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侯爵令嬢ロンズマリー
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ナタージャの悩みは王子だけでは無い。
悩みはその王子の婚約者、侯爵令嬢のロンズマリー嬢にもあった。
褐色の、いわゆるハニーブロンドの髪が特徴的で、目はとっても強い意志を感じる空色の瞳。
ハキハキと喋る声からは周りが気圧される程。
善良な人柄ではある、あるが……。
ナタージャにとってはかなりの悩みの種だった。
なんせ普通は婚約者に近づく女性を牽制するはずの彼女が、ナタージャに婚約者と言う立場を与えようとしているのだから。
何度も断り続けているのに、さり気なくこちらにアピールし続けてくるロンズマリー嬢。
しかも善意で。善意で((
何故、ロンズマリーはそこまでナタージャに固執するのか?
それは誘拐されたロンズマリーがたまたま通りがかったナタージャに救われた事があるからだ。
(ナタージャにとっては倒れている女性を保護しただけに過ぎないのだが)
そんなロンズマリーは家柄でも分かるがとても高貴な令嬢だ。
今現在公爵令嬢がいないため、令嬢の中では最高位になる。
ロンズマリー様は純粋な性格ではあるが、しっかり気遣いが出来るし、周りの令嬢にもよく慕われている。
勉学を好み、努力家な一面も有る、まさしく王妃にふさわしい令嬢だった。
ナタージャも何度お世話になった事か。
ナタージャはそんな事があり、かなりの悩んでいた。悩み過ぎて体調不良に陥ったことが何度もあったことか。(まあ、ほとんどは王子どもによるストレスのせいだが)
しっかり断ればひとまず諦めてくれるが、それがわかるまで苦労したものだ。
ある日のこと。
ナタージャは授業終わりに席を立とうと机に手を置く。教科材を持ち、もう生徒が帰るという時間。
「ナタージャ様はわたくしの恩人ですもの!!」
ハキハキとした声が教室に響き渡る。
(…この声はロンズマリー様の声だ)
「わたくしは……!!わたくしは……!!」
今にも泣き出してしまいそうな、感情が高ぶった声。
「何事ですか?」
ナタージャは騒ぎの方へ向かう。たとえナタージャが面倒臭がっても、ナタージャの名前が出てしまった以上対応しない訳にはいかない。
(めんどくさいけど…、私の名前が出てるし……)
「ナ、ナタージャ様……」
眉尻を下げ、空色の瞳を潤ませて頰を赤くするロンズマリーがいた。
そのロンズマリーの前にはナタージャに何度も悪質な問いかけをしてきた令嬢がいた。
「…………!!」
モラハラ令嬢ことモラハラ女はナタージャと目が合うと、私は知らないと言わんばかりに目を逸らされた。
「申し訳有りません…、わたくしは貴族令嬢ですのに…」
「大丈夫ですよ、ロンズマリー様。何があったか、お教えもらえますか?」
「えぇ、そちらのご令嬢がナタージャ様の、それだけではなく聖女様の陰口までも……」
「私にはなんのことだかさっぱりわかりませんわ?」
「では、貴方がご説明頂けますよね」
「……そ、それは……」
「後日お話させていただきますので」
その令嬢は侯爵令嬢に逆らう気力はあるくせに問いかけられればすぐに黙り込んでしまった。
それを見たロンズマリーは複雑な表情でナタージャに話しかけてきた。
「ありがとうございます、ナタージャ様。けれどわたくしがしっかりしていれば……」
「大丈夫よ、聖女の陰口を言われれば黙っていられないのは当然だもの」
「えぇ、そうね。ありがとうナタージャ様」
感謝の意を告げるロンズマリーと共に賑やかな教室を出る。
(教室がうるさくなってきた……)
「あ、あの、やはり、女性のあこがれは愛されるお姫様ですわよね……、?」
ロンズマリーの唐突な言葉にナタージャは面食らう。
「えっ?!?」
「わ、わたくしは令嬢たれと…、そう教えられてきました。そして令嬢は愛されるお姫様に憧れるものだと…」
「愛されるお姫様、ですか……」
悩みはその王子の婚約者、侯爵令嬢のロンズマリー嬢にもあった。
褐色の、いわゆるハニーブロンドの髪が特徴的で、目はとっても強い意志を感じる空色の瞳。
ハキハキと喋る声からは周りが気圧される程。
善良な人柄ではある、あるが……。
ナタージャにとってはかなりの悩みの種だった。
なんせ普通は婚約者に近づく女性を牽制するはずの彼女が、ナタージャに婚約者と言う立場を与えようとしているのだから。
何度も断り続けているのに、さり気なくこちらにアピールし続けてくるロンズマリー嬢。
しかも善意で。善意で((
何故、ロンズマリーはそこまでナタージャに固執するのか?
