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ナタージャの悩み 2
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「ふぅ……」
ナタージャは腕を組み替えてため息を再度付いた。
正直言って体を長時間動かさないでいるのもとても疲れるのだ。
ちらりと時計を見る。
ひっそりと図書室にいるのは自由休憩の時間だから。読書を楽しみたいといえば信者も離れてくれた。
そうでもしないと周りがうるさくてたまらない。
しかし、もうそろそろ授業の時間だ。
若干ふらつく視界を手で抑えつつ、保健室へ直行した。
コン、コン、コン
保健室のドアをノックする。ちなみにこのノックの回数のマナーは前世と変わらないらしい。
保健室へ入り、見慣れた姿が見える。
ボサボサな真っ黒髪を一つまとめに後ろに流し、時折見える目は三百眼で見る人には恐ろしい印象を与える。
それを隠すためか黒い縁取りの丸メガネをしている。
しかしそんな見た目はナタージャにとってどうでも良いし、彼がとても良き人物であることを良く知っていた。
彼には問題の入学式からとてもお世話になっていた。その時から良き関係を保っていると自負できる。
そしていつも通り保険医の彼、ジオル先生に検査を頼む。一定のリズムを保つ低い声がとても良い子守唄になってくる。
強いて言うならそれもナタージャの悩みだった。
なんて素敵な悩みだろうか。
そんなことをうつらうつらと悩みつつ、ふと大きな音が鳴り響いた。
バァァァンっっ!!
ドアが思いっきり開き、壁に打つかった音だった。
「ナタージャ…!こんな所にいたんだね…!!」
そう駆けつけて来たのはアングリッド王子である。
正直ナタージャはメッッチャドン引きした。
学園の扉を壊すなんて、と。
しかもその音にビビって無言で数センチほど飛び上がったものだから保険医の診断書がぶれて若干破けた。
しかしそれを見ることなくアングリッド王子は自分に酔った仕草で大袈裟に嘆いた。
「あぁ、ナタージャ…!!やはり下世話な人間など一緒にいるものではないよ……!!」
(は……!?うっっざっ!!)
イラッとした表情で抗議しようとすればそっと肩に手を置かれた。
もちろんいるのは保険医の先生だけ。その保険医の彼を覗き込むと、彼はとてもとても深いため息を付き、そっと立ち上がった。
その先を察したナタージャは両手を合わせてそっと彼の冥福を祈った。まだ死んでいないが(笑)
自分ひとりになってしまったナタージャはちょっと悲しくなった。なにせいつも頼りにしているジオル先生が居なくなってしまったから。
その時ふと音が鳴り響いた。
コン、コン、コン…
扉が開いていることに戸惑ったのか、控えめな扉のノック音が響いた。
しかし、残念ながら保険医であるジオル先生はいない。
せめて、今ジオル先生が不在だと言うことを伝えるためにナタージャが返事をすることにした。
「はい、どうぞ。でも今はジオル先生がいらっしゃいません…」
ナタージャは念の為、いつでも自分自身を守れるように防衛魔法をかける準備をしながら扉を見た。
ナタージャは腕を組み替えてため息を再度付いた。
正直言って体を長時間動かさないでいるのもとても疲れるのだ。
ちらりと時計を見る。
ひっそりと図書室にいるのは自由休憩の時間だから。読書を楽しみたいといえば信者も離れてくれた。
そうでもしないと周りがうるさくてたまらない。
しかし、もうそろそろ授業の時間だ。
若干ふらつく視界を手で抑えつつ、保健室へ直行した。
コン、コン、コン
保健室のドアをノックする。ちなみにこのノックの回数のマナーは前世と変わらないらしい。
保健室へ入り、見慣れた姿が見える。
ボサボサな真っ黒髪を一つまとめに後ろに流し、時折見える目は三百眼で見る人には恐ろしい印象を与える。
それを隠すためか黒い縁取りの丸メガネをしている。
しかしそんな見た目はナタージャにとってどうでも良いし、彼がとても良き人物であることを良く知っていた。
彼には問題の入学式からとてもお世話になっていた。その時から良き関係を保っていると自負できる。
そしていつも通り保険医の彼、ジオル先生に検査を頼む。一定のリズムを保つ低い声がとても良い子守唄になってくる。
強いて言うならそれもナタージャの悩みだった。
なんて素敵な悩みだろうか。
そんなことをうつらうつらと悩みつつ、ふと大きな音が鳴り響いた。
バァァァンっっ!!
ドアが思いっきり開き、壁に打つかった音だった。
「ナタージャ…!こんな所にいたんだね…!!」
そう駆けつけて来たのはアングリッド王子である。
正直ナタージャはメッッチャドン引きした。
学園の扉を壊すなんて、と。
しかもその音にビビって無言で数センチほど飛び上がったものだから保険医の診断書がぶれて若干破けた。
しかしそれを見ることなくアングリッド王子は自分に酔った仕草で大袈裟に嘆いた。
「あぁ、ナタージャ…!!やはり下世話な人間など一緒にいるものではないよ……!!」
(は……!?うっっざっ!!)
イラッとした表情で抗議しようとすればそっと肩に手を置かれた。
もちろんいるのは保険医の先生だけ。その保険医の彼を覗き込むと、彼はとてもとても深いため息を付き、そっと立ち上がった。
その先を察したナタージャは両手を合わせてそっと彼の冥福を祈った。まだ死んでいないが(笑)
自分ひとりになってしまったナタージャはちょっと悲しくなった。なにせいつも頼りにしているジオル先生が居なくなってしまったから。
その時ふと音が鳴り響いた。
コン、コン、コン…
扉が開いていることに戸惑ったのか、控えめな扉のノック音が響いた。
しかし、残念ながら保険医であるジオル先生はいない。
せめて、今ジオル先生が不在だと言うことを伝えるためにナタージャが返事をすることにした。
「はい、どうぞ。でも今はジオル先生がいらっしゃいません…」
ナタージャは念の為、いつでも自分自身を守れるように防衛魔法をかける準備をしながら扉を見た。
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