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地の胎内
死んだ。
どこまでも続く暗い穴へ落ちる中、イオルは確かにそう思った。
見えない力に引かれ、身体はぐんぐんと落下する。
そのうちにイオルの意識はぷっつりと途絶えていた。
次にイオルが目を覚ました時、目の前には奇妙な空間が広がっていた。
赤黒い肉の蔦が何本も組み合わさり、ドーム状の空間を形成している。
天井の高さは大聖堂に勝るとも劣らないほどだ。
そしてイオルは、どくどくと時たま脈打つ肉の床に仰向けで寝かされていた。
両手両足は床から生えた触手でXの字に拘束されている。
「きしょ……」
目覚めの第一声で気色悪いという言葉が口をついて出たイオルだが、手足が動かないことを感じると、その言葉も尻すぼみになる。
俺は一体どうなったんだ。
神を名乗る魔物に騙されていたのか。
そもそも何で俺は旅なんかを?
村を出立してから今までがイオルの脳内を駆け巡る。
とにかくここから出よう。
よく分かんないけど、儀式の生贄とかにされそうだ。
イオルは手足を激しく動かしてみるが、生温かく弾力のある触手が手首足首を巻き取ったまま放さない。
「なんだよこれもう!」
やけを起こしたイオルが吠えると、顔の脇にある触手の床がボコボコと膨れ上がり始める。
『あまり引っ張るな。むず痒い』
聞きなれた声。
イオルの肌が粟立つ。
膨れ上がった赤黒いものは、みるみるうちに巨大化し、イオルの背丈の二倍ほどまでに成長した。
触手同士はぎゅっと絡み合い、融解し、瞬く間に見慣れた姿へと変貌する。
くるぶし丈の長衣をまとった、灰色の大男。
「よくも騙したな! 神とか言って、でっかくなって!」
「お前の言葉の全てを否定しよう。我はお前を騙してなどおらん。まごうことなき精霊神の一柱だ。あれが元々の大きさで、今はお前に合わせてやっているだけだ」
エスカーテスはやや呆れ気味にイオルを見下ろす。
「嘘嘘ぜったい嘘。じゃあ何で俺をこんな目に遭わせるんだよ」
イオルはばたばたと手足を動かし、拘束された身体で抗議した。
「それはお前が今から行う儀式に怖気づいて逃げ出さないようにするためだ」
「ぎし、儀式って……。やっぱり悪魔だ! 俺を生贄にするんだろ? 生きたまま串刺しとかにするんだろ!?」
「やかましい」
「ぐぇ」
喚くイオルの口に一本の触手が挿しこまれた。
「黙って我の話を聞く気があるなら、それを抜き取ってやる。嫌なら望み通り内側から串刺しにしてやろう。どうする、大人しくするか」
イオルは触手を咥えながら必死に頷いた。
「えー本当に神様なんですか」
「何度もそう言っておろうが」
触手の床に胡坐をかいたイオルは、腕組みをしているエスカーテスをじっとりとした目つきで見上げる。
手足の拘束は解かれたが、代わりに床から伸びる触手が首元に巻き付いている。
まるで軒先に繋がれた犬のようだと思ったイオルだが、また余計なことを言うと厄介なことになると学習したので大人しくしていた。
「だっておかしいじゃないですか。破壊ってなんですか。俺めっちゃ可哀想な精霊神だと思って協力してたのに」
「まさかお前に憐れまれているとは。まあ、あの惨めな姿はその気にさせても仕方がないがな」
「一人で納得しないでくださいよ。復活して何する気なんですかホント」
「忘れたのか。この世界を救うために封印を解かせたことを」
「えー破壊神が?」
「そうだ」
口をとがらせて見上げてくるイオルに、エスカーテスも似たような表情をとってみせる。
「よいか。この世は創造の力だけでは保てぬ。破壊が居てこそ、生命は終わりを迎え、物は壊れ行く」
「え、死なないし壊れない方が良くないですか」
「そうすれば兄弟の造りしものは無限に増え続け、すべてを覆い尽くすだろう。そもそも物が壊せないのだから、お前たちは家を建てることもできん。進化も淘汰もなく、原始のままのものが無限増殖する」
「ぜんぜん分かんないんですけど、この世が埋まっちゃうってことですか」
「そう考えてもよい」
「はぁー」
イオルはついに下を向いた。
エスカーテスの裸足が見える。その足首にはうっすらと鎖の跡が残っていた。
「破壊と創造。我らは共に生まれてきた。この世がこの世として在るためには、互いの存在が必要だ」
「でも何かハメられたみたいな話してませんでした?」
「そうだ。この世は兄弟と我の箱庭。完成した世を整えていたら、僕が創ったものを勝手に壊すなと言われてな」
