別の形で会い直した宿敵が結婚を迫って来たんだが

まっど↑きみはる

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決断

魔人VS魔人

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 ヴィシソワはスパチーを見るや、ニヤリと笑う。

「なるほどなるほど、懐かしい魔力を感じる」

「何言ってんだお前! 魔人だろ!! 勝負しろ!!!」

「いいでしょう! ここでは目立ちますから、離れた場所で戦いましょうか」

 地上に降り立ったばかりだというのに、ヴィシソワはまた空を飛び、ラミッタ以外の全員に魔法を掛ける。

 すると、皆は宙にふわりと浮き、驚愕した。

 中でも、空を飛んでみたいと言っていたマルクエンは興奮して空からの視界を見ている。

「お、おぉ!? 飛んでいる、飛んでいるぞ!! というかヴィシソワさん! 私も飛ぶ事が出来るなら言ってくださいよ!」

「疲れるんですよ、これ」

 涼しい顔をしながら、ヴィシソワはマルクエンに返した。

 ルサークとデルタは、見慣れない空の景色に震え、街からさらに離れた場所までやってきた。

「ふむ、ここでいいでしょう。ラミッタさん、スパチーさんの拘束を解いて下さい」

「えぇ、わかりました」

 ラミッタは魔法の拘束を解いてやった。

 すると、スパチーは笑顔になりだし、大声を上げた。

「何か体がヘンじゃないぞ!」

「さて、それじゃ勝負をしましょうか? スパチーさん」

「やってやるぞー!!!」

 スパチーは魔力を使って剣を具現化させ、右手に構えた。

 対するヴィシソワは、マルクエンやラミッタとの訓練の際に使っていた槍も盾も見当たらない。丸腰だ。

「お前、武器ないのか?」

「ご心配なく。あなた程度には武器も必要ありません」

「コイツ!! ムカつくぞ!!」

 スパチーが右腕を天に掲げると、そこから雷の魔法が飛び出す。

 三本の太い稲妻は、ヴィシソワを正確に貫いたが、

「この程度ですか?」

 全く動じないヴィシソワ。その態度はスパチーを更に激高させた。

「この野郎!!」

 右手の剣を斜め下に構えて斬り上げようと突進するスパチー。

 その振り上げられた刃をサッとかわして、カウンターに蹴りを入れられる。

 吹き飛んで木に激突したスパチーは地面に一度倒れた後に起き上がった。

「もう絶対に許さないかんな!」

 光弾や火、氷といった魔法の詰め合わせを自身の頭上から飛ばすスパチー。

 ヴィシソワは分厚い魔法の防御壁を展開してそれらを防ぎ、そのまま前へゆっくりと歩き出す。

 魔法の牽制を、物ともせずにゆっくりと近付くヴィシソワにスパチーは焦りを覚えた。

「っぐ、くそっ!」

 更に魔法の攻撃を強めるが、ヴィシソワに傷一つ与えられない。

「お前っ!! 生意気だぞ!!」

 再度、剣を構えて突撃するスパチーだったが、軽くいなされ、振り下ろされた拳で地面に倒れる。

「っぐ!!」

 倒れたスパチーの顔を足でゆっくりと踏みつけてヴィシソワは言う。

「雑魚、ですね」

「違う!! 私は雑魚じゃない!!」

 足の踏みつける力を更に強めるヴィシソワ。

 見ていられなくなったルサークとデルタが何か言いたげだったが、ここは黙って見ておく。
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