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第15話 現れた謎の女性
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「今日こそ出発だね!」
宿の中、エアルが元気に両腕を伸ばす。
「ええ、先に進みましょう」
「わふ!」
探索者街『ツヴァイ』に付いてから一日。
昨日はたらふく食べてしまったため、エアル達は今日から出発することとなる。
とりあえずは、この先を簡単に探索することからだ。
「そういえば、リザはどうしてダンジョンに潜るの?」
「……!」
「僕は立派な探索者になるため。あとおじいちゃんを追いかける為だけど」
そんな中、エアルがふいにたずねる。
少し気になっていたことのようだ。
「私は──」
「……!」
対して、一瞬怖い目を覗かせるリザ。
だが、すぐに穏やかな笑顔をエアルに向けた。
「未知を求める。それが探索者でしょ」
「そ、そうだね」
それはいつもと変わらない笑顔。
しかし、どこか取り繕っているのをエアルは感じ取っていた。
「うわあ……!」
ダンジョンのつなぎ目である、探索者街ツヴァイから少し。
新たなダンジョンの領域を前にして、エアルは目を輝かせた。
「山だ!」
「というか、丘ね」
彼らの前に広がったのは、連なる丘。
──『ダンダン丘』。
まず目を見張るのは、名前の通り“丘”。
サイズや大きさ、どれも違った丘が段々となって続いている。
また、見る限り広がるのは緑の原っぱだ。
一見穏やかにも思えるが、ここで一番厄介なのは魔物の強さである。
「この『ダンダン丘』から、下へ潜るルートは別れるの」
「そうなんだ」
「ええ。あと二つほど、ダンジョンの選択肢があるのだけど……」
リザは考える素振りを見せるが、やがてうんとうなずいた。
「やっぱり『ダンダン丘』ルートが最適ね」
「そうなの?」
「ええ。他二つは、ダンジョン自体の仕掛けが厄介だわ」
「へー」
それから、リザはニヤリとした顔でエアルを覗き見る。
「でもここに仕掛けはほとんどない。その代わり、他二つに比べて魔物が強いという特徴があるわ」
「!」
「エアルにはピッタリでしょ」
「だね」
エアルもまた笑みを返した。
あれこれ考えるより、とにかく魔物を倒す。
エアルの強さを信頼して、リザはこのルートを選んだのだろう。
「じゃあ行こう!」
「わっふ~!」
「ふふっ、どっちも元気ね」
エアルに加え、フェンリルが増えた。
だいぶ賑やかになったパーティーは、『ダンダン丘』を進み始めた。
「中々やるな!」
スタッと地面に足を着いたエアル。
浮かばせるのは、少し焦ったような表情だ。
だが──
「グオオオオオオ!!」
「どりゃっ!」
決して魔物に苦戦しているからではない。
魔物はむしろ瞬殺だ。
エアルが勝負をしているのは──ラフィ。
「わふーっ!」
「グォォ!?」
エアルの後方で、ラフィが魔物を仕留めた。
「次!」
「わふぅ……!」
二人はどちらが多く倒せるかの勝負をしているようだ。
「うりゃあああああ!」
エアルは魔物に真正面から殴りかかる。
どんな魔物相手にも肉弾戦を繰り返している。
「わふぅ……ふぅわっ!」
対して、ラフィは速さを生かし、急所を突くスタイルだ。
大きな魔物でも足元から崩せば問題ない。
「おおおおお!!」
「わふぅぅぅ!!」
『野生』のエアルと、“頂上種”ラフィ。
その勝負の行方は──
「エアルの勝ちね」
エアルに軍配が上がった。
「やったあ!」
「わふぅ……」
いくら“頂上種”といえど、ラフィはまだ生まれたてだ。
さすがにまだ差があったみたいだ。
「ラフィ、すごいじゃないか~」
「わふわふっ!」
勝利したエアルだが、ラフィ抱えながら褒め称える。
たった数時間の中でも成長が垣間見え、嬉しく感じているようだ。
「あんた達がいれば楽でいいわ~」
友情を育む二人はよそに、リザはせっせと素材を回収している。
彼女が今まで組んだ誰よりも、効率よく集まっていることだろう。
「それじゃ先に進──」
「あなたたち、面白いわね」
そんな彼らの元に、どこからともなく声が聞こえてきた。
「え?」
エアルは足を止め、きょろきょろと辺りを見渡す。
そうしてやがて、高い丘の上に声主を見つけた。
「あ!」
目に付いたのは、謎の女性だ。
綺麗なショートカットの黒髪。
黒マントが良く似合う細身のスタイル。
背中側には、黒い“長刀”を差しているように見える。
「特に面白いのが──君」
「僕?」
フッとエアルに笑いかけた女性は、そのまま高い丘から音もなく着地する。
「その実力、ちょっと見せてもらえないかしら」
「……!」
そして、背中側から抜いた長刀をエアルへ向けた。
いきなり決闘の申し込みというわけだ。
そんな女性に、リザが声を上げた。
「あの人は……!」
「リザ、知ってるの?」
「ええ、むしろ探索者じゃ知らない方が少ないわよ」
少し焦った表情のまま、その名を口にする。
「彼女は『攻略組』の一人」
「!」
「“不敵”のレリア……!」