エスカーテスが渋い顔で髪をかき上げる。
薄暗く不気味な空間でも、金の髪は眩い光を反射した。
「あやつは創るだけ創って放置をする悪癖がある。ニンゲンでさえ庭の草刈りくらいはしよう。だが奴は自然のままでいい、その方が視ていて面白いと、何もせん。そのくせ自分を崇め奉る教えだけは広めている。我なくしてこの世は保たれんというのに」
「……」
途端に口数が多くなったエスカーテスに、イオルは半ば呆れて物が言えなくなっていた。
これ知ってる。
兄弟喧嘩ってやつ。
「もしかして精霊神様と殴り合いとかしました?」
「よく分かったな。お前にしては鋭い」
「へへ。ん?」
お前にしてはという言葉がひっかかるが、イオルはエスカーテスの顔色を優先して口を噤んだ。
「力では我の方が勝った」
「でしょうね。精霊神様の像、みんなしゅっとしてるし」
「それを恨んだ兄弟は、我を縛る規則を創造した。この世にあった我の信仰を削り、神格を霧の中へ隠した。いくつかの条件をつけ、ようやく我を意識の世界へつなぐことに成功した。ニンゲンが我を忘れるまで時間はかからなかった。我は繋がれたまま、あらゆるニンゲンへ声をかけた」
「あ。それで俺がつられちゃったのか」
「不満か?」
「いいえ」
イオルは真面目くさった顔つきで首を横に振る。
「でも良かったですね、復活出来て」
「まだだ」
揉み手で媚びた笑みを見せるイオルの言葉を、エスカーテスは冷たく切り捨てる。
「え」
エスカーテスは膝を折り、イオルの顔面を間近で覗き込んだ。
イオルに合わせたというが、それでも大の大人が子供のように思える巨躯だ。
エスカーテスの影にイオルはすっぽりと飲みこまれる。
「我が完全な状態で力を行使するには、飲まねばならん最後の条件がある」
「なんですかそれ」
「ニンゲンと交わることだ」
「はあぁ?」
──地上・モルガカトラ大聖堂
倒れた門衛を救護しようと司祭館へ向かったガイウスだったが、そこに居たものは聖職者の服を着た触手の束であった。
辛うじてヒト型をしているそれらは、のそのそと部屋の中をうろつくだけだ。
どうやら脳みそがどこかへ行ってしまったようだ。
元ニンゲンと思うと切り伏せることもできず、ガイウスが正門まで戻ると、門衛の服を着た触手が地面をゆっくりと這っていた。
これも“大いなる破壊”の力なのか?
家に伝わる聖典をくまなく確認するよう、ベルトランとローランを生家へ帰していたことが悔やまれる。
だが、彼らが居たところで何が出来よう。
今自分が無事なのは、精霊神の加護がこの身に残っているからに違いない。
ガイウスはそう考えたが、相変わらずガイウスの祈りは天に届かない。
「誰か、誰かいないのか!」
同じように祝福を授かった者が、まだ残っているかもしれない。
力を合わせれば、“大いなる破壊”の復活を阻止できるかもしれない。
潰えたも同然の希望を胸に、ガイウスはニンゲンを探した。
誰か裏手の物置に隠れているかもしれない。
ガイウスが大聖堂脇を速足で行く間、猫だったものや鳥だったものに遭遇した。
みな赤黒い触手の塊となり、あてもなくふらふらとしている。
『──この世界は終わりです。あきらめなさい』
ガイウスが大聖堂の裏に出ようとしたその瞬間、いつか聞いた精霊神の声が頭の中にこだまする。
「……悪魔め!」
ガイウスは歯を食いしばって幻聴を振り払った。
これも“大いなる破壊”がもたらす偽りに過ぎない。ガイウスはそう自分に言い聞かせる。
ガイウスが額に汗を浮かべながら大聖堂の裏手に辿り着くと、そこには暗い大穴が開いていた。
つづく
どこまでも続く暗い穴へ落ちる中、イオルは確かにそう思った。
見えない力に引かれ、身体はぐんぐんと落下する。
そのうちにイオルの意識はぷっつりと途絶えていた。
次にイオルが目を覚ました時、目の前には奇妙な空間が広がっていた。
赤黒い肉の蔦が何本も組み合わさり、ドーム状の空間を形成している。
天井の高さは大聖堂に勝るとも劣らないほどだ。
そしてイオルは、どくどくと時たま脈打つ肉の床に仰向けで寝かされていた。
両手両足は床から生えた触手でXの字に拘束されている。
「きしょ……」
目覚めの第一声で気色悪いという言葉が口をついて出たイオルだが、手足が動かないことを感じると、その言葉も尻すぼみになる。
俺は一体どうなったんだ。
神を名乗る魔物に騙されていたのか。
そもそも何で俺は旅なんかを?
