魔境の森に捨てられたけど、最強のテイマーになって生還した~外れギフト【スライムテイム】でスライムを無限に仲間にして成り上がり無双~

むらくも航

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第54話 アケアの策

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 フォーロス家の地下、牢獄にて。

「おらっ、さっさと歩け!」
「……」

 メイド達が閉じ込められている場所に、少年が連れて来られた。
 その姿にはメイド達も目を見開く。

「「「アケア様!」」」

 姿を見せたのは、半年前に勘当されたアケアだ。
 しかし、目は焦点が合っておらず、正気を失っている。
 さっき受けた【思考支配マインド・コントロール】の影響だろう。

 すると、アケアを連れて来た魔族がにやりとする。

「これがお前たちの希望か? 随分あっさりだったなあ」
「「「……っ!」」」
「このガキ、我らがハーティ様の太ももに挟まれやがって。ちくしょう羨まし──ぶへっ!」
「「「……!?」」」

 だが、魔族の口は途中で閉じられた。
 ふいに振り向いたアケアが、肘打ちで気絶させたのだ。
 ぱんぱんっと手を払うと、アケアはメイド達に振り返る。

「みんな、助けに来たよ」
「「「ア、アケア様!」」」

 やはりというべきか、アケアは【思考支配マインド・コントロール】を受けていなかった。
 あらかじめスライムを仕込んでおいたようだ。

「ありがとうね」
『むむむ、テレパシー!』

 オカルトスライム。
 まじないや幻術に精通しており、怪しげな能力を持つ。
 魔法以外のことは大抵詳しく、役に立たなそうで意外と役立つスライムだ。

 しかし、アケアは途端に心臓を抑えた。

「ぐっ! ハァ、ハァ……!」
「「アケア様!?」」」

 すると、若干赤面してつぶやく。

「ど、ドキドキした……」
「「「はい?」」」

 アケアは、グラマラスな魔族ハーティにいたずらをされた。
 太ももで顔を挟まれ、上からにやにやと見下され、スカートの中の大人の下着も見せつけられたのだ。

 だが、【思考支配マインド・コントロール】を防いだことを気づかれるわけにはいかず。
 つまり、反応しないように心を無にして耐えていたのだ。

 年頃の男の子にしては脅威の精神力である。
 これも全てメイド達を助けるためだ。

「牢獄の場所を知りたかったからさ」
「「「……?」」」

 しかし、そんな事情はメイド達は知るはずもなく。
 ふうと一息ついたアケアは、何事もなかったかのように彼女達を解放した。

「どうぞ」
「「「あ、ありがとうございます!」」」
 
 すると、メイド達はわっとアケアに集まった。

「生きておられたのですね!」
「どうしてこちらへ!?」
「ポーラから話を聞いたのですか!?」

 だが、時間はあまりない。

「詳しいことは後でね。でも、みんなが閉じ込められていることはポーラから直接聞いたんだ」
「「「……!」」」

 昨日ギルドに訪れたのは、アケアと一番仲が良かったポーラだった。
 ここ数日の間にアケアはフィルと評判を上げていたため、それを聞いてお願いしたのだろう。

 そうして、事情を聞いたアケアはメイド達の場所を突き止めるため、【思考支配マインド・コントロール】を受けたフリをされていたというわけだ。

「屋敷は魔族だらけだ。何があったか分かる?」
「いえ、私達も何が何だか。ただ、こうなったのはマルム様が帰られてからです」

 メイドは数日前を思い出すように話した。

 マルムはアケアに敗れた後、やつれた様子で帰宅。
 すぐにガルムに用があると言い、二人で話していた。
 だが、そこからガルムの姿は見えておらず、変な者たちも出入りし、メイド達は不当に捕らえられたという。

「ということなのです」
「……わかった」

 マルムに何かあったとすれば、アケアと戦ったすぐ後だろう。
 アケアは考えながらも、とにかくメイド達を安全な場所へ案内した。

「僕についてきて」
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