そんな肩書きにふさわしく、レリアは不敵な笑みを浮かべた。
「フフフッ。さあ始めましょ」
宿の中、エアルが元気に両腕を伸ばす。
「ええ、先に進みましょう」
「わふ!」
探索者街『ツヴァイ』に付いてから一日。
昨日はたらふく食べてしまったため、エアル達は今日から出発することとなる。
とりあえずは、この先を簡単に探索することからだ。
「そういえば、リザはどうしてダンジョンに潜るの?」
「……!」
「僕は立派な探索者になるため。あとおじいちゃんを追いかける為だけど」
そんな中、エアルがふいにたずねる。
少し気になっていたことのようだ。
「私は──」
「……!」
対して、一瞬怖い目を覗かせるリザ。
だが、すぐに穏やかな笑顔をエアルに向けた。
「未知を求める。それが探索者でしょ」
「そ、そうだね」
それはいつもと変わらない笑顔。
しかし、どこか取り繕っているのをエアルは感じ取っていた。
「うわあ……!」
ダンジョンのつなぎ目である、探索者街ツヴァイから少し。
新たなダンジョンの領域を前にして、エアルは目を輝かせた。
「山だ!」
「というか、丘ね」
彼らの前に広がったのは、連なる丘。
──『ダンダン丘』。
まず目を見張るのは、名前の通り“丘”。
サイズや大きさ、どれも違った丘が段々となって続いている。
また、見る限り広がるのは緑の原っぱだ。
一見穏やかにも思えるが、ここで一番厄介なのは魔物の強さである。
「この『ダンダン丘』から、下へ潜るルートは別れるの」
「そうなんだ」
「ええ。あと二つほど、ダンジョンの選択肢があるのだけど……」
リザは考える素振りを見せるが、やがてうんとうなずいた。
「やっぱり『ダンダン丘』ルートが最適ね」
「そうなの?」
「ええ。他二つは、ダンジョン自体の仕掛けが厄介だわ」
「へー」
それから、リザはニヤリとした顔でエアルを覗き見る。
「でもここに仕掛けはほとんどない。その代わり、他二つに比べて魔物が強いという特徴があるわ」
「!」
「エアルにはピッタリでしょ」
「だね」
エアルもまた笑みを返した。
あれこれ考えるより、とにかく魔物を倒す。
エアルの強さを信頼して、リザはこのルートを選んだのだろう。
「じゃあ行こう!」
「わっふ~!」
「ふふっ、どっちも元気ね」
エアルに加え、フェンリルが増えた。
だいぶ賑やかになったパーティーは、『ダンダン丘』を進み始めた。
「中々やるな!」
スタッと地面に足を着いたエアル。
浮かばせるのは、少し焦ったような表情だ。
だが──
「グオオオオオオ!!」
「どりゃっ!」
決して魔物に苦戦しているからではない。
魔物はむしろ瞬殺だ。
エアルが勝負をしているのは──ラフィ。
「わふーっ!」
「グォォ!?」
エアルの後方で、ラフィが魔物を仕留めた。
「次!」
「わふぅ……!」
二人はどちらが多く倒せるかの勝負をしているようだ。
「うりゃあああああ!」
エアルは魔物に真正面から殴りかかる。
どんな魔物相手にも肉弾戦を繰り返している。
「わふぅ……ふぅわっ!」
対して、ラフィは速さを生かし、急所を突くスタイルだ。
大きな魔物でも足元から崩せば問題ない。
「おおおおお!!」
「わふぅぅぅ!!」
『野生』のエアルと、“頂上種”ラフィ。
その勝負の行方は──
「エアルの勝ちね」
エアルに軍配が上がった。
「やったあ!」
「わふぅ……」
いくら“頂上種”といえど、ラフィはまだ生まれたてだ。
さすがにまだ差があったみたいだ。
「ラフィ、すごいじゃないか~」
「わふわふっ!」
勝利したエアルだが、ラフィ抱えながら褒め称える。
たった数時間の中でも成長が垣間見え、嬉しく感じているようだ。
「あんた達がいれば楽でいいわ~」
友情を育む二人はよそに、リザはせっせと素材を回収している。
彼女が今まで組んだ誰よりも、効率よく集まっていることだろう。
「それじゃ先に進──」
「あなたたち、面白いわね」
そんな彼らの元に、どこからともなく声が聞こえてきた。
「え?」
エアルは足を止め、きょろきょろと辺りを見渡す。
そうしてやがて、高い丘の上に声主を見つけた。
「あ!」
目に付いたのは、謎の女性だ。
綺麗なショートカットの黒髪。
黒マントが良く似合う細身のスタイル。
背中側には、黒い“長刀”を差しているように見える。
「特に面白いのが──君」
「僕?」
フッとエアルに笑いかけた女性は、そのまま高い丘から音もなく着地する。
「その実力、ちょっと見せてもらえないかしら」
「……!」
そして、背中側から抜いた長刀をエアルへ向けた。
いきなり決闘の申し込みというわけだ。
そんな女性に、リザが声を上げた。
「あの人は……!」
「リザ、知ってるの?」
「ええ、むしろ探索者じゃ知らない方が少ないわよ」
少し焦った表情のまま、その名を口にする。
「彼女は『攻略組』の一人」
「!」
「“不敵”のレリア……!」
そんな肩書きにふさわしく、レリアは不敵な笑みを浮かべた。
「フフフッ。さあ始めましょ」
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