村を出立してから今までがイオルの脳内を駆け巡る。
とにかくここから出よう。
よく分かんないけど、儀式の生贄とかにされそうだ。
イオルは手足を激しく動かしてみるが、生温かく弾力のある触手が手首足首を巻き取ったまま放さない。
「なんだよこれもう!」
やけを起こしたイオルが吠えると、顔の脇にある触手の床がボコボコと膨れ上がり始める。
『あまり引っ張るな。むず痒い』
聞きなれた声。
イオルの肌が粟立つ。
膨れ上がった赤黒いものは、みるみるうちに巨大化し、イオルの背丈の二倍ほどまでに成長した。
触手同士はぎゅっと絡み合い、融解し、瞬く間に見慣れた姿へと変貌する。
くるぶし丈の長衣をまとった、灰色の大男。
「よくも騙したな! 神とか言って、でっかくなって!」
「お前の言葉の全てを否定しよう。我はお前を騙してなどおらん。まごうことなき精霊神の一柱だ。あれが元々の大きさで、今はお前に合わせてやっているだけだ」
エスカーテスはやや呆れ気味にイオルを見下ろす。
「嘘嘘ぜったい嘘。じゃあ何で俺をこんな目に遭わせるんだよ」
イオルはばたばたと手足を動かし、拘束された身体で抗議した。
「それはお前が今から行う儀式に怖気づいて逃げ出さないようにするためだ」
「ぎし、儀式って……。やっぱり悪魔だ! 俺を生贄にするんだろ? 生きたまま串刺しとかにするんだろ!?」
「やかましい」
「ぐぇ」
喚くイオルの口に一本の触手が挿しこまれた。
「黙って我の話を聞く気があるなら、それを抜き取ってやる。嫌なら望み通り内側から串刺しにしてやろう。どうする、大人しくするか」
イオルは触手を咥えながら必死に頷いた。
「えー本当に神様なんですか」
「何度もそう言っておろうが」
触手の床に胡坐をかいたイオルは、腕組みをしているエスカーテスをじっとりとした目つきで見上げる。
手足の拘束は解かれたが、代わりに床から伸びる触手が首元に巻き付いている。
まるで軒先に繋がれた犬のようだと思ったイオルだが、また余計なことを言うと厄介なことになると学習したので大人しくしていた。
「だっておかしいじゃないですか。破壊ってなんですか。俺めっちゃ可哀想な精霊神だと思って協力してたのに」
「まさかお前に憐れまれているとは。まあ、あの惨めな姿はその気にさせても仕方がないがな」
「一人で納得しないでくださいよ。復活して何する気なんですかホント」
「忘れたのか。この世界を救うために封印を解かせたことを」
「えー破壊神が?」
「そうだ」
口をとがらせて見上げてくるイオルに、エスカーテスも似たような表情をとってみせる。
「よいか。この世は創造の力だけでは保てぬ。破壊が居てこそ、生命は終わりを迎え、物は壊れ行く」
「え、死なないし壊れない方が良くないですか」
「そうすれば兄弟の造りしものは無限に増え続け、すべてを覆い尽くすだろう。そもそも物が壊せないのだから、お前たちは家を建てることもできん。進化も淘汰もなく、原始のままのものが無限増殖する」
「ぜんぜん分かんないんですけど、この世が埋まっちゃうってことですか」
「そう考えてもよい」
「はぁー」
イオルはついに下を向いた。
エスカーテスの裸足が見える。その足首にはうっすらと鎖の跡が残っていた。
「破壊と創造。我らは共に生まれてきた。この世がこの世として在るためには、互いの存在が必要だ」
「でも何かハメられたみたいな話してませんでした?」
「そうだ。この世は兄弟と我の箱庭。完成した世を整えていたら、僕が創ったものを勝手に壊すなと言われてな」
エスカーテスが渋い顔で髪をかき上げる。
