きだからこそなんでも、は言い過ぎだけど、ある程度は許してしまう。許してしまいたい、信じたいって気持ちが働いて、勝手に気持ちがほぐれていってしまうのだ。
すでに高塚くんのことで莉乃もいっぱいだった。
どうやったら傷つけた分だとか、この不安とともに喜びを伝えられるか考えているのに、莉乃の葛藤など些細なものだとばかりに、高塚くんが言葉を選ばない。気持ちを隠さない。
はぁぁっ、と感極まった吐息とともに高塚くんが耳元で話してくる。
「りのがこの部屋に、そして俺の腕の中にいるのとか信じられない」
ぞくりとする感覚を逃しながら、そっと後ろに視線をやった。
へにょっと眉を下げながら、隙間なんてなくなればいいとばかりにまたへばりつかれる。
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