それは誘拐されたロンズマリーがたまたま通りがかったナタージャに救われた事があるからだ。
(ナタージャにとっては倒れている女性を保護しただけに過ぎないのだが)
そんなロンズマリーは家柄でも分かるがとても高貴な令嬢だ。
今現在公爵令嬢がいないため、令嬢の中では最高位になる。
ロンズマリー様は純粋な性格ではあるが、しっかり気遣いが出来るし、周りの令嬢にもよく慕われている。
勉学を好み、努力家な一面も有る、まさしく王妃にふさわしい令嬢だった。
ナタージャも何度お世話になった事か。
ナタージャはそんな事があり、かなりの悩んでいた。悩み過ぎて体調不良に陥ったことが何度もあったことか。(まあ、ほとんどは王子どもによるストレスのせいだが)
しっかり断ればひとまず諦めてくれるが、それがわかるまで苦労したものだ。
ある日のこと。
ナタージャは授業終わりに席を立とうと机に手を置く。教科材を持ち、もう生徒が帰るという時間。
「ナタージャ様はわたくしの恩人ですもの!!」
ハキハキとした声が教室に響き渡る。
(…この声はロンズマリー様の声だ)
「わたくしは……!!わたくしは……!!」
今にも泣き出してしまいそうな、感情が高ぶった声。
「何事ですか?」
ナタージャは騒ぎの方へ向かう。たとえナタージャが面倒臭がっても、ナタージャの名前が出てしまった以上対応しない訳にはいかない。
(めんどくさいけど…、私の名前が出てるし……)
「ナ、ナタージャ様……」
眉尻を下げ、空色の瞳を潤ませて頰を赤くするロンズマリーがいた。
そのロンズマリーの前にはナタージャに何度も悪質な問いかけをしてきた令嬢がいた。
「…………!!」
モラハラ令嬢ことモラハラ女はナタージャと目が合うと、私は知らないと言わんばかりに目を逸らされた。
「申し訳有りません…、わたくしは貴族令嬢ですのに…」
「大丈夫ですよ、ロンズマリー様。何があったか、お教えもらえますか?」
「えぇ、そちらのご令嬢がナタージャ様の、それだけではなく聖女様の陰口までも……」
「私にはなんのことだかさっぱりわかりませんわ?」
「では、貴方がご説明頂けますよね」
「……そ、それは……」
「後日お話させていただきますので」
その令嬢は侯爵令嬢に逆らう気力はあるくせに問いかけられればすぐに黙り込んでしまった。
それを見たロンズマリーは複雑な表情でナタージャに話しかけてきた。
「ありがとうございます、ナタージャ様。けれどわたくしがしっかりしていれば……」
「大丈夫よ、聖女の陰口を言われれば黙っていられないのは当然だもの」
「えぇ、そうね。ありがとうナタージャ様」
感謝の意を告げるロンズマリーと共に賑やかな教室を出る。
(教室がうるさくなってきた……)
「あ、あの、やはり、女性のあこがれは愛されるお姫様ですわよね……、?」
ロンズマリーの唐突な言葉にナタージャは面食らう。
「えっ?!?」
「わ、わたくしは令嬢たれと…、そう教えられてきました。そして令嬢は愛されるお姫様に憧れるものだと…」
「愛されるお姫様、ですか……」
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