魔境の森に捨てられたけど、最強のテイマーになって生還した~外れギフト【スライムテイム】でスライムを無限に仲間にして成り上がり無双~

むらくも航

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第65話 裏の動きと来客

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 一方その頃、とある地。
 薄暗い場所で、複数人の魔族が集まっていた。

「ハーティが死んだか」

 男の魔族が口を開くと、周りも反応を示す。

「別にいいんじゃないかしら。あんなサイコ野郎」
「ああ、ただのギフトマニアだしな」
「自分は強くなかったっしょ」

 ハーティは伯爵級魔族。
 だが、ここにいるのはハーティを見下すほどの魔族たちだ。
 魔族騒動から続く一連の流れは、彼らが操っていたと思われる。

「さてと」

 そうして、一番偉そうな男の魔族はつぶやいた。
 これまでの計画の集大成をするように。

「そろそろいた種を回収しようか」





 アケアが領主になってから、約一週間。

「おおー、それっぽくなってきたなあ」

 アケアは、元フォーロス家屋敷の前に立っていた。
 そこでは、スライム達がせっせと働いている。

『おうちー!』
『新しいおうちー!』
『僕たちのおうちー!』

 屋敷があった場所は、領主アケアの家を建てることになったのだ。
 そこでデザインを考えていたところ、スライム達が建てたいと言い出した。
 魔境の森の家に続き、二軒目ということだ。

「まさか本当に僕が領主になるとは……」

 そして、アケアは正式に領主になった。
 ギルド長が送った申請は受理され、国から了承を得たのだ。
 アケアは何度も確認したが、 ギルドの意見は無視できないものらしく、Bランク冒険者というのも良い風に働いたらしい。

「アケアくん!」
「あ、フィル!」

 すると、フィルが後ろから手を振って来る。
 
「だいぶ出来てきたね!」
「うん。まあ、これでいいのかって話だけど」

 二人は元屋敷へ目を向けた。
 そこには、スライムの形をした大きな家が建っていたのだ。

『『『いいかんじー!』』』

 外壁は水色に染められ、形はスライムのまんま。
 庭には遊具もあり、スライム達が遊べるようだ。
 領主の威厳なんてまるで無い、かわいいおうちになっていた。

「ふふっ、かわいいじゃん!」
「そうかなあ」

 もちろん領民の了解は得ている。
 むしろ、みんな完成を心待ちにしているようだ。
 
「完成したら、アケア君はたまに帰ってくる感じだよね」
「そうだね。ちょくちょく顔を出すよ」

 ただし、ここにずっと住むわけではない。
 各地を旅したいアケアは、休息のために帰る場所というわけだ。
 みんながアケアの活動を尊重してくれたおかげである。

 すると、さらに商人の者がたずねてきた。

「アケア様!」
「ん?」
「お隣の公爵令嬢がお見えになりました!」
「え?」

 アケアはふと誰かを思い浮かべた。
 その肩書きは一人しか思いつかない。

 そうして、すぐに馬車が家の前までやってくる。

「アケア様!」
「セ、セレティア!」

 馬車から降りてきたのは、やはりセレティアだった。
 すると、令嬢らしからぬ小走りでアケアの元までやってくる。

「お久しぶりでございますっ!」
「わわっ!」

 セレティアはそのまま抱き着いた。
 対して、訳が分からないアケアは混乱する。

「ど、どうしたの!? こんなところに!」
「アケア様が領主となられたと聞きまして」
「あ、うん」
「それでしたら……」
 
 すると、セレティアはすっと一歩下がる。
 スカートの両裾を少し持ち上げて、丁寧にお辞儀をした。
 これが目的だったようだ。

「ぜひエスガルドの王都と貿易をいたしましょう!」
「ええ!?」

 セレティアは多大な恩を返すべく、アケア領におもむいたのだった。
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