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第17話 崩壊~SIDEグローヴ侯爵家~
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さて、エリゼのいなくなった実家ではひたひたと崩壊の足音が近づいてきていた。
エリゼは9歳で呪いを植えられた身となり、実家であるグローヴ侯爵家で虐げられてきた。
そんなエリゼのことを唯一見守り、優しく接していたのは兄のブライアンだった。
彼はエリゼがご飯をまともに与えられないのを見て、こっそりとキッチンから食事を取ってきて分け与えたり、洋服の差し入れなどをしていた。
そんな彼がなんと病に伏せってしまったのだ。
当然後継ぎである彼の病は両親を悩ませ、そして特に溺愛していた母親の精神を蝕んだ。
母親であるベラは毎日酒に溺れるようになり、社交界など表舞台からも姿を消した。
「くそっ! どうしてブライアンが……」
「ブライアン……」
ベラはもうブライアンが眠っている部屋から出ずにつききりで眺めていた。
ただ、彼女自身が看病をするわけではなくベラはひたすら酒を煽って現実から逃げている。
その横でブライアンの容体について医師に確認するグローヴ侯爵。
「もってあと2年かと思われます。ただ、かなり危険な状態です」
「なぜ……」
グローヴ侯爵は苛立ちながら近くに合ったテーブルを拳で殴りつけると、その足で去っていった。
もはや妻であるベラのことなど見てもいなかった。
そして数日後、事態はさらに悪化することとなる。
グローヴ侯爵は長年領地の税を不当に搾取して、富を得ていたがそのことがついに王国にバレたのだ。
急いでその証拠を処分しようと探しているが、なぜかその書類が見当たらないのだ。
「なぜだああーーーー!!!!!!!」
グローヴ侯爵は書類を机中のみならず部屋中にまき散らして頭を抱えている。
書類をビリビリに引きちぎり、そして床に叩きつける様子をメイドや執事たちは恐ろしそうに眺めていた。
「なぜあのことがバレたんだ……終わりだ……」
すると、騎士長であるセドリックがグローヴ侯爵の目の前に現れて彼に向かって言い放った。
「グローヴ侯爵、領地での不当な税金徴収ならびに王国への虚偽の報告、納税。そして隣国への情報漏洩の件で話があります。ご同行願えますか?」
「くそっ!!」
「それと、ブライアン様のことは王国で治療いたしますので、どうぞご心配なさらないでください」
それだけ告げると、セドリックは王宮へと戻っていった。
◇◆◇
「ブライアンお兄様っ!」
「エリゼ……」
王宮の医務管理室の隣にある病室にて、エリゼとブライアンは再会した。
数ヵ月ぶりの再会であったため、二人とも嬉しさが止まらない。
そんな二人を見ながら、ジェラルドは騎士長であるセドリックに耳打ちする。
「エリゼの兄上の病気の具合は悪いのか?」
「余命を申告されたそうですが、どうやらあまり評判のよくない医師だったらしく王宮所属の医師に見てもらったら、風邪をこじらせたようでした」
「そうか」
「ただ、あまり体自体は丈夫ではないため、しっかりと治療をする必要はありそうです」
すると、ジェラルドは少し聞きづらそうにしながら、セドリックに問う。
「念のため聞くが、エリゼの兄上は不正に関与していないのだな?」
「はい。彼は全く関与しておらず、むしろエリゼ様の支援をしたり、それから父親の暴走を止めようとしていたようでした」
「……そうか」
それを聞いて少し安心したジェラルドは、エリゼのもとに近寄る。
「エリゼ、兄上はもう大丈夫だ。うちの医師にかかればじきによくなるだろうと」
「ジェラルド様、ありがとうございます!」
頭を下げるエリゼに「とんでもないよ」と返事をするジェラルドに、兄ブライアンも重ねてお礼を言うのだった。
エリゼは9歳で呪いを植えられた身となり、実家であるグローヴ侯爵家で虐げられてきた。
そんなエリゼのことを唯一見守り、優しく接していたのは兄のブライアンだった。
彼はエリゼがご飯をまともに与えられないのを見て、こっそりとキッチンから食事を取ってきて分け与えたり、洋服の差し入れなどをしていた。
そんな彼がなんと病に伏せってしまったのだ。
当然後継ぎである彼の病は両親を悩ませ、そして特に溺愛していた母親の精神を蝕んだ。
母親であるベラは毎日酒に溺れるようになり、社交界など表舞台からも姿を消した。
「くそっ! どうしてブライアンが……」
「ブライアン……」
ベラはもうブライアンが眠っている部屋から出ずにつききりで眺めていた。
ただ、彼女自身が看病をするわけではなくベラはひたすら酒を煽って現実から逃げている。
その横でブライアンの容体について医師に確認するグローヴ侯爵。
「もってあと2年かと思われます。ただ、かなり危険な状態です」
「なぜ……」
グローヴ侯爵は苛立ちながら近くに合ったテーブルを拳で殴りつけると、その足で去っていった。
もはや妻であるベラのことなど見てもいなかった。
そして数日後、事態はさらに悪化することとなる。
グローヴ侯爵は長年領地の税を不当に搾取して、富を得ていたがそのことがついに王国にバレたのだ。
急いでその証拠を処分しようと探しているが、なぜかその書類が見当たらないのだ。
「なぜだああーーーー!!!!!!!」
グローヴ侯爵は書類を机中のみならず部屋中にまき散らして頭を抱えている。
書類をビリビリに引きちぎり、そして床に叩きつける様子をメイドや執事たちは恐ろしそうに眺めていた。
「なぜあのことがバレたんだ……終わりだ……」
すると、騎士長であるセドリックがグローヴ侯爵の目の前に現れて彼に向かって言い放った。
「グローヴ侯爵、領地での不当な税金徴収ならびに王国への虚偽の報告、納税。そして隣国への情報漏洩の件で話があります。ご同行願えますか?」
「くそっ!!」
「それと、ブライアン様のことは王国で治療いたしますので、どうぞご心配なさらないでください」
それだけ告げると、セドリックは王宮へと戻っていった。
◇◆◇
「ブライアンお兄様っ!」
「エリゼ……」
王宮の医務管理室の隣にある病室にて、エリゼとブライアンは再会した。
数ヵ月ぶりの再会であったため、二人とも嬉しさが止まらない。
そんな二人を見ながら、ジェラルドは騎士長であるセドリックに耳打ちする。
「エリゼの兄上の病気の具合は悪いのか?」
「余命を申告されたそうですが、どうやらあまり評判のよくない医師だったらしく王宮所属の医師に見てもらったら、風邪をこじらせたようでした」
「そうか」
「ただ、あまり体自体は丈夫ではないため、しっかりと治療をする必要はありそうです」
すると、ジェラルドは少し聞きづらそうにしながら、セドリックに問う。
「念のため聞くが、エリゼの兄上は不正に関与していないのだな?」
「はい。彼は全く関与しておらず、むしろエリゼ様の支援をしたり、それから父親の暴走を止めようとしていたようでした」
「……そうか」
それを聞いて少し安心したジェラルドは、エリゼのもとに近寄る。
「エリゼ、兄上はもう大丈夫だ。うちの医師にかかればじきによくなるだろうと」
「ジェラルド様、ありがとうございます!」
頭を下げるエリゼに「とんでもないよ」と返事をするジェラルドに、兄ブライアンも重ねてお礼を言うのだった。
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