薄暗く不気味な空間でも、金の髪は眩い光を反射した。
「あやつは創るだけ創って放置をする悪癖がある。ニンゲンでさえ庭の草刈りくらいはしよう。だが奴は自然のままでいい、その方が視ていて面白いと、何もせん。そのくせ自分を崇め奉る教えだけは広めている。我なくしてこの世は保たれんというのに」
「……」
途端に口数が多くなったエスカーテスに、イオルは半ば呆れて物が言えなくなっていた。
これ知ってる。
兄弟喧嘩ってやつ。
「もしかして精霊神様と殴り合いとかしました?」
「よく分かったな。お前にしては鋭い」
「へへ。ん?」
お前にしてはという言葉がひっかかるが、イオルはエスカーテスの顔色を優先して口を噤んだ。
「力では我の方が勝った」
「でしょうね。精霊神様の像、みんなしゅっとしてるし」
「それを恨んだ兄弟は、我を縛る規則を創造した。この世にあった我の信仰を削り、神格を霧の中へ隠した。いくつかの条件をつけ、ようやく我を意識の世界へつなぐことに成功した。ニンゲンが我を忘れるまで時間はかからなかった。我は繋がれたまま、あらゆるニンゲンへ声をかけた」
「あ。それで俺がつられちゃったのか」
「不満か?」
「いいえ」
イオルは真面目くさった顔つきで首を横に振る。
「でも良かったですね、復活出来て」
「まだだ」
揉み手で媚びた笑みを見せるイオルの言葉を、エスカーテスは冷たく切り捨てる。
「え」
エスカーテスは膝を折り、イオルの顔面を間近で覗き込んだ。
イオルに合わせたというが、それでも大の大人が子供のように思える巨躯だ。
エスカーテスの影にイオルはすっぽりと飲みこまれる。
「我が完全な状態で力を行使するには、飲まねばならん最後の条件がある」
「なんですかそれ」
「ニンゲンと交わることだ」
「はあぁ?」
──地上・モルガカトラ大聖堂
倒れた門衛を救護しようと司祭館へ向かったガイウスだったが、そこに居たものは聖職者の服を着た触手の束であった。
辛うじてヒト型をしているそれらは、のそのそと部屋の中をうろつくだけだ。
どうやら脳みそがどこかへ行ってしまったようだ。
元ニンゲンと思うと切り伏せることもできず、ガイウスが正門まで戻ると、門衛の服を着た触手が地面をゆっくりと這っていた。
これも“大いなる破壊”の力なのか?
家に伝わる聖典をくまなく確認するよう、ベルトランとローランを生家へ帰していたことが悔やまれる。
だが、彼らが居たところで何が出来よう。
今自分が無事なのは、精霊神の加護がこの身に残っているからに違いない。
ガイウスはそう考えたが、相変わらずガイウスの祈りは天に届かない。
「誰か、誰かいないのか!」
同じように祝福を授かった者が、まだ残っているかもしれない。
力を合わせれば、“大いなる破壊”の復活を阻止できるかもしれない。
潰えたも同然の希望を胸に、ガイウスはニンゲンを探した。
誰か裏手の物置に隠れているかもしれない。
ガイウスが大聖堂脇を速足で行く間、猫だったものや鳥だったものに遭遇した。
みな赤黒い触手の塊となり、あてもなくふらふらとしている。
『──この世界は終わりです。あきらめなさい』
ガイウスが大聖堂の裏に出ようとしたその瞬間、いつか聞いた精霊神の声が頭の中にこだまする。
「……悪魔め!」
ガイウスは歯を食いしばって幻聴を振り払った。
これも“大いなる破壊”がもたらす偽りに過ぎない。ガイウスはそう自分に言い聞かせる。
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2025/09/12 ★1000 Thank